第二十四話 「来る夏休みに」
「…っての、どう思う?」
真剣な顔でしばらく話していた大きな熊が、ずいっと身を乗り出して僕に意見を求めた。
ぼくの膝より大きくてゴツい肘が置かれ、テーブルは重みを受けてミシッと鳴る。
勉強をする時でもここまで悩まないし頭を使わないだろうサツキ君は、
「遠慮なく言ってくれ。俺が言ってる事、問題アリか?」
そう、真面目な口調で問いを重ねた。
「心情的には賛成だし問題ナシ。でも…」
僕は一度言葉を切って、隣室のシェパードについて考える。
サツキ君が僕に相談してきたのは、来る夏休みにオシタリ君とウツノミヤ君を東護町に呼んで、休みを一緒に楽しむという
計画についてだった。
オシタリ君の家庭環境を考えれば、これは良い事だと思う。ウツノミヤ君も故郷に帰って夏をのんびり過ごすのは悪くない
と感じてくれるはず…。
もっとも、全国大会があるから僕らもしばらく帰省できないんだけど…。
オシタリ君は応援団員としての活動があるから、僕らと同じ頃まではフリーになれないはず。ウツノミヤ君は帰省するんだ
ろうけど、彼にもどうにかしてオーケーを貰いたい。何故なら…。
「先に話すのは、ウツノミヤ君に…だろうね。オシタリ君は意地を張るっていうか、遠慮するところがあるから…」
サツキ君は「だな…」とすぐさま頷く。彼の性格についてはサツキ君も把握してるから、改めて詳しく説明する必要は無い
みたい。
「ウツノミヤ君も誘ってるんだってアピールするべき。そうすれば乗ってくると思う」
「おう。そうしとく!もしそれでも断られたら…、そん時はキイチが色仕掛けな?」
「何?色仕掛けって…」
「そりゃあ当然、キイチの魅力でウンって言わせる事だって!「東護で一緒にホタテ飯食おうぜ!」とか言ってだな…」
「…それ、色仕掛けかなぁ?色気じゃなく食い気のような気も…」
むしろ、シンジョウさんからもモーションかけて貰うべきかもしれない。オシタリ君、シンジョウさんには結構気を遣って
接してるし、効果有りそうに思うんだけど…。
「ウッチーには明日にでも声かけとく」
サツキ君は時計を見遣って言う。時刻は十一時、確かに明日にするべきだね…。林間学校だけど…。
「そうだね。それが良いよ。…それにしても…」
僕は小さくため息をついた。
「…山登りかぁ…」
野外活動そのものは楽しみなんだけど、ちょっと憂鬱…。
僕はインドア派だから体力が無い。平坦な道のウォーキングとかならともかく、山道を延々と登るのは苦行になりそう…。
「何だよ?あんま楽しみでもねぇのか?」
サツキ君が訝しげな視線を向けて来たから、体力面から山登りには不安があるという事を伝えたら…、
「そんな事なら心配いらねぇよ!俺に任しとけって!」
大きな熊は筋肉と脂肪で分厚い胸をドンと叩いて笑う。
「もし疲れて歩けなくなったら、俺がおんぶか抱っこして登ってやるからよ!」
「…それ、どんな罰ゲーム?」
…間違っても途中で力尽きる事ができなくなった…。サツキ君なら本気でやりかねない。っていうかきっとやる。クラスの
皆の視線もお構いなしでお姫様抱っことかして来る!
「絶対イヤ!」
「何でだよ?」
「恥ずかしいじゃない!」
「今更恥ずかしがるような仲でもねぇだろ?遠慮すんなって」
「そういう意味じゃないから!…まったく…、ふふ…!」
微妙に噛み合わない会話が可笑しくなって、ちょっと笑ってしまった。サツキ君は僕が笑う理由が解らなかったらしくて、
不思議そうに首を傾げてたけど…。
「さぁ、明日に備えてもう寝よう!」
僕が話を打ち切りにかかると、サツキ君は「なぁ、何が可笑しかったんだ?」と、眉根を寄せながら訊ねて来た。…それは
君が判ってない以上説明は難しいよさっちゃん…。
二段ベッドの上に登って横になる事しばし。
微睡みが来ては去り、また寄って来ては逃げて行き、僕はその都度耳をピクピクさせながら目を閉じたり開けたりする。
…眠れない…。
別に明日が林間学校だから興奮して眠れない訳じゃない。…僕はね。
けど、サツキ君はそうでもないらしい。
ベッドの下の段でさっきからずっと、もそぉっ、みしぃっ、ごろっ、もそもそっ、みししっ、…って振動と音が止まらない
んだもん。
大人三人分はあるサツキ君だから、こうも頻繁に寝返りを打たれると、上の段は揺さぶられるしベッドは軋む。
もう…!遠足前日の夜とかは興奮して寝られないタイプだとは聞いてたけど、ただでさえ明日は僕にとって重労働になる一
日なのに!これじゃ寝不足でさらにキツくなっちゃうよ!
