第二十二話 「ダイスケのお泊り」(後編)

「…でかっ…!」

店員用通路を抜け、銭湯側に入ったオレとダイスケは、一際目を引く客の一人に目を止め、ぽかんと口を開けた。

常連さんじゃないな…。初めて見るそのお客さんは、無茶苦茶でかい熊獣人だった。

身長は…、これ軽く2メートル超えてるな…、220センチってところだろうか?丸太みたいな腕と脚。特大の酒樽みたい

な胴体。

目を引く理由はでかいからってだけじゃない。その獣人は、全身が金色だった。

キラキラ輝く黄金の毛に、澄んだ空色の瞳。すごく、綺麗な獣人だった。

サツキ先輩よりでかい人なんて、ナマじゃ先輩のお父さんとアルビオン選手くらいしか見た事がない。でも、この熊獣人は

その二人よりもさらにでかい…。

金色の熊は腕に女の子を抱いている。栗色の髪の、五歳か六歳くらいの小さな女の子だ。

娘さんなのかな?カウンターの上にしきりに手を伸ばす小さな女の子に、お父さんがうちの銭湯のマスコットキャラ、タヌ

キのポン助君人形を渡していた。

ちなみに定価900円(税込み)だけど、今回はプレゼントみたい。

「ありがとうございます!良かったねぇアリス。お礼は?」

金色の熊は優しい微笑を浮かべて、お父さんに頭を下げ、女の子にお礼を促した。

声変わり前の少年みたいな、思いの外高い声だ。凄く大きいけれど、優しそうな人だな。

「ありがとう、おじちゃん!」

女の子が嬉しそうに、笑顔でお礼を言う。悪い意味じゃなく、人形みたいに可愛いなぁ…。

熊さんはお父さんに料金を支払うと、そのまま女湯に入っていく。…え!?女湯!?女のひとだったの!?

「お父さん、今のひとは?」

もちろん常連さんじゃない。初めて見る顔だ。オレが尋ねると、お父さんは笑いながら答えた。

「あ〜、阿武隈君がうちを紹介してくれたんだってさ。親戚筋らしいぞ?」

「へぇ〜…」

先輩の親戚、みんなでっかいのかな…。っていうかあの女の子は?やっぱり娘さん?

とりあえず疑問は棚上げして、オレはダイスケを連れて男湯に向かう。

「なぁ、ジュンペー…」

あの熊さんの事が気になったんだろうか、男湯の暖簾を潜りながら、ダイスケが小声で話しかけてきた。

「あのタヌキの人形、いくら?」

…欲しいのダイスケ…?



脱衣場のロッカーは殆どが鍵をつけたまま…、つまり未使用の状態だった。

脱衣場には誰も居ないし、浴場内にもお客さんは数人だけ。

よし!オレの目論見通りだ!伊達に手伝いがてらに裸体ウォッチなんかしてませんからっ!…あ、これ内密ね?

いそいそと服を脱ぎつつ、オレは横目でダイスケをちら見する。

「っておぉぉおおおおい!?」

「ん?」

思わずつっこんじゃったけど…、いや普通つっこむだろうここは!

オレに背中を向けたまま、首だけ振り返ったダイスケは、上はそのままに、いきなりズボンとトランクスを脱いで下半身まっ

ぱ、しかも靴下残しなんていうマニア心をくすぐる格好になっていた。

ちょ!ダイスケ、こっち向いて!ああ!でもでっかいお尻の上の尻尾もまたセクシー!

「どうした?」

「い、いや何でもない。ってか早く脱いじゃって。あ、でも、もうちょっとそのままでも良いかな…」

「???」

ダイスケは、自分の格好がオレのツボを痛打している事にはまったく気付いていないのか、顔中を疑問符だらけにしながら

脱衣を続行する。

パーカーとシャツを脱いで、逞しいながらも程よく脂肪が乗ったナイスバディがあらわになる。…靴下はそのままに…。

「ダイスケ…」

「なんだ?」

「い、いや、何でもない…」

「?????」

またもや顔中を疑問符だらけにするダイスケ。

「どうした?なんかおかしいぞジュンペー?」

おかしいのはダイスケの脱衣手順だ。…とは思ったけれど、文句なんてあるはずもない。

「ちょっと、その、興奮しちゃって?あ、あはははは…」

オレは笑って誤魔化しながら自分の脱衣に戻る。

ダイスケは腰にタオルを巻いてから、やっと靴下を脱いだ。明らかに手順がおかしいって!靴下に何かこだわりでもあるの

ダイスケ?

