あさがほ

あさがほ(一) 
 その男は、様々な名前で呼ばれていた。「風来坊」「又三郎」「風狂」「変人」、そして、「烈士」…。始まりの風、みちしるべの物語。

あさがほ(二) 
 白滝農林高等学校には、古豪というほど名も力もない、稽古場ばかり古びた相撲部がある。その、現在の部員総数は…。

あさがほ(三) 
 二、三年生が退部し、顧問の協力も期待できず、道場の寿命も近い相撲部。三名の一年生はまず稽古場の手入れに取り掛かった。

あさがほ(四) 
 気持ちに弱さを抱えるウジミネと、身体能力を活かし切れないアケガタ。ツブラヤは両者の長所と短所を認識し、受け止める。

あさがほ(五) 
 主将も決まり、部としての体裁も何とか繕われた白滝農林相撲部。最初の対外交流は名高い古豪相撲部への出稽古となるが…。

あさがほ(六) 
 県内二位の強豪への出稽古で、鍛えに鍛えた力を見せつけたアケガタ。一見優勢で良い流れだったが、白滝は既に策に嵌っていた。

あさがほ(七) 
 予定した成果は得られなかった白滝相撲部だったが、完全な向かい風でもない。期待できる展望の中、三頭は各々の家に招き合い…。

あさがほ(八) 
 カムロとタマツクリを道場に迎え、歓待の稽古をおこなうツブラヤとウジミネ。一方、参加しなかったアケガタは、ナルゴの土を踏んでいた。

短編集(一) 
 鬼頭戦以後、白滝農林相撲部のゴールデンウィークまでを描いたショートショート集第一弾。
 「カタチ」「バチヘビ」「ボディソープ」「風と嵐と」「筍狩り」「連休最終日」の六本を収録。

あさがほ(九) 
 連休が終わり、英気を養い稽古を積んだ白滝相撲部は、県下一の相撲部へと出稽古に赴く。杜の都に君臨する「奥州王」のもとへと。

あさがほ(十) 
 「奥州王」。その称号がどんな意味を持つのか、白滝相撲部は理解する。そして「喪失」は明かされる。

あさがほ(十一) 
 首尾よく瑞鳳の訪問を受けられる事となり、白滝相撲部は好機を得た。奥州王の出陣に、様子を見に来る県内外の強豪。そして、始まりの風が吹く。

短編集(二) 
 瑞鳳戦以後、取り巻く環境が変わり始めた白滝農林相撲部を描いたショートショート集第二弾。
 「変わる流れ」「奥州王の誘い」「料理対決」「領土」「相互扶助」「恩送り」の六本を収録。

短編集(三) 
 瑞鳳戦以後、白滝農林相撲部の周辺を描いたショートショート集第三弾。
 「出羽の驍将」「鬼頭の役者」「指導者(一)」「奥州の夢」「OB達の戦い」「未来との約束」「指導者(二)」「山稽古」の八本を収録。

あさがほ(十二) 
 それは、諦めれば立ち消える儚い炎。しかして、諦めぬ限り消えはしない不滅の焔。アラオは、その男がずっと眩しかった。

短編集(四) 
 地区総体を目前に控えた白滝農林相撲部とその周辺を描いた、ショートショート集第四弾。
 「やまびこかえる」「名付け親」「白滝の白備え」「男なら」「自分の出番」「百一度目の恋の物語」「焔の背光」「地区総体前夜」の八本を収録。

あさがほ(十三) 
 終わる者。進む者。敗れる者。勝つ者。去る者。残る者。賭けて費やし捧げた時と汗の末に、宮義県高校総体相撲競技大会、開幕。

あさがほ(十四) 
 雨は止み、風は吹く。幾多の足跡が刻まれた土俵は、つわものどもが夢のあと。宮義県高校総体相撲競技大会、決着。そして…。

あさがほ(十五) 
 大会は済み、奥州王が仕掛け人となった祭りの概要が明かされた。三名一組のチーム戦。変則団体戦の提案に、白滝部員達は…。

短編集(五) 
 一学期終盤の白滝農林相撲部とチーム各々の様子を描いた、ショートショート集第五弾。
 「なるほど」「めちゃく~る」「それぞれの稽古」「涙雨」「荒療治」「勘違い」「期末テスト」「夏休み入り」の八本を収録。

短編集(六) 
 夏休みの白滝農林相撲部と各々の相撲取りの様子を描いた、ショートショート集第六弾。
 「ハグ」「フォト」「アプリ」「順調」「瑞鳳の夏合宿」「白滝鬼頭合同稽古」の六本を収録。

短編集(七) 
 夏休みの白滝農林相撲部と各々の相撲取りの様子を描いた、ショートショート集第七弾にして夏休み第二弾。
 「残されるもの」「残るもの」「残ったもの」「梅雨明け」「OB発覚」「逢引」「唄い込み」の七本を収録。

あさがほ(十六) 
 夏休み。いよいよ稽古場の土俵造成が始まったその日、白滝部員達は伯父が不在となるツブラヤの家で初の合宿を行う。

あさがほ(十七) 
 披露される新たな土俵。言祝がれる慶び。変わるものは季節ばかりではなく、各々の関係もまた変化して、新生白滝最初の夏が終わる。

あさがほ(十八) 
 夏を終え、秋場所(オータムフェスタ)の始まり。宮義中の相撲取りが挑む大勝負、「益荒男相撲大会」いよいよ開幕。

あさがほ(十九) 
 益荒男相撲大会二日目。予選を勝ち抜いた十六組が出揃い、本戦となる決勝トーナメントが開始された。

あさがほ(二十) 
 益荒男相撲大会決勝、各々最後の大一番。これにて行事の一切は終了となり、三年生部員は本当の引退を迎える。

あさがほ番外編 奥州王道中記(祝手) 
 夏休み中の小旅行。伊達衆と白滝相撲部が足を伸ばした、伝承の郷での二日間。

あさがほ(二十一) 
 大会も終わり、一息つける秋の週末。各々が思い思いに心身を休める中、着々と進む物もある。紅く、紅く、秋は更けて…。

あさがほ(二十二) 
 実りの秋は飛ぶように過ぎ、白滝に冬が来る。ツブラヤにとっては初めて越す事になる東北の冬は、厳しくも美しく、冷たくも鮮烈だった。

あさがほ番外編 奥州王道中記(蒼森・前) 
 冬休み中の大遠征。瑞鳳相撲部と白滝+αの、蒼森強豪校三所攻め。前編。

あさがほ番外編 奥州王道中記(蒼森・中) 
 冬休み中の大遠征。分断された文化圏、思いがけない交流、状況への違和感。中編。

あさがほ番外編 奥州王道中記(蒼森・後) 
 冬休み中の大遠征。因縁の真相、禊の一番、遠い雪解け。後編。

短編集(八) 
 各々の冬休みなどの様子を描いた、ショートショート集第八弾。
 「風邪の道標」「それぞれの冬休み」「オイラセのハレ」「どんと祭」「ヒロサキのユキ」の五本を収録。