序話

序話・壱 ~岩国聡~                                    序話・弐 ~乾樹市~
                           序話・参 ~宇都宮充~
序話・四 ~新庄美里~                              序話・五 ~阿武隈沙月~


本編

第一話 「高校生活最初の」
 俺、阿武隈沙月。星陵ヶ丘高校一年、柔道部所属の熊だ。…本格的な高校生活の一日目から、わけ有って、もうダウン寸前だったりする…。

第二話 「いい人ばかり」
 僕、乾樹市。星陵ヶ丘高校一年、クリーム色の猫。サツキ君が所属予定の柔道部は相も変わらず崖っぷち。何とか部員を確保したいけど…。

第三話 「やりてぇこと」
 や、やべぇ…!いよいよ、仮入部期間も終わりが近付いて来た…。終了までにあと一人部員を見つけねぇと、柔道部は、廃部になっちまう…!

第四話 「顧問獲得」
 僕はサツキ君と一緒に、道場修繕の材料の値段を確認しに出かけた。思いの外安く済みそうで、意気揚々と引き上げる僕達の前で、何と事件が!

第五話 「俺のトラウマ」
 身体測定と体力測定の日がやってきた。俺、スタミナはあるが長距離走は苦手だ。それを不思議がるキイチに、俺はその理由を話して聞かせた。

第六話 「悪いひとじゃない」
 主将から部費を預かった僕は、忙しいサツキ君の負担をいくらかでも減らそうと、一人で薬品類の買出しにでかけた。そこで大変な事態が…!

第七話 「見られてたっ!?」
 定期戦後に舞い込むようになった合同練習の誘い。そいつは嬉しいんだが…、スケジュール管理してるキイチが忙しくて、最近ちょっと寂しい…。

第八話 「三度目」
 僕が長電話しちゃったから、入浴の時間がギリギリになっちゃった…。大慌てで浴室に入って汗を洗い流していた僕達は、そこで大ピンチにっ!

第九話 「継続は力なり」
 キイチがネット通販で素敵なアイテムを入手した。全国の悩める男子に救いの手を差し伸べる神秘の商品…。俺、この時代に生まれて良かった!

第十話 「二号」
 本屋さんに行こうとして寮を出た僕は、白くて小さなフワフワと出会った。その時の僕はまだ、それがあんな騒動になるなんて思ってもなかった。

第十一話 「ナデナデ」
 キイチが連れ帰った二号は、俺を嫌がって逃げ出しちまった…。寮内を逃げ回る二号と、必死に追いかける俺達。そして二号はあろう事か…!

第十二話 「苛立ってる」
 サツキ君の様子がおかしい。県大会出場を決めた翌日、サツキ君はいやにニコニコしてる。笑ってるけど、なんだかちょっとピリピリしてて…。

第十三話 「よしよし」
 ブルーになってんのがバレねぇように振舞ってたつもりの俺だが、キイチには丸判りだったらしい…。ちょっと申し訳ねぇけど、嬉しい気遣い…!

第十四話 「心配かけて…」
 県大会目前。テーピングなんかを買いに出かけたぼくは、運悪く雨に降られちゃった。傘を買うのももったいないし…、走って帰ろう…。

第十五話 「俺にとっての一番は」
 夜中に病院に運び込まれたキイチだったが、はやりの風邪らしいって解って、ほんの少しだけホッとした…。肝心な時にダメだな、俺…。

第十六話 「幸せだったと思います」
 体調を崩して県大会の応援に行けなかった僕は、トラ先生に一晩付き添って貰った。そして僕は、いつでも優しい担任の過去に、少し触れた…。

第十七話 「ただいまキイチ!」
 県大会を終えた日の夜。星陵に帰って来た俺は、寮に着くなり主将もほっぽって、全力疾走で恋人が待つ部屋に向かった。キイチ!帰ったぞ!