タオル一枚になったオレ達は、並んで歩き出しかけ、同時に足を止めた。

『……………』

しばし無言で互いの腰を見つめ、それから顔を見つめた後、オレ達は揃って小さく吹き出した。

「もしかして、興味津々?」

「ジュンペーこそ」

いざとなったらちょっと恥ずかしかったけれど、オレはタオルの結び目をほどいて手に持った。ダイスケも、同じようにタ

オルを外して手にぶら下げる。

「…でかい…」

「…かわいい…」

オレとダイスケは、互いの股間を確認し、同時に呟いていた。

ダイスケのは…、でかい…!まだ皮を被ってるけど、凄く太くてフランクフルトみたいだ…。タマも大きくて立派。文句の

付けようがない見事な逸物…!

オレの方はタマはとにかく大きいけど竿は小振りで、極端に短い。ようするにタヌキのチンコだ。ダイスケはかわいいって

言ってくれたけど、…褒められてるようでいて、決してそうではないような…。

はっ!?あんまり見つめていると勃起してしまう!

オレとダイスケはほとんど同時に、慌てて視線を逸らした。…あとで改めてじっくり見させて貰おう…。

「は、入ろうか!」

「う、うん」

上ずった声で言ったオレに、ダイスケは俯き加減に、くぐもった声で返事をした。



浴場内はとにかく人が少なかった。今がチャンスとばかりに、オレはダイスケを椅子に座らせ、背中を洗ってあげた。

「ジュンペー」

「ん?」

オレはダイスケの広い背中を擦りながら、その顔を鏡越しに見た。

「あ…ありがと…」

鏡の中のダイスケは、俯き加減で上目遣いにオレを見つめて来た。

「凄く、気持ちいい」

照れ笑いを浮かべるダイスケの顔…。グッと来ますなぁ!

ダイスケは恥ずかしがり屋だけど、思っている事を正直に言う。恥ずかしがりながら、照れ笑いしながら伝えてくる本音に、

オレの心はとにかくグラつかされる。

嬉しくて、照れ臭くて、オレはダイスケの背中を無言で洗い続けた。



「ジュンペーほど丁寧じゃないぞ?」

ダイスケはそう断った後、オレの背中を洗ってくれた。

ダイスケの手は力強く、グリグリと背中を擦って来る。

…あぁ…!やばいくらい気持ちが良い…!

不器用な、でも一生懸命なダイスケの手が自分の背中を流してくれるのを…、

(…なくようぐいす、へいあんきょう…!…いいくにつくろう、かまくらばくふ…!)

