諸君 オイラはパンダが好きだし

諸君 オイラはパンダが好きだし

諸君 オイラはパンダが大好きだし

 

ポッチャリパンダが好きだし

ムキムキパンダが好きだし

ムチムチパンダが好きだし

ガチムチパンダが好きだし

フカフカパンダが好きだし

ブヨブヨパンダが好きだし

スポーツパンダが好きだし

文科系パンダもまぁ好きだし

蒸しチーズパンが好きだし

 

街角で

学校で

教室で

学食で

土俵で

寮で

自室で

お風呂で

 

この地上で遭遇するありとあらゆるパンダが大好きだし

 

パンダデザインのタオルが好きだし

一緒にシャワールームのドアを潜る瞬間には心が躍るし

 

パンダの形をしたマグネットが好きだし

メモをパチンと挟むだけで胸がすくような気持ちだし

 

マグカップにくっついとるパンダ取っ手が好きだし

喉の渇きを癒しながらキミと握手!なシチュエーションに感動すら覚えるし

 

ティーシャツのワンポイントパンダなんてもうたまらんし

ワンポイントどころかポイント高いし実質満点だし勿の論で最の高だし

 

スマホの待ち受け画面に設定したパンダ画像とふとした瞬間に視線がぶつかった時なんて絶頂を覚えるし

 

パンダのロゴを起用しとるお店が好きだし

そんなお店が自己破産申告して空き店舗になった様はとてもとても悲しいものだし

 

パンダの質量に圧し潰されるのが好きだし

なんというかこう、ヘブンだし、ヘブンの極みなんだし

 

諸君 オイラはパンダを とことんパンダを望んでいるし

諸君 パンダのことばっか考えとる同好の士諸君

君達は一体どんなパンダを望んでいるんだし?

返事は聞いとらんし

更なるパンダを望んでいる事は確実なんだし

 

パンダ パンダ パンダ!

 

よろしい ならばパンダし

 

 

 

とらいぶ!十三周年特別企画

わくわく☆パンダ計画! うぃず・アルタード!

 

 

クリハラフウタ・アルタード(以下フウタ(ア))「というわけで!取り出しましたるはこちら、…何か判らんけどフラフー
      プ的な輪っかの中に光線で魔法陣とか何かの文字が浮かび上がるハイテクガジェットだし!」

ウィムウィムウィム…

フウタ(ア)「ほらこの音!耳を澄ませば聞こえてくるこのウィムウィム音!拾い物だけどこれは間違いなくアレだし!召喚
      のアイテムとか、でなければ転送装置とか、そういった物に違いないウィムサウンドだし!これで違ってたら詐
      欺っていうレベルの外見と作動音!これはパンダ召喚待ったなしだし!これで新たな部員をパンダオンリーで召
      喚しまくって遍く轟くパンダ帝国学院の創立だし!」

注・正体不明の取得物を何かを召喚する装置と信じて疑わないクリハラフウタ・アルタードの今回の目的は、要約するとパン
ダだらけの相撲部を作って全国制覇する事のようです。

フウタ(ア)「という事で、早速地面にセット!ほらウィムウィム音が強くなったし!目論見通り思惑通り計画通りだし!」

ウィンウィンウィンウィンウィ…

フウタ(ア)「そして召喚には触媒がつきものだし!いわゆるお供え物だし!ゴージャスな贅沢なお供え物…は小遣いの都合
      上ちょ~っと難しいから雪見大福を使うし。勿論後でスタッフすなわちオイラが美味しく頂くし。確約のグッド
      テイスト!…お供え物では反応変わらなんだし?心なしか作動音のテンション下がってる気がするし…」

ウィン…ウィン…ウィン…

フウタ(ア)「まあ良いし!むむっ!?何やら空中に文字が表示されたしハイテク!なになに?「座標と対象物を入力してく
      ださい」だし…?座標なんて知らんし。対象物は決まっとるし。すなわちパンダを出すんだし!ほら跳んでみろ
      し!パンダ持ってんだしー!?」

ウィムウィム…、チチッ…、ブウウウウン…!