「…あのさ、サツキ君」
「おう!何だよキイチ、まだ寝てなかったのか!?」
サツキ君の声はちょっと弾んでる。…うわ…、そんなに楽しみなの明日が?
「寝たいんだけどね…、何か…、サツキ君がモソモソしてるから気になって…」
「だはは!悪ぃ悪ぃ!静かにすっから!」
笑ったサツキ君は、それからしばらく静かだった。
…が、僕が微睡み始めた頃、ちょっと荒くなった鼻息とか、ゆっくり打った寝返りの振動とかで、また目が覚めてしまう…。
僕は眠りが深いから、一回眠りに落ちたら、サツキ君がふがふが言おうが寝返りを打とうが目は覚めないんだけど…、寝入
り端で阻止されるのは厳しい…。
「…ねぇ、サツキ君…」
「お、おう?何だよ、まだ眠れねぇのか?興奮してんのか?」
「…興奮してるのはサツキ君の方だよ…」
ため息をついた僕は、すぐに寝る事は諦めて身を起こした。
そして梯子を伝って下りて、ナイトランプを灯し、ベッドの下段に横たわっている巨体を見下ろす。
休日なんかは、涼しくて良いからと褌を着けるようになったサツキ君だけど、明日は林間学校だから、おなじみのブリーフ
一枚の寝姿だ。
「あれ?怒ってる?」
ちょっと焦ったようなサツキ君に、僕は首を横に振った。
「まぁ確かにちょっとは迷惑だけど、興奮して寝れないとか可愛いから、そこは許しちゃう。でも、今夜はやっぱり早く寝る
べきだし…」
僕はそう言いながらサツキ君のベッドにお邪魔した。
興奮して眠れないなら、強制的に就寝させてあげようっと…。
僕の意図を察したのか、サツキ君は背中側に手をつく格好で身を起こした。
けど、彼は申し訳なさそうな声で言う。
「…いや、良いってキイチ。お前も疲れちまうだろ?明日に備えて体力温存しとけよ。俺、静かにするからさ…」
「大丈夫だよ。むしろ疲れてぐっすりだろうし」
応じながら、僕はサツキ君の股間に手を伸ばした。…本当は、僕は抜く気なんて無いんだけどね…。サツキ君がダウンした
らすぐ寝るつもりだし…。
ブリーフをパツパツにする三角コーナーのお肉。そこに半ば埋没する格好でついてる小さなソレに触れた途端、ビクッと、
肥えた大きな体が揺れる。
速攻でけりをつけるつもりの僕は、ブリーフの穴から指を入れ、まだ柔らかいソレを摘んだ。
ふにふに、くにくに、分厚い皮を被ったサツキ君の可愛いソレは、勃起してないと弄るだけで楽しい感触をしてる。
普段は「やるよ」って声をかけた時点で勃起させちゃうから、なかなか味わえない感触なんだけど、今日は急だったから硬
くなる過程を楽しめた。
僕が弄っている間に、柔らかかった可愛いおちんちんがムクムクと自己主張を始め、臨戦態勢に移行する。
身を固くして僕に身を任せてるサツキ君の鼻息が、次第に荒くなる。
「寝そべって」
「お、おう…」
まだ口調が普段通りのサツキ君は、言われるがまま再び枕に頭を置いて、仰向けになる。
「お尻ちょっと浮かせて」
「おう…」
言われたとおりに腰を浮かせたサツキ君の腰から、汚れる前に特大ブリーフをズリ下げる。
「右足立てて」
「ん…」
両太腿にかかったままだと脚を大きく広げられないから、片足を抜かせる。
「むしろ脱いじゃう?」
「…うん…」
恥ずかしそうなサツキ君の声が、鼻に掛かった物に変わりつつある。
「今更恥ずかしがるような仲でもない」って、さっき自分で言ったくせに…。
露わになった股間が、ナイトランプの薄明かりに照らされる。
結構頑張って減量したのに、むっちり肉がついたお腹も腰回りも、全く変わってないように見えた。
もっとも、視覚以上に確かな抱きつき心地で、僕には判ってる。
サツキ君は真面目に減量に取り組んで、僕との約束をしっかり守って間食を控えて、少し体を締めた事が。
大好きなアイスを食べる事も我慢して減量するサツキ君の素直さが、嬉しくて可愛らしい。
屹立した股間のモノにそっと手を這わせたら、たっぷりと先走りの感触があった。
…お風呂の前、ズルムケローションでマッサージした時に一回抜いたのに、もうこんな…。
思うに、サツキ君は耐久力が低いと思う。彼は僕が上手いからだって言ってるけど、たぶん違うだろう。僕を標準としたら
やや早漏なのは間違いない。
けど、回復力が凄い。ちょっと休憩してから軽く弄ったら、すぐに臨戦態勢に戻っちゃう。この連射力にはスタミナが関係
してるのかな?