完全に勃起した愚息を意志の力でねじ伏せる努力をしながら、オレは肌で感じていた。…無節操で済みません…。



「あ〜…、気持ちいい…」

ジャグジーの泡がぶくぶくとはじける中、ダイスケはとろんとした顔で笑った。

「これやばいなぁ。くせになるかも」

それはオレもさっき思った事だよ。

「あはは!遠慮せずくせになって、常連になってよ」

オレ達は浅い浴槽に俯せに浸かり、昇って来る泡に体をマッサージされていた。

「うちの湯船狭いからさ、いっつも体縮こめて入ってるんだ。手足伸ばして風呂に浸かれるって、新鮮で気持ちいいよ」

「あ〜…、ダイスケくらい体が大きくなると、普通のお風呂はそうかもね」

他愛もない会話をしながら、打たせ湯、サウナなんかを堪能した後、オレとダイスケは浴場を出て、腰にタオルを巻いた格

好でコーヒー牛乳を飲んだ。もちろん腰に手を当てて。

「っぷは〜!美味い!」

満足げな笑みを浮かべる、なんかおっさんくさいダイスケに、オレは思わず吹き出した。



「あっちゃ…」

オレが操作する車は、コースアウトして壁に激突した。

「調子悪い?」

そう尋ねるダイスケの車も、かなり際どい所を走ってカラーコーンをパカパカと跳ね上げ、彼は慌てて操作に戻る。

「あはは!ダイスケこそ」

「う〜ん…、集中力が…」

入浴が済んだ後、二人してレースゲームに興じている訳だけれど…。

うん。集中しろっていう方が無理!お互いの股間を確認した後、もう気になって気になって…。

オレはもちろん、レースゲームが無茶苦茶上手いダイスケすらも、凡ミスを繰り返している。

それでもまぁ、二人ともゲームを続け、悶々としながら時間が過ぎるのを待っているわけなんだけど…。

「…そろそろ…、良いかな…」

オレは壁掛け時計を確認して呟いた。時計の針は午後十一時を指している。

ショーへーはもうぐっすりだろうし、閉店から一時間が過ぎ、両親もそろそろ休む頃だ。

この時間になれば、もう誰も部屋に来ないだろう。

それでももちろん部屋の鍵はかけ、オレは布団の上にあぐらをかいているダイスケに視線を向ける。

オレのベッドは、ダイスケと二人で寝転がるにはちょっと狭い。お泊まりの為に用意した布団の方が都合が良かった。

「ダイスケ、まずは見て貰いたいものがあるんだけど…」

オレは、厳重に隠しておいたネコムラ先輩から頂いたノートを取り出し、ダイスケと並んで腰を下ろした。

「サツキ先輩の恋人の、ネコムラっていう先輩から貰ったんだ…。

そして、オレはゆっくりとノートを開く。

「…凄いな…」

数ページ捲った後、ダイスケはごくりと喉を鳴らした。

ふと見ると、ダイスケの股間でパジャマ代わりのジャージが押し上げられ、テントになっていた。

え?オレの方?…言うまでもないと思う…。

オレ達が見つめているページには、乳首を摘まれ、チンチンをしごかれ、硬く目を閉じ、泣き出しそうな顔で歯を食い縛っ

ている、サツキ先輩にしか見えない熊獣人の姿がスケッチされている。

…喘ぎ声が聞こえて来そうな、臨場感溢れるイラストだ…。

「…最初だし、まずはソフトに…いってみようか…」

「そ、そうだな…」

オレ達は食い入るようにノートの解説を読み、そして、いよいよ実践する段階に至った…。



「そろそろ…、始めようか…?」

オレの言葉に、ダイスケは恥ずかしそうに頷いた。膝立ちになり、ズボンを脱ごうとしたダイスケの手を押し留め、オレは

ダイスケのズボンに手をかけた。

「…下ろすよ…?」

ドキドキしながら声をかけ、オレはジャージを引っ張って広げながら、そっと下ろした。

トランクスの股間が盛り上がり、さきっぽにシミができてる…。

我慢できなくなって、ダイスケの下っ腹の下に指を突っ込み、お腹が乗っかった形になっているトランクスのゴムに手をか

け、ぐいっと下ろした。

「あっ…!」

ダイスケが小さく、可愛い声を漏らす。下ろすトランクスにひっかかったダイスケの逸物が、勢い良く跳ねて、下っ腹をポ

ンと打った。

完全に勃起したダイスケの逸物は、凄く、でかい…!先端は皮がめくれかけ、ピンクの亀頭が少しだけ覗いている。

思わず目を奪われ、見入ってしまったオレに、ダイスケは少し恥ずかしそうに身じろぎした。

「じゅ、ジュンペー…、オイラも、脱がせてやる…」

ダイスケはそう言うと、オレの腰にそっと手を伸ばした。