フウタ(ア)「お!?作動した感じがするサウンド変化!これは来るヤツだし!」

ビウウウウウウウウッ…ポンス。

フウタ(ア)「ポンス?それ見たことかー!何か黒っぽい物がフラフープ型召喚設備から空中へキリモミ回転しながら吐き出
      されたし!地面だったのに不思議だなー!」

アカシナミヘイ・アルタード(以下アカシ(ア))「ヘーイ!ユー!アー!マーイ!ニューフレンズッ!?呼ばれて飛び出て
      ジャジャジャジャーン!」

フウタ(ア)「却下し!」(空中への飛びつき腕十字固めからキャプチュード気味にフラフープへ叩き込む無駄な神業)

アカシ(ア)「ノーウ!ここからギャラリーを取り込む華麗で素敵でウィットに富んだトークショーが始まる予定だったのに
      (今決めた)退場早過ぎて深い悲しみがマリアナ海溝の」

フウタ(ア)「海溝など生ぬるいし!モホロビチッチ不連続面を突破してマントルまで沈むがいいし!すなわち地熱でジュッ!」

ドギャス!

フウタ(ア)「ふぅ…!貴重なガチャ枠を生ゴミで埋めてしまう所だったし…!今のノーカン、ノーカンだかんなー?では気
      を取り直して…」

ウィムウィムウィム…、ヂヂヂヂッ…!ブォウンッ!

フウタ(ア)「きたこれ!レア演出だし!オイラ知っとるし!「うたかた」でパンダ出るまでOP(おっとこのこポイント)
      ひたすら貯めてイナシロさんの神社通って延々と回したからガチャ演出については熟知しとるし!この虹色の柱
      が天を衝く演出が出る時は、最終突破段階一歩手前のムクゲさんとかが来る時のアレ!すなわちSレア以上確定
      だしオーバーザレインボー!」

ビウウウウウウウウッ…ミシッ…ミシッ…。

フウタ(ア)「あれ?何かいろいろ重くないし?いや、排出時に作動が重くなるのはレアの印!さぁ出て来るが良いし新たな
      部員すなわちマイフレンズ!」

ズンッ!のそっ…。

フウタ(ア)「お、おおおおおおおっ!?一発目(アカシ(ア)はノーカン)で大本命来ちゃったしー!」

リンリン  「…あ?何処だ、此処ぁ?」

フウタ(ア)「わーい!リンリンだしー!…ん?いや、何か違うし?」

リンリン  「(ギロリ)オメェ、フウタじゃねぇな。誰だオメェ?」

フウタ(ア)「なんかオイラの知っとるリンリンから配慮とか加減とか分析力とか采配力とか趣味の風鈴蒐集とか丸ごと引き
      算したみたいなリンリンだけど採用!ワイルド&タフにステ全振り特化しとる感がかなり良いし!」

リンリン  「…いや、フウタか?フウタはフウタだがフウタじゃねぇなオメェ…」

フウタ(ア)「何だかちょっと色々ズレとる感じがしないでもなきにしもあらずだし!しかし言うべき事は決まっとるのだし!
      リンリン!オイラと一緒に相撲を取るし!そして全国制覇だし!」

リンリン  「おう」

フウタ(ア)「たはーっ!即決だし!参ったなー!こういうトコやっぱリンリンだしー!っと、大本命単発ガチャゲットに浮
      かれとる場合じゃないし!テキパキ部員を増やすのだし!ではフラフープよ新たなパンダをここにぃっ!」

ウィムウィムウィム…、バチッ…!ブウウウウウン…!

フウタ(ア)「むむ!?さっきより音が大人しめだけど、またまた虹の柱が天を突いたし!」

リンリン  「………」(何やら奇妙な光景だとは思ったが理解の外なので2秒で考えるのをやめた)

ビウウウウウウウウッ…、ポポンッ。

フウタ(ア)「おほぉう!今度は女の子パンダし!…って…、なんかまた見知った感じの…」

リンリン  「…ユリカか?」

ユリカ   「はい!アタシ寝てませんよ先生!…ムニャ?あれー?授業は何処行ったの?って、リンタ君?」

リンリン  「おう」

ユリカ   「で、フウタ君?何これ?ここ何処?」

フウタ(ア)「なんかこっちもオイラが知っとるユリカちゃんから気怠いダラダラ感とアンニュイ腐女子感を根こそぎ落とし
      まくってバイタリティプラスした感じなユリカちゃんだけど採用!エネルギッシュ元気パウァ!これすなわち部
      活の活力!略して部活力!」

ユリカ   「フウタ君…じゃない?うんむむむ?久しぶりに見たから何か違うく感じるだけ?アタシが知ってるフウタ君か
      ら配慮とか加減とか分析力とか采配力とか儚げな感じとか丸ごと引き算したみたいなフウタ君だけど…」