第十八話 「気が休まるやりとり」
 僕の風邪は完治した物の、サツキ君の過保護ぶりはなかなか抜けない…。それでも許可された屋上での昼食で、僕は気の休まるひと時を…。

第十九話 「ムフフなイベント」
 朝っぱらからちょくちょく前屈みになって過ごした俺は、ようやく夜になり、風呂で最後のしあげにかかった。…丸一日生殺しの気分だったぜ…。

第二十話 「おはようのキス」
 部活も無い休日、僕が珍しく比較的早く起き出すと、これまた珍しくサツキ君は熟睡中だった。久々の完全オフ。さて、何をしようかなぁ。

第二十一話 「色々きなくせぇ」
 ある日の夜、オジキから貰った甚平を誉めてくれた客は、シンジョウについて色々と尋ねてきた。その数日後、今度はその客の事を別の客が…。

第二十二話 「僕のトラウマ」
 サツキ君がまた肥えた。今回の原因は、涼を取るためと称しての、アイスとジュースの暴飲暴食。…キシャァアアアアアアアアアアアーッ!!!

第二十三話 「激しくダイエット中」
 キイチの機嫌を損ねた俺は、ジュースとアイスの誘惑を振り払い、かなり必死になってダイエットに取り組んだ。目標は一割減!…遠いなぁ…。

第二十四話 「来る夏休みに」
 珍しく真面目な顔をしてずっと何か考え込んでると思ったら、サツキ君は夏休みにしたい事について相談して来た。それはとても良い発想で…。

第二十五話 「待ちに待った林間学校」
 林間学校!実は存在を知ってからずっと楽しみにしてた一学期最後のイベント!浮かれてなかなか眠れなかった俺だが、やる気満々だぜ!

第二十六話 「おいでませ夏の東護大作戦」
 アクシデントによって残念な林間学校になったけど、大事に至らなかったのは不幸中の幸いかな…。とにかく夏はこれからっ!作戦決行だ!

第二十七話 「おいでませ夏の東護大作戦の前哨戦」
 夏休みに入ったものの、俺らは相変わらずの寮暮らし。毎日稽古して全国に備えてるぜ!けど、もう一つ備えなくちゃいけねぇ事もあって…。

第二十八話 「時々臭う」
 夏真っ盛り!部活に打ち込む恋人を見守りながら、僕は密度の濃い夏休みを送ってる。…けど、問題が一つ…。サツキ君が…、何か臭う…。

第二十九話 「はるばる来たぜ!」
 いよいよ全国大会だ。飛行機っ!で現地に移動した俺達は、醒山学園柔道部と合同稽古で最終調整をする事になったが、そこには勿論…!

第三十話 「サツキ君とも似てるよ?」
 北街道に渡った僕らは、備えの合間にイイノ君達が暮らす寮を案内して貰える事になった。そしてそこではなんと…。サツキ君、衝撃の遭遇!

第三十一話 「最高の先輩だ!」
 皆に応援して貰いながら挑む、全国大会個人戦トーナメント!ここまでは順調なんだが、三回戦の相手は噂のあのひとで…。

第三十二話 「ただいま帰りました!」
 全国大会も終わって、僕とサツキ君は東護に帰ってきた。夏休みの残りは地元でのんびり、家族や友人と過ご…………。帰郷早々、おこです。

第三十三話 「しばらくよろしくな!」
 応援団の活動が終わって、オシタリが東護に来た。しばらくはウチに、それからキイチんトコに泊まってくんだが…。この街、気に入るかなぁ?

第三十四話 「おかえりケイゴ君」
 夏休みを故郷で過ごす僕らは、伸び伸びくつろぎながら毎日を送ってる。けどそんな中にちょっとした変化はあって…。これもそんな変化の一つ。

第三十五話 「思い出の物があったらよ」
 夏休みももうじき終わり。体験入寮する事になったダイスケとジュンペーを連れて、俺達は星陵に戻る。…あの街のこと気に入ってくれたらいいな!