そんな事を考えながら、僕は硬くなったサツキ君のおちんちんを指で摘み、軽く引っ張った。サツキ君は「んん…!」と鼻
に掛かった声を漏らしてる。
根本が贅肉に埋まってるせいで、元々小さなソレはなおさら短くなってる。
巨体に不釣り合いな可愛さ…。すっかり見慣れたソレが、愛おしくて堪らない。
先端まですっぽり皮を被ったソレを、僕は焦らす事なく刺激し始めた。
入念な愛撫を期待してたのか、サツキ君はちょっと首を起こして物欲しそうな顔をして見せた。…やめてよその顔、時間か
けて弄りたくなるじゃない…。
お菓子かおもちゃでもねだる子供みたいな表情を浮かべたサツキ君の顔から視線を外し、僕は彼の股間に集中した。
先走りで潤滑力がアップしてるソレをしごいて行くと、サツキ君は呼吸を荒らげて、次第に「ん…!んぅ…!」と声を漏ら
すようになって来る。
丸い大きなお腹が上下して揺れ、開いた太腿が小刻みに震える。
けど、僕は興奮が高まった所で一度手を止めた。
「あ、あれ…?」
はぁはぁと息をつきながら首を起こしたサツキ君は、何故止まったのか判らずに僕を見つめる。
けど、ちょっと間を置いてからおちんちんを再びしごき始めたら、「ひぅ!」と、吸い込む息で喉を鳴らして目を閉じた。
そしてまた、興奮が高まった所で僕は手を止める。
「き、きっちゃん…?どうしたのぉ…?」
口調が可愛くなったサツキ君が、また首を起こして訊ねて来た。けど僕は答えずに刺激を再開。
「ひんっ!ひ…!あ…!あぁ…!」
可愛い声を漏らすサツキ君。けど達する前にまた刺激を加えるのを中断する。
新たな焦らしプレイと思っているのか、サツキ君は今度は何も問わず、ただ物欲しげな視線を僕に向けて来た。
早く済ませたいのは山々なんだけど、それだけじゃ体力が有り余ってるサツキ君がすぐには眠れないかもしれない。
だから、イく直前で止めて、興奮を高めてはクールダウンさせる繰り返しで消耗させてる訳。
計算通り、イきたいのにイけないサツキ君は、この刺激方法で太った体を普段より大量の汗で濡らしてる。
「あっ!はっ!ふぃっ!き、きっちゃん!きっちゃぁん!出した…、ひ…!出させて…!もぉ出させてぇ…!」
哀れっぽい声で懇願するサツキ君。可愛い声と仕草、悶え方にぐっと来て、期待に応えてあげたくなるけど、ここは我慢…!