パジャマのズボンに手をかけ、さらに内側の下着まで指をかけると、ダイスケはそっと下に引き下ろした。

足と、尻尾を通ってズボンとトランクスが下りていく。自分で手を使わずに下着が脱がされるのは、奇妙な感覚だった。

あらわになったオレの股間でも、愚息が精一杯にふんぞり返っている。皮は売るほど余ってるから、さきっぽまですっぽりだ。

…う〜ん、目の前にダイスケのがあると一際小さく見えるな…。あまり気にしてなかったとはいえ少々がっくり。

まぁ、落ち込むのは一人でできる!今は…、

膝立ちのまま、お互いの股間をじっと見つめた後、オレは口を開いた。

「ダイスケ…、さ、触っても、いい…?」

オレが唾を飲み込むゴクリという音が、やけに大きく聞こえた。きっと、ダイスケにも聞こえちゃっただろう。

「…うん…」

ダイスケは、少しの間を置いてから頷いた。

オレは布団の上にあぐらをかき、そっと手を伸ばして、膝立ちのままのダイスケの股間でそそり立つ肉の棒に、指先で触れた。

指先が触れたとたん、ダイスケの体が、そしてチンチンが、ピクンと震えた。

…これが…、ダイスケの…。

他人のチンチンに触るなんて初めての経験だ。オレはその熱い手触りに、そして脈打つ感触に、ただただ驚いた。

オレは両手で包むように、ダイスケのチンチンを握った。

ピクンと、手の中でチンチンが跳ね、脈打つ感触が強くなる。

肉棒を軽く握ったまま、オレは人差し指を伸ばし、さきっぽに覗く亀頭にそっと触れてみた。

感じたのか、亀頭に触れたとたん、ダイスケは大きな体をビクッと強ばらせた。

じわじわと、実感が湧き上がってくる。…オレ…、今、ダイスケのチンチンに触って…握ってるんだ…。

「じゅ、じゅん、ぺー…」

ダイスケは、恥ずかしそうにオレの顔を見下ろしながら言った。

「オイラにも、触らせてくれ…」

オレが頷くと、ダイスケはオレと同じように、布団の上にぺたんと座り込んだ。

正座を崩したような、そんな座り方。…ダイスケ…、かわいい…。

ダイスケの大きな手が、おそるおそる伸び、オレの股間の小さな竿に触れた。

「あっ…!」

声が漏れた。っておぉい!まだ指先で触られただけじゃないか!しっかりしろオレ!

ダイスケはオレの小さなチンチンを、太い親指と人差し指で摘んだ。そして、皮を被ったままの亀頭を、指の腹で挟み込む

ように軽く押す。

「んぁっ…!」

今度も声が漏れた。っく…、まずい、このままではやられるっ!(?)

オレの中でむくむくと対抗心が膨れあがった。ダイスケにも声を上げさせてやる!

オレはダイスケにチンチンを摘まれたまま、大きなチンチンをキュッと右手で握り締めた。

「んっ!」

お、呻いた!オレはそのままダイスケの肉棒を、きゅっきゅっと握る。左手はダイスケの睾丸にあてがい、軽くもみしだく。

ネコムラ先輩のノートから学び取った、両手での責めだ!

「じゅ、ジュンペー…!」

ダイスケの手が、オレの小さなチンチンをすっぽりと握った。その手が軽く力を込め、締め付けてくる。

「ダ、イ…スケ…」

オレはもう我慢できなくなり、ダイスケの肉棒をしごき始めた。

前のめりになり、お互いの肩に顎を乗せた状態で、オレ達はお互いのチンチンをしごきあう。

荒い息づかいは自分の物なのか、ダイスケの物なのか、興奮と、股間から送られてくる刺激で頭の芯が痺れて、もう判らない。

一度手を止め、ダイスケのチンチンの皮をそっとめくる。

スムーズに根本まで皮がめくれ、亀頭が完全に露出したのを確認し、オレは一層強くしごき始めた。

「じゅ、ジュ…ンペ…、ふぅ…はぁ…!お、オイラっ…イく…!」

「オレも…、はぁっ!オレも…もう、イっちゃい…そう…!」

気を抜いたらイってしまいそうで、オレは必死になって、ダイスケの大きな逸物をしごき上げた。

絶頂に達したのは、ダイスケの方が先だった。

「うっ…!」

呻き声と共に、ダイスケの手が止まった。大きな体がブルッと震え、オレの手の中で、逸物がビクンビクン脈打ち、精を吐

き出す。

胸に、腹に、腕に、液体が降りかかった。それがじわりと被毛に染み、生暖かい感触を伝える。

 …勝った…!いや、勝ち負け競ってるわけじゃないけど…。

オレの肩に顎を預けたまま、ダイスケはふぅふぅと荒い息をついている。たまらなく、愛おしかった…。って…!