岩国編

第一話 「柔道部のリスタート」
 ぼくは岩国聡。星陵ヶ丘高校三年生だ。第二男子寮の寮監と、実力不足ながら、念願叶ってなんとか存続できた柔道部の主将を務めている。

第二話 「定期戦に向けて」
 連休と中間試験を終えた後にやって来る、川向こうの高校との定期戦。我等柔道部もそれに参加する権利がある。上手くやれば今後の活動も…。

第三話 「定期戦」
 我らが柔道部の今後を左右する定期戦が、ついにやってきた。やる気満々のアブクマだが、彼にとんでもない事を言ってしまったぼくは…。

第四話 「定期戦翌日」(前編)
 定期戦は予想以上の結果で終了し、願っていた通りに合同練習の申し込みも入り始めた!アブクマの頑張りのおかげだなぁ…!感謝感謝!

第五話 「定期戦翌日」(後編)
 アブクマの提案で、ぼくらは皆で集まり夕食をとる事になった。料理もするって話は聞いていたけれど、アブクマの手料理を食べるのは初めてだ。

第六話 「合同練習と協力者」
 我らが柔道部は、去年までは相手にもされなかった強豪と合同練習を組む事になった。不安と喜びがごちゃ混ぜの中、ぼくは稽古の成果を試す。

第七話 「運命の地区予選」(前編)
 ついにぼくらは総体の地区予選を迎えた。…負けたらそこで終わり…。ぼくが三年間積み重ねてきた稽古の成果が、今日試される…!

第八話 「運命の地区予選」(中編)
 驚いた事に、ぼくはベスト8まで勝ち残ってしまった。あと一つ勝てば準決勝…。三位までに与えられる県大会行きの切符が、ぼくの目の前に…。

第九話 「運命の地区予選」(後編)
 大会は終わり、浮かない顔の後輩達と共に、ぼくは帰路に着く。ぼくの努力の結果はこの大会で出た。…二年越しの約束を、果たす時が来た…。

第十話 「県大会に向けて」
 予選は済み、県大会が迫って来る。相変わらず出稽古に来てくれているネコヤマを加えて稽古に励むぼくらだが、何だかアブクマの様子が…。

第十一話 「イヌイ、絶不調!」(前編)
 県大会目前。ぼくらが移動日前の最後の稽古に打ち込んでいる道場に、小さな可愛いクシャミが響いた。その時はまだ異変に気付けなくて…。

第十二話 「イヌイ、絶不調!」(後編)
 イヌイの病状は、とりあえずいくらか落ち着いた。ほっとしたぼくだったが、今度はシンイチから聞かされた事が気になって落ち着かなくなる…。

第十三話 「県大会」
 いよいよ県大会。代々星陵柔道部が目標にして来た大舞台だ。けれど、ここ最近アブクマに覚えていた違和感の正体が一回戦で明らかに…。

第十四話 「戦い済んで」
 県大会を終えて、イヌイの体調も戻った今日、ぼくら柔道部は稽古仲間であるネコヤマを誘って、軽食店で軽く慰労会を開く事にした。

第十五話 「期末も終わり」
 期末試験も終わり、一学期最後のイベント林間学校を目前に、ぼくらの開放感はピークに達した。…が、シゲが大変な相談を持ち込んで…。

第十六話 「穏やかな日々が」
 林間学校と夏休みを目前に、肩が軽くなったシンイチとぼくは羽伸ばしのプチデート。しかし昨夜に引き続き、出かけた先でも不穏な空気が…。

第十七話 「飛ぶように去り」
 一学期最後の大イベント、林間学校の日がやって来た。ちょっとばかりテンションがおかしいシンイチとともに、ぼくは夏を満喫する。

第十八話 「決戦の時が」
 その日ぼくは、通い慣れた道場の見慣れた神棚を見上げ、いつものように礼をした。ここでおこなう、最後の稽古を終えて…。

第十九話 「やってきた」
 全国大会を明日に控え、ぼくらは北街道にやって来た。そしてぼくは出会った。アブクマが尊敬しネコヤマがマークする、話題の二年生選手に。

第二十話 「全国の大舞台」(前編)
 全国大会が始まった。ぼくの高校柔道生活最後の大イベントにして、後輩の晴れ舞台…。もうぼくから言う事は何も無い!行け!アブクマ!