フウタ(ア)「間違いなくフウタだし!(ただしアルタード)」

ユリカ   「なんだやっぱフウタ君かー!おひさー!」

リンリン  「………」(自分が知るフウタではないという確信はあるがフウタでなくもないという哲学的問題に直面中)

ユリカ   「え?相撲部で全国目指す?部員?アタシが?あれ?土俵ってさぁ、女は上がっちゃダメとかそういう決まりな
      んじゃなかったっけ?」

フウタ(ア)「美人女子マネは部活の花だし!問題ゼロ!すなわち即採用!文句言うヤツも言い寄るアカシも纏めてお仕置き
      部屋に連行するからその意味でも問題ゼロだし!」

ユリカ   「え!?美人!?キャッ!」

フウタ(ア)「とりあえず何か違っとってもユリカちゃんが単純な事に変わりはなかったし!では続いて、三度目のスプラッ
      シュ召喚だし!」

ウィム、バチッ、ブウウウウウン…!

フウタ(ア)「飽きて来たんだしフラフープ?何か溜めが短くなっとるし!しかしこれはまたしてもレア演出!自分でも怖く
      なる強運の三連レア引きだし!」

ユリカ   「え?それ単にさぁ、普通の反応がそれって事なんじゃないの?」

フウタ(ア)「えっ!?そ、そうなんだし!?」

リンリン  「…?」(話がさっぱりわかってない)

ビュポンス。

フウタ(ア)「雑っ!でもって早っ!」

ユリカ   「ええええ地面から生えるのこれ?アタシも生えたのこれ?」

コータ   「………」(胸の高さで何かを支えるような格好の手元を呆然と凝視)

フウタ(ア)「今度はリンゴみたいな丸さの良い感じに太いパンダ来たしヒャッホウアップルボディー!大当たり続きで自分
      の人徳が怖くなるなー!怖くなるなーオイラ!言うなれば人徳オーバーフローホラー!」

コータ   「…スノーホワイトが…」

フウタ(ア)「?」

ユリカ   「?」

コータ   「…スノーホワイトが…消えた…?」

フウタ(ア)「ワッツ、スノーホワイト?だし?」

コータ   「…おれのスノーホワイトスペシャルラーメン(白髪葱と背油ドッサリ一日分のカロリーを余裕で摂れる真っ白
      豚骨チャーシューメン、コータの最近のマイブーム)何処行ったぁ!?」

フウタ(ア)「うん!どうやら呼ばれる側の都合は一切お構いなく強制召喚するらしいしこのフラフープ!しかしその強引さ、
      嫌いじゃないし!…ところでリンリンはさっきまで何しとったのかなー?」

リンリン  「稽古だ」

フウタ(ア)「訊くだけフールだったし。然るにそれでこそリンリンだし。安定の稽古クレイジーっぷりには安心感すら覚え
      ざるを得んのだし」

コータ   「おれのスノーホワイトはっ!?」(涙目)

フウタ(ア)「泣くなし新たなるパンダフレンズ」

コータ   「泣いてないけどな!?失礼だなおい!?」(泣いてる)

フウタ(ア)「後で味噌ラーメンが美味しい人気店に連れてってあげるし。知っとるかなー?馬骨ダシの馬肉チャーシュー入
      りラーメン!酢礼夫煮(すれいぷにる)さんの絶品、天上の美味スープ!」

コータ   「………」

フウタ(ア)「だし?何だか急に静かに…」

コータ   「馬肉…。なら辛味噌系…?辛さの段階指定できる店?サイドメニューは?餃子ある?ない?テーブル席ある?
      無いなら無いでカウンター席の椅子は固定?デブ座れるタイプ?」

フウタ(ア)「予想外にグイグイ食い付いてきたーっし!しかしここは慌てず騒がず状況説明をするのがリーダーという物だ
      し!カクカクシカジカダシダシ…」

五分後

コータ   「相撲ねぇ…。おれ、相撲もだし格闘技とかしたことないけど?ラグビーしか経験ないけど?」

フウタ(ア)「パンダな時点で採用だし!だいたいラグビーは球技の体裁を整えた格闘技だし!でも何か特技とかあるし?」

コータ   「バイク弄りと利きラーメンなら…」

フウタ(ア)「採用!採用だし!麺類といえばラーメンもパスタもウドンもソバもまとめて「蕎麦」って呼ぶ上に何食べても
      「悪くねぇ」しか言わんリンリンとは利きラーメン可能な時点で大違いだし!」

リンリン  「悪かったな」

フウタ(ア)「何はともあれミアモーレ!これで早くもオイラ含めて選手3名、マネージャー1名だし!スリーオンスリーは
      イケるし!三人制益荒男相撲大会はバッチリ対応可能だし!五人制でも選手全員勝てば三勝で勝利!パレード!
      不戦勝二つなんてモーマンタイ!圧勝だし!あとは顧問だし…。フラフープ、顧問も呼べるかなー?って…」

ビーウッ!ビーウッ!ビーウッ!ビーウッ!