何度も何度も繰り返して行く内に、サツキ君のちんちんは大量の我慢汁でしとどに濡れる。根本まで伝った汁がプニュプニュ
の三角コーナーを浸食し、被毛を汚す。
可愛い声を上げながら喘ぐサツキ君を、要望通りにイかせてあげたい…!泣きそうな顔での懇願が可哀相に思えて来たけど、
僕はぐっと我慢する…。
結局、そうやって三十分は寸止めを繰り返しただろうか?いよいよサツキ君が可哀相になって来たから、僕はその股間に顔
を寄せ、ヌルヌルになったちんちんを口に含んだ。
「は…!あ…!はひっ!はっ!へふっ!」
包皮口をこじ開けて亀頭を刺激する舌での奉仕で、サツキ君がいよいよ呼吸を乱す。
さんざん焦らされたおかげで、射精到達は一瞬だった。
「んぅおっ!お…!おふ…!」
ブルルッと、大きな体が震えて贅肉が揺れる。かと思ったら僕の口の中でおちんちんがビクビクして、熱い物をぶちまける。
上あごを仲から叩く精液が、口の中を跳ね回って満たす。
独特の生臭さにもすっかり慣れっこ。サツキ君の中で作られた熱い種を、喉を鳴らして飲み下す。
さらにぢゅうっと音を立てて吸って、最後まで気持ち良く出し切らせてあげる。
鼻に掛かった声を上げて悶えてたサツキ君と、しばらく怒張してひくひくしてたおちんちんは、やがて沈静化してぐったり
した。
息を乱しながら余韻に浸るサツキ君の惚け顔が、可愛くて可愛くて仕方ない。
股の間から腰を浮かせたぼくは、のしかかる格好でサツキ君の上になり、身を重ねてキスをした。
体が大きくて頑丈なサツキ君は、僕が上に乗っても苦しくないらしい。
どんな高級敷き布団でも敵わないだろうふかふかで柔らかいその感触を、僕はうっとりと全身で感じ取る。
ところが…、そのまま眠ってくれれば良い物を、サツキ君はもぞもぞ動きながら僕の背中に手を回して来た。
「きっちゃんの…、おっきくなってる…」
「う…、うん…。でも気にしなくていいよ。お休み…」
「…このままじゃ可哀相だよぉ…」
「いや可哀相じゃないから。お休み…」
「今度は…、俺がきっちゃんを…」
お決まりの台詞が出た!やめてよして寝かして我慢できなくなるから!
身を離そうともがいた僕は、しかし怒張してるちんちんがサツキ君と自分の間で擦れて「んっ!」と呻いてしまう。
「ほら、きっちゃんだって、もう…」
サツキ君は僕の背に回した手をぐっと引く。柔らかいお肉にぼくの腰が埋没し、ちんちんが圧迫される…!
サツキ君は何を思ったか、僕をぎゅっと抱えたままモゾモゾと体を揺らし始めた。
まるで、そのまま溶け合って一緒になる事を望むように、ぐいぐい僕を締め上げて密着しつつ、もどかしげに身を揺する。
「や、やめっ!駄目ぇっ!」
僕は声を上げた。サツキ君のお腹に密着したちんちんが、剥き出しになった亀頭が、擦れて…、圧迫されて…、あ、あ…、
だ、駄目…!気持ち…良い…!
僕が気持ち良く感じてる事を察したのか、サツキ君は「むふーっ!」と鼻から息を漏らし、ベッドを軋ませながら巨体を揺
する。
「だ、駄目だよさっちゃん!そ、そんな事したら…!あ!よ、汚れちゃうってば!今出したら…!さっちゃんのお腹汚しちゃ
うっ!」
僕の必死の懇願が聞き届けられたのか、サツキ君は動きを止めた。
しかし、ほっとしたのも束の間。サツキ君は僕の体を動かして位置を変え、またもぞもぞ動き出す。
「あっ!あぁーっ!」
堪らず上げた声は高くなってた。けど、僕の顔はサツキ君の分厚くもたっぷりした胸に埋められ、声を殺される。
より柔らかい下っ腹の方に移った僕のちんちんは、サツキ君のお臍付近でタプタプムッチリなお肉に埋もれて、刺激に苛ま
れるっ!
右手で僕の頭を押さえて胸に埋め、左手で僕の腰を抱いて自分のお腹に密着させたサツキ君は、荒い鼻息をフシュフシュ零
しながら身を揺すり、僕の全身を擦り上げた。
きょ…、凶悪っ!気持ちいいけど逃げられないし、い…息がっ!胸に顔が埋まって息がっ!