第二十一話 「全国の大舞台」(中編)
 ついに姿を見せた無差別級埼魂代表。そして激突するネコヤマとオジマ君。ハイレベルな試合が進んで行く中、強豪達は篩にかけられて…。

第二十二話 「全国の大舞台」(後編)
 アブクマの快進撃は続く。皆の声援を受けて試合場に立つ大きな熊の、堂々とした立派な姿は、先輩として、仲間として、誇らしい限りだった。

第二十三話 「兵どもが夢のあと」
 全国大会が終わった。春先までは望んでもいなかった、ぼくの柔道生活の最後を飾る、一大イベントが…。…有り難う…アブクマ…。

第二十四話 「しばしの別れと夏休みの開始」
 列車で帰路についたぼくらは、その最中で別れを告げる。ご苦労様、アブクマにイヌイ…。さぁ、これからは夏休みだ!思いっきり楽しもう!


宇都宮編

第一話 「担任」(前編)
 ボクは宇都宮充。星陵ヶ丘高校一年、化学部所属の狐獣人。自分で言うのもなんだが、伊達眼鏡が理知的な優等生だ。

第二話 「担任」(後編)
 先生が、試しにPCを弄ってみるために、ボクの部屋にやってきた。おまけに、お礼と言う事で夕食に誘われてしまったが…。

第三話 「ルームメイト」(前編)
 夕食の後に蒸発する無愛想極まるルームメイトが今夜は点呼の時間になっても帰って来ない。居ても居なくとも静かなんだが、何となく気になる。

第四話 「ルームメイト」(後編)
 シンジョウが調べたオシタリの過去は、なるほど、ひねくれるのも無理は無いような物だった。得になるとも思えないが、少し働いてやるかな…。

第五話 「応援団」
 応援団とは何だ?無愛想なルームメイトは、そんな風に何を聞きたいんだかさっぱり要領を得ない質問をして来た。…何?また何か厄介事か?

第六話 「隣の二人」
 今回のボクは、珍しい事にオシタリの方からの頼みで勉強を見てやっている。…イライラしながらだが…。隣の二人はウチと違って仲良いよな…。

第七話 「懐かしい味」
 休日の午後、ブーちゃんはいつものように夕食に誘ってくれた。実家からの仕送りという、ボクにとっては懐かしい品が賑やかな食卓に並ぶ。

第八話 「意外な表情」
 運悪く、イヌイは柔道部の県大会直前にダウンしてしまった。寮監達から留守中の世話を頼まれたボクは、好感度アップを狙って快く引き受けた。

第九話 「軽く受けるには重い荷」
 ここ数日、オシタリが何かについて悩んでいる。バカはバカなりに下らない何かで悩む事もあるんだろうが、勉強に身が入らないのは困るな…。

第十話 「ちょっとした遠出」
 数ヶ月前から心待ちにしていた待望の新刊がついに発売になった。が、最近書店運が悪いボクは売り切れのそれを探して梯子するハメに…。

第十一話 「林間学校」(前編)
 ダルいイベント、林間学校がやってきた。ボクの班は生き生きアブクマとぐったりイヌイ、そして何故か機嫌が良いオシタリの四人組。

第十二話 「林間学校」(後編)
 まさかの負傷により、ボクは林間学校を途中退場する事になった。ダルいとは思っていたが、こんな形の退場は望んでいなかったんだが…。

第十三話 「オシタリの奇行」
 ボクの林間学校は負傷退場という形で幕を降ろした。実はあまり楽しみにしていた訳でも無いのでヘコんでもいないんだが、周りが気遣って…。