フウタ(ア)「何だし!?何か光が真っ赤になって点滅しまくっとるし!派手!何だか知らんけどいいし!ベリギュ!」

ユリカ   「あー。アタシこういうの見たことあるかも?」

コータ   「おれも…」

フウタ(ア)「おおおおお!?それに何だし?「警告」?「強制介入」?「全逆流弁停止」?とか何か赤い文字がいっぱい浮
      かんどるし!」(聞いてない)

コータ   「映画とかでさ、装置とかに異常があった時の…」

ユリカ   「そうそう、それねー」

フウタ(ア)「こ、これはオイラも見たことない演出だし!SSレアとも違うし!一体…」(やっぱり聞いてない)

ジジッ、ジッ、ジジジジッ!

フウタ(ア)「おおう!凄いスパーキング!これはひょっとして神顧問当てちゃったし!?」

 

―異常源探知 座標確定―

―管理者権限行使開始 強制介入緊急執行―

―臨時構成体出力中……………………………………………………………………………………………出力完了―

 

フウタ(ア)「…あれ?」

ミーミル? 「………………ふぅ~…」(徒労感漂う深いため息)

ユリカ   「白衣のデカいおじさん出た…」

コータ   「先生っぽくはあるかもな…」

リンリン  「………?」(うずっ…)

ミーミル? 「何かおかしな、そして覚えがある物が作動している気配がしたかと思えば…。「また」お前か相撲部レッサー
      パンダ…」

フウタ(ア)「あれ?初対面…じゃない感じだし?知っとるひとのようなそうでないような…。とにかく!パンダが遊べる相
      撲部にようこそだしデップリナイスミドルパンダ顧問!」

ミーミル? 「…一つ、確認しておくことがある」

フウタ(ア)「何ですし?」

ミーミル? 「そいつ(双方向転移装置ビフレスト)を何処で手に入れた…?私が作らなかった以上、こちらの世界線にはそ
      もそも存在しない品だ…。言え…!」

フウタ(ア)「ちょ、な、何で怒ってらっしゃるんだし!?拾っただけだし!去年のクリスマスにサメヤマの上の空がゴゴゴ
      って鳴ってた時に奇麗な放物線を描いてカツーンって目の前に落ちてきたんだし!」

ミーミル? (十中八九そうだろうとは思ったが、また特異日とサメヤマ絡みのバグかっ!)

フウタ(ア)「ど、どうしたんだしパンダなナイスミドル!?略してパイスミドル!頭を抱えて塞ぎ込んだりして!具合が悪
      いんだし!?ならばオイラが介抱しますだし!手取り足取りくんずほぐれつ…!」

ミーミル? 「結構だから触れないでくれ」

フウタ(ア)「っていうかこれ何だったんだし?やっぱりステキガジェットだし?」

ミーミル? 「不出来な疑似レリックだ」

フウタ(ア)「だし?」

ミーミル? 「解る必要はない。どうせ記憶を改竄する…。しかし、基底世界線に接続して引っ張って来るとは…。この疑似
      レリック、我ながらどうかと思うぞ…」

フウタ(ア)「それはそうと!この新生パンダ相撲部の顧問になって下さいましだし!」

ミーミル? 「………」(判り合おうという気持ちが微塵もない冷たい目)

フウタ(ア)「………?」(小首を傾げた可愛いポーズで不満をやり過ごす構え)

ミーミル? 「お前にはそうは見えていないのかもしれないが…、私はそれなりに忙しい(ムスッ)」

フウタ(ア)「ああんっ!冷たい視線が容赦なくザックザク突き刺さるしっ!ああでもパンダから蔑みの目で見られるこの新
      感覚!これはこれで悪くないかなー!?もっと見て!オイラをもっと!プリーズウォッチミー!」

ミーミル? 「…とりあえずお前は帰れ。と言うか嫌でも強制帰還させる」

フウタ(ア)「待って下さいましだしだし!先生っぽい恰好≒白衣かつパンダで顧問で不自然じゃない年増って考えたら適任
      過ぎなんだし!オイラは悪くないし!だって、悪くないんだし!」