イったばかりで放心状態に入るかと思いきや、ダイスケはオレのチンチンを握ったままだった手を、再び動かし始めた。

きつめに握られたチンチンは、さっきよりも素早いピストン運動でしごきたてられた。

「ちょ、ちょっと、まっ…!ダイスケ、は、激し…!」

「ジュン…ペー…も…!イかせて…やる…!」

ダイスケはふぅふぅと荒い息をつきながら、オレの耳元で囁いた。え?ちょ、なんか、火が点いちゃった!?

対抗心からなのか、ダイスケはオレのチンチンを一層激しく攻め立てた。

「あっ、あっ、あっ…!」

少し乱暴とも言えるダイスケの愛撫に、声が漏れて、堪えきれない。

「だ、ダイスケ…、ダイスケぇ…!」

堪らずに名を呼ぶと、ダイスケは左手でチンチンをしごきながら、密着していた体を離し、右腕をオレの背に回して、改め

て抱き寄せた。

口が重ねられ、ダイスケの舌が唇を割って入り込む。

オレの口の中をダイスケの舌が一方的にまさぐり、脳をとろかすような快感がオレから抵抗する力を奪う。

唇を重ね合いながら、お互いの口に中に乱れた吐息を吹き込みあう。

オレはダイスケの不器用で乱暴な愛撫に、もう身も心もとろかされていた。

ダイスケが必死なのが、はっきりと分かる。

一途で、必死で、不器用で、もう、ダイスケの何もかもが愛おしくて仕方なかった。

長い口付けの後、唇を離し、ダイスケはオレの頬に頬ずりしながら、耳元に囁いた。

「愛してるぞ…ジュンペー…」

その言葉が囁き終えられると同時に、まるで計ったように、オレはダイスケの手の中で果てた。



「うわぁ…、ダイスケの、濃いなぁ…」

「え?それ、ジュンペーのじゃないか?」

ダイスケのお腹に散った乳白色を拭ってやりながら言うと、ダイスケは心外そうに応じた。

お互いの体に飛び散った精液をティッシュで拭いながら、俺達は顔を見合わせ、笑いあった。

あんな体勢でやってたから、もうどっちがどっちのだかさっぱり判らないよ。

「…どうだった?」

「ん。気持ちよかった…。ジュンペーは?」

「もちろん気持ちよかったよ。当たり前じゃん!」

「そ、そうか…」

ダイスケはほっとしたように微笑んだ。

あ〜、やっと判った!

ダイスケ、自分が先にイっちゃったもんで、自分の手でもオレを射精させられるか不安になったんだな?それで凄い必死になってたんだ。

納得して苦笑しつつ、オレは喉の渇きを覚えて立ち上がる。テーブルの上に用意しておいたコーラを、二人分コップに注ぎ、

オレはダイスケを振り返った。

「ねぇ、ダイスケ…」

四つん這いになって布団の上を綺麗にしながら、ダイスケは首を巡らせて振り返る。

ちょ!お尻をこっちに向けたそのかっこ“#$%&‘()〜=〜|!!!

思考が文字化けし、頭から煙が出そうになって黙り込んだオレに、ダイスケはそのままの格好で首を捻った。

「何だよジュンペー?」

綺麗なピンク色のお尻の穴が丸見えだよダイスケ!とは言えなかったので、オレは目まいを堪えつつ、おずおずと尋ねた。

「…もう一回、やる元気ある?」

答えは、聞くまでもなかった。驚いたように目を丸くしているダイスケの