第十四話 「イヌイの提案」
 オシタリが借りたつまらない映画を眺めながら、ボクはイヌイと好きな作家の話で盛り上がった。そんな中で上がった提案は、夏休みの事で…。

第十五話 「輝ける思い出」(前編)
 部活がある連中とは違い、ボクは終業式を終えると同時に夏休みに入った。本当は寮生活の方が気楽なんだが、そうも言っていられないしな。

第十六話 「輝ける思い出」(中編)
 懐かしの東護町に戻って来たボクは、懐かしの相手とばったり顔をあわせた。あの頃とはすっかり様変わりしてしまっていたが…。

第十七話 「輝ける思い出」(後編)
 一人暮らししているノゾムから宿を提供して貰えたボクは、夕飯に次いで風呂もご馳走になる。…さて、数年ぶりのスキンシップといこうか。

第十八話 「曖昧な距離感」(前編)
 ノゾムの秘密を暴いてしまったボクは、部屋を出る決意を固めた。世話に何かなれないと思ったから。…だが、ノゾムはボクを引き止めて…。

第十九話 「曖昧な距離感」(中編)
 結局ボクは、勝手に出て行かないという事を約束した上で、ノゾムの部屋に泊まる事になった。…単に寂しがりというには度を越しているよな?

第二十話 「曖昧な距離感」(後編)
 超絶ナイスミドルミスターウナギストと楽しい一時を過ごした後、ぼくらはホクホクしながらアニメを観賞した。…すると、デジャヴのような物が…。

第二十一話 「ボクの立ち位置」
 裏切りにも等しい行為という物は、確かに在る。ボクが目の当たりにした物は、正にそれと言って良いだろう。…信じるって、言ったのに…!

第二十二話 「諸々改善」
 しばらく会わない内に色々と複雑化したノゾム…。だがボクは、アイツに一定の理解を示しながら、気付けばそれなりに夏休みを満喫していた。

第二十三話 「餅狐は海水浴場で欲情するか否か」
 夏。といえばいろいろあるが、海は鰻や西瓜や花火に並ぶ夏の代名詞だろう。トレーニングも順調だし、ノゾムも海水浴デビューさせてみるか。

第二十四話 「おいてけぼりな話」
 ノゾムはボクら家族に何があったのか詳しく知らなかったらしい。知っていると思っていたから拍子抜けだが…、コイツには話しておくべきか。

第二十五話 「求めなかった温もりに」
 家族の話をしてから、ボクはしばらく頭を冷やすために外出した。そうして心を落ち着かせて戻ったら、何故か晩飯に鰻重が配達されていて…。

第二十六話 「夏の底へ」
 ボクらは堕ちていく。沈んでいく。底も見えない、浮きあがれるかも判らない所へ。体温の熱と吐息の湿気がこもるそこは、夏の底のようで…。

第二十七話 「取り残されて」
 夏の日々を、ボクらは殆ど二人だけで過ごした。まるで世界から取り残されたように、ひっそり、穏やかに、静かに、寂しく…。

第二十八話 「寮友達との再会」(前編)
 アブクマイヌイ組が全国大会を終えて帰って来た。オシタリはまだ少しかかるそうだが、まずはボク達だけ、後輩を交えて羽を伸ばす事に…。

第二十九話 「寮友達との再会」(中編)
 アブクマ達の後輩と一緒にカラオケにやってきたボクは、立て続けに衝撃を味わった。そして、予期していなかった機会に恵まれて…。

第三十話 「寮友達との再会」(後編)
 ホモだったというボクの事実を、アブクマは受け入れてくれた。これでやっと、揺れていたボクの中にも安心感が………芽生えなかった…!

第三十一話 「繋がりのカタチ」
 友人達との外出から帰ると、ドウカさんとのデートに送り込んだノゾムは、既に帰って来ていた。さて、あっちは上手く行ったのかどうか…?