「ん〜!んっ!んっ!んん〜っ!」
危機を訴えて必死に上げる僕の声を、
「き、気持ちいい…?きっちゃん?お、俺の腹…、こんな事にも使えたんだ…?ああ…!きっちゃん!き、きっちゃぁん…!」
サツキ君は、よがり声と勘違いしたようだ…。
窒息する!溺れる!さっちゃんの胸で溺死するっ!
ケント!助けてケントっ!いやでもやっぱりこんな僕を見ないでぇっ!
追いつめられて錯乱する僕は、顔を上げようとしてさっちゃんの胸に手をつき、ぐいぐい押すものの…、そこは非力な腕の
悲しさ。全国レベルの柔道家である上に、企画外れの図体と腕力を持ち合わせた大熊の本気を振り解けるはずもなかった。
突っ張った手が指と爪を立て、熊の豊満な胸に食い込むけど、サツキ君は感じているような声を漏らし、一層強く僕を抱き
締めた。
…し…しむ…?ぼく…このまましむの…?こいびとのむねでおぼれしむの…?
意識が朦朧となった僕は、力を抜いてぐたっとする。
その途端に気付いた。横を向けば良いじゃないかって事に。
「ぷはっ!はふっ!はぁっ!はぁ!」
さっちゃんの体から漂うシャンプーの残り香と汗の臭いを空気と一緒に吸い込む僕。
ようやっと酸素を取り込むことができて喘ぐ僕に、
「き、きっちゃん…!きっちゃん!そろそろ、イきそう!?」
呼吸の荒さを勘違いしたらしいさっちゃんがそんな声をかけて来た。
「ち、違っ!今のは…、はにゅっ!」
息ができるようになった途端に、僕の脳は股間の疼きを受信する。
や、やばばばばばばっ!
「放して!放してさっちゃん!お腹に、お腹に出しちゃうぅっ!」
生命の危機に瀕して信号が途絶してたから忘れてたけど、僕のちんちんは限界寸前!
汚しちゃいけないと思ってもがくけど、それは結局、さっちゃんのお腹に腰を擦りつけて、僕自身を刺激する事になって…!
「あ、あああああああっ!」
身震いに続いて込み上がる、絶望的射精感!
僕は口の隙間から熱い息を漏らしながら、恋人との間に精液を漏らす。
さっちゃんと僕のお腹の間で熱い物が溢れ、でも密着してて行き場が無いから僅かな隙間に溜まって、僕のちんちんはヌトッ
と熱い感触に包まれる。
「も…、漏らしちゃった…!」
惨状を予想し、泣きたい気分で呟いた僕の下で、さっちゃんは満足げに「ぶふーっ…」と息を付いて、腕の力を抜いた。
余韻に浸る余裕なんてない。慌てて身を離すと…、うわ…!
「べっとりだぁ…!」
ナイトランプに照らされた僕のお腹は、被毛がクリーム色なせいで判り辛いけど、ぬめった光を反射してる…。
あれ?でもちんちん周りを除けばそれほどでもない?何でだろう?
疑問に思いながらサツキ君のお腹を見遣れば、…ああ、そういう事か…。
逃げ場が無かった精液は、隙間に溜まってた。
丁度サツキ君のお臍辺りに先端を合わせてた僕のちんちんは、肥満体特有の深い窪みに精液を吐き出したらしい。お臍に白
濁液が溜まって、あまり広がってない。
「…サツキ君、ちょっと動かないでいてね?」
「ん〜…?」
一仕事終えた大熊が、満足げに脱力しながら鼻に掛かった声を漏らす。
僕は急いでティッシュを取り、まずはサツキ君のお臍にあてがった。
ほっ…。ダムのおかげで被害が広まらずに済んだ…。
じっとしてるように言って、お臍から精液をそっと掻き出す僕。くすぐったそうに身じろぎするサツキ君のお腹をひとまず
拭い終えたら、次は僕の番…。
ああ…、後始末の虚しさが普段の数倍だよ…。
僕が後始末を終える頃には、雄の匂いをプンプンさせながら、サツキ君は眠ってた。
気楽な物だよまったく…!