ミーミル? 「裾を掴むな。私は研究者であって探求者であって開発者であって技術者であって医者であって今は主に維持管
      理者だ。生憎これだけ肩書きがあっても部活顧問の要素は持ち合わせていない」

フウタ(ア)「管理!管理要素大事なんだし顧問には!ほらかぶったー!ちょっとかぶった要素あったー!だから待ってくだ
      さいましだしー!(ズルズルズル…)」

ミーミル? 「さて…、やはりビフレストに機能異常が…。Altered worldに向こうから流入…。さらにBasis worldに干渉し、B
      と
A間での時間軸を無視した双方向転移だと…?なるほど、この祭りの場は元々強制交流用、ビフレストを設置
      したこのフィールドそのものが中和剤のような役割を果たして強制的に転移させていたのか…。しかし「アイツ」
      が異常流入物を感知し損ねるのは珍しいが、どういう訳だ?…ああそうか、私由来の品だからか…。大方、気配
      に慣れ過ぎているせいで異物として嗅ぎ分ける事ができなかったんだろう…。これはアイツの落ち度とは言えな
      いな…」(ブツブツ)

フウタ(ア)「あの~…」

ミーミル? 「よし、解析は済んだ。この程度の後始末なら何とでもなる。さて異邦人達、「ウチの者」が迷惑をかけた。…
      まぁ、「こういう日」だから有り得た異常だが…」

コータ   「こういう日?異常?」

ユリカ   「ウチの者?」

ミーミル? 「いや済まない。何を言っているか判らないだろうし、そもそも理解する必要もない事だ。時間を取らせた分は
      心配ない、それぞれここへ来る最前の状態に返送する。…あちらは私にとって保守範囲外なので、何もオマケし
      てはやれないが…。まずそこのレッサーパンダ」

フウタ(ア)「はいだし!」

ミーミル? 「帰れ」(パチン)

ボワァッ、ギュンギュンギュン…

フウタ(ア)「あー!指パッチン一つでギュギュギュなワームホールに飲まれて情緒なく余韻なく強制送還されるしー!」

ミーミル? 「待たせたな。すぐにお前たちも元の所へ帰…」

リンリン  「あのフウタは何だ?」

ミーミル? 「………!」

リンリン  「フウタじゃねぇ。が、それでもフウタだった。フウタだが…別人だ。何だ、アイツは?」

ミーミル? (知っている相手だが別人…と、矛盾を矛盾とみなさず言い切れるその感覚には、多少驚いた。よほど良く、そ
      して深く知った相手らしいな…。そう、「アイツ」の言葉を借りるなら「相棒」と呼ぶのだったか…)

コータ   「?」

ユリカ   「?」

ミーミル? 「…「知り合いが、もしも別の人生を歩んでいたら」…ぐらいに想像すればいい。ちょっとした異世界旅行に来
      てしまったなら、そういうものと巡り合う事もあるんだろうさ」

コータ   「異世界旅行?」(きょとん)

ユリカ   「え?旅行!?」(パァーッ)

ミーミル? 「では…。重ね重ね迷惑をかけたな少年少女。ボン・ヴィアッジョ…」(パチン)




ミーミル? (これでひとまずは調節完了。毎度ながらこういった舞台には不安定な部分から綻びが生じ易いらしい。特にあ
      のレッサーパンダ。何だあの親和性は?異常現象に馴染み過ぎだろう。…待てよ?あのレッサーパンダ、その辺
      りを薄々自覚しているから「アルタード」と名乗っているのか!?自分が変化後の側だと気付いている!?どの
      辺りから自覚していてどこからが無自覚だ!?アレも一種のバグみたいなもんじゃあるまいな!?いや、考察は
      またの機会にしよう、とにかく気分的にどっと疲れた…。おっと、この場で本来行なわれるはずだった催しが、
      アイツがパンダパンダ言っている間に無かった事にされるところだったようだ。さて…。ここを観測する者の目
      に止まるよう、せめて箇条にして残して行くか…)


十三周年記念 公開品目録

・その他の作品に「黄昏荘 第6話」を掲載

・ふうりん「しらなみ」内に「しらなみ番外編 この夕暮れに君を待つ」を掲載

・ふうりん内で2019年度エイプリルフール品「うたかた」をフルバージョンで復刻掲載(注・9月3日までの期間限定公開)


「黄昏荘 第6話」


「しらなみ番外編 この夕暮れに君を待つ」(ピクシブのページになります)