第三十二話 「今はさよなら」
 夏休みの終わりがやってきた。すっかり馴染んだ部屋を出て、ノゾムともしばしのお別れという事になる。帰る前に、言い残しだけ伝えておこう…。

第三十三話 「二学期の始まり」
 つまらない物になるはずが二転三転して人生の転機ラッシュになった夏休みも終わり、新学期を迎えた。そして化学部は文化祭の準備に入る。

第三十四話 「運命は向こうからやって来る」
 休み明けのダルさを感じる事もなく、ボクは新学期に順応できた。順調で充実した日々の中、アラシさんから興味深い話を聞く機会があった。

第三十五話 「思っていたよりボクは弱い」
 何年ぶりか、数える暇もなくボクは駆け出した。何年ぶりか、こんなにも強い怒りを感じて。何年ぶり…、何年ぶりに…、ボクはその男の顔を見た。

第三十六話 「責任と権利と義務と」
 一区切りついたんだろうか。アイツが捕まって、ボクには区切りがついたんだろうか。こんな代償まで支払って、ボクはこうなる事を望んだだろうか…。

第三十七話 「またも、居候」
 仕方がない事とは言え腹が立つ!どうしてボクが記者に追い回されなきゃいけないんだ?皆に迷惑をかけるから寮を一時離れる事になったボクは…。

第三十八話 「身に覚えのない恩」
 マスコミから身を隠しているボクだが、トラ先生は会わせるべき客が来ると言う。誰だかは知らない。先生が言うからには会う必要があるんだろうが…。

第三十九話 「それでも捨てた物じゃない」
 先生が引き合わせてくれたジャーナリストが、代理人として会見する…。ボク自身は矢面に立たずに済むその体制のため、事件の聞き取りが始まった。

第四十話 「ボクにできる恩返し」
 避難所生活も少し慣れたところだが、これはあくまでも臨時の措置だ。問題が片付けば寮に帰れる。…喜ばしい事なんだが、な…。

第四十一話 「ペイル・ブルー・ドット」
 これは、ボクが生き方を変えようと思った話。弱い事は悪じゃないと学んだ話。弱くていい、小さくていい、淡くていい、仄かでいい、それでも捨てた物じゃない。

第四十二話 「初恋」
 文化祭が迫る。オシタリの成績が急カーブで戻る。ボクの目の手術が近付くのはまぁ置いておく。慌ただしく時が過ぎる。それなりに充実して、決して止まらずに…。


新庄編

第一話 「気になる観察対象」
 私は新庄美里。星陵ヶ丘高校一年、新聞部所属の人間女子。何かと興味を引かれる生徒が多いのよね、この学校…。本当に退屈しないわ!

第二話 「定期戦取材」(前編)
 見所満載の春の大イベント、川向こうの高校との定期戦が、ついにやって来た。さぁ、徹底取材の始まりよ!

第三話 「定期戦取材」(後編)
 ルームメイトのユリカの応援と空手部の試合の取材を終えた私は、オシタリ君と一緒に柔道場へと急いだ。が、思わぬアクシデントで足止めが!

第四話 「違和感と不安」(前編)
 アブクマ君とイヌイ君が男同士の恋人同士だという事が、隣室の二人にバレてしまったらしい…。まったく!不注意が過ぎるわよお二人さん!?

第五話 「違和感と不安」(後編)
 考えても考えても、ウツノミヤ君の問題点は表立っては出てこない。どんな子なのかしら?見えている所に彼の本質は無いような気がする…。

第六話 「誰が為にエールは響く」
 ついに総体の地区予選が始まった。アブクマ君達も試合に臨んでいる今日、なんと私はボート部の取材に駆り出されてしまって…。

第七話 「早過ぎた終わりに」(前編)
 総体地区予選は次々と行われてゆく。ある部活はそこで足を止め、ある部活は夏を目指してまだ進む。私の周囲でも、極端に割れていた…。

第八話 「早過ぎた終わりに」(中編)
 落ち込んでいたユリカは、私の励ましに応えてくれて、いくらか元気になったものの、根本的な問題解決には至っていない…。解決するには…。