僕は呆れながらも、力尽きてサツキ君の右脇に寄り添い、彼に横から抱きつく格好で寝そべった。
投げ出された腕の付け根に頭を乗せ、太い胴の上に右手を乗せ、密着する。冷房が強いこの部屋でもちょっと暑いけど、睡
魔はそれでもやって来た。
サツキ君の規則正しい寝息のリズムと、快感の余韻と疲労が、雄の匂いがプンプンする中、僕を深い眠りに誘った…。
「ああもうっ!結局睡眠不足っ!」
朝っぱらからシャワーを浴びつつ、僕は声を上げる。
時刻は午前五時半。サツキ君に起こされたのは十五分程前の事だった。
「仕方ねぇよ。ガビガビになっちまってんだから」
隣でシャワーを浴び、お腹を擦ってるサツキ君が応じる。
体格差がある熊と猫が並んでシャワーをお腹にかけ、重点的にそこだけ洗ってる姿は、端から見たら珍妙だろう。
「僕は六時間以上寝ないと調子悪いって知ってるでしょ!?」
「だ、だってよぉ…!乾かす時間考えたら…」
ちょっと機嫌が悪い僕に、サツキ君はたじたじになりながら耳を伏せて弁解した。
結局サツキ君は、僕がくっついてたから暑くて早くに目が覚めて、それでもギリギリまで待ってから起こしてくれたらしい。
それはまぁ、昨夜あんな事をし始めたのは僕だけど…、それでもサツキ君が捕縛からのズリズリアタックを仕掛けて来なけ
ればこんな事にはならなかったのに!
いや、それ以前に静かにしてて僕を寝かせてくれてればあんな事しなくて良かったのに!
僕はふと昨夜の事を思い出す。
…サツキ君のお腹…、プニプニムッチリで気持ちよかった…。
我知らず手を止めて、横に視線を向けてた僕は、サツキ君が大きな手で擦ってる下っ腹の辺りを眺める。
…ああいう事するなら、脂肪が厚かった方が気持ちいいかも…?
いや!いやいやいや!駄目駄目っ!太り過ぎは健康の敵!
「…ん?何だよ?」
こっちに顔を向けてきた大きな熊に、僕は咳払いしてから応じた。
「そ、そんな事で僕を籠絡しようったって、そうは行かないんだからねさっちゃん!」
「は?紅白しよう?って何だ?」
サツキ君はきょとんとしてたけど、説明する気にもなれない僕は洗浄作業に戻る。
林間学校なのに!寝不足な上に何で朝から疲れなきゃいけないの!?
「…あれ?キイチ、ちょっと怒ってる?」
「…怒ってないよ…」
「いや、ちびっとは怒ってんじゃね?」
「…怒ってないってば…」
「えー?怒ってるっぽい感じがするんだけ…」
「怒ってません!」
「…は、はい…!」
しつこいサツキ君を黙らせて、僕は頬を膨らませた。
キツいけど、公衆の面前でおんぶとか抱っこは絶対にイヤだ。今日は気合い入れて行こう!
「ん〜?どうしたイヌイ?眠たそうな顔をして?寝不足なのかぁ?」
バスの中で出欠を取った後、書き込み用ボードを手に立った恰幅の良い虎が、間延びした声で訊ねてきた。
サツキ君ほどじゃないけど、トラ先生もかなり大柄だから、バスの天井に頭がぶつからないよう、精一杯首を縮めて背中を
丸めてる。
ユーモラスな先生に、僕は愛想笑いで応じた。
「あ〜…、そのぉ〜…、昨夜はなかなか寝付けなくて…」
バス最前列の席に座った僕は、トラ先生のすぐ後ろだ。
ちなみに僕の隣には自分のとサツキ君の荷物が居座ってる。
大人三人前のボリュームがあるから二人分の座席を占領してしまうサツキ君は、僕の後ろで一人掛けしてる。
…最初は無理矢理僕の隣に座ろうとしたけど、カーブで揺られた時に押し潰されそうだから断固拒否した。
「ほぉ〜、興奮したのかなぁ?可愛いなぁイヌイは」
トラ先生が細い目をさらに細めて笑う。…いえ、興奮してたのは僕の後ろの三人前です…。
「行きで少し寝ていろよ。寝不足で山登りは苦痛だぞ?」
先生とは通路を挟んで隣り合う席に座ってる、学級委員のウツノミヤ君が、ちょっと気遣うような顔をしながらそう言って
くれた。…そうだね、そうしようっと…。
僕は乾樹市。星陵の一年生で、柔道部のマネージャーをしてる猫。
初めての林間学校は出だしから不調だった…。
…さっちゃんのせいで!