第九話 「早過ぎた終わりに」(後編)
 ルームメイトの為に一肌脱ごうと、私は張り切って女子空手部主将へ直談判。…だけど…。…新庄美里、勇み足の巻…。やれやれだわ全く…。

第十話 「地道に築く」
 県大会進出を決めた部の決戦が近付く、そんな今…、他部から新聞部への不満や様々な非友好関係について、私にも徐々に判って来た。

第十一話 「痛い目を見る」
 取材のための勉強を続けている私は、ヒョウノ先輩から名物生徒の話を聞かせて貰える事になった。…けれど、先輩の態度が途中で急に…。

第十二話 「濡れ衣」(前編)
 カバヤ先輩のおかげで危機を逃れた私は、しかしその翌日、事態は終息などしておらず、それどころか妙な方向へ動いていた事を知った。

第十三話 「濡れ衣」(後編)
 私の浅はかな行動で大切な友達に疑惑の目が向けられてしまった…。噂の自然消滅なんて待ってられない!けじめを付けに行かなくちゃ…!

第十四話 「夜岸先輩」(前編)
 各方面に多大な迷惑をかけた一件も何とか決着を見た。同時に私は、自分が赦された理由のおかげで、再び悩み始める事になる。

第十五話 「夜岸先輩」(中編)
 イワクニ先輩に提案された私は、それまで話した事もなかったヨギシ先輩の取材に同行した。けれど、どんなひとなのかイマイチ掴めなくて…。

第十六話 「夜岸先輩」(後編)
 相撲部への取材同行。空手部練習試合の取材。そして、二人の先輩が関わった過去の事件…。私はついに、ターニングポイントに立った。

第十七話 「白の衝撃」(前編)
 革命。来る決起の日に向けて準備が着々と進む中、ヨギシ先輩は相撲部の取材に同行するよう命じた。私は、そこで白の衝撃を目にした。

第十八話 「白の衝撃」(中編)
 ヨギシ先輩に良く見ておくように言われた選手は、確かに物凄かった。その立ち合いを目の当たりにした私は、胸を突く何かを感じたけれど…。

第十九話 「白の衝撃」(後編)
 カバヤ先輩の右膝。昔の事故。立ち止まれない理由…。私は知った。カバヤ先輩が無理を続ける理由と、事故の陰に潜む二人の繋がりを。

第二十話 「止まれない重戦車」(前編)
 ついに大会の日がやって来た。挑む相撲部をヨギシ先輩のお供で取材にやって来た私は、大会の成果よりカバヤ先輩が気になって仕方無い。

第二十一話 「止まれない重戦車」(後編)
 見事に準々決勝進出を決めたカバヤ先輩。そしてあの白犬もまた順調に勝ち残っている。でもカバヤ先輩の膝は徐々に痛みを増していて…。

第二十二話 「始動」
 相撲部の大会も終わり、全ての部活が県大会を終えた。その三日後、ヨギシ先輩と私はカバヤ先輩のお見舞いに、病院を訪れていた。

第二十三話 「展開」
 新聞部に真っ向から対立する、新たな部の設立…。それが、ヨギシ先輩の計画した革命の第一段階だ。こんな所で躓く訳には行かない!

第二十四話 「恋愛」
 報道部の設立が認められ、私たちは本格的な活動を開始した。先輩の指示を受ける傍ら、私は退院したカバヤ先輩へ挨拶に伺う。

第二十五話 「強奪」
 新聞部に記事の中身で勝つ!それが報道部の闘い方。私はヨギシ先輩から特集記事のデータを預かり、チェックを任せられた。でも…。

第二十六話 「毒餌」
 奪われたデータは戻らなかった。新聞部の最新記事は野球部特集だった。内容はこっちが構想してた物と被っていた。…けどこれ、中味がおかしい…!?

第二十七話 「発覚」
 ユリカの停学が明ける前日、いつもと変わらない休みを送っていた私達だったけれど、ある先輩が訪れて大騒ぎに…!


番外編

「潮芯一の学期末」 
 応援団長潮芯一の、三学期末の一夜の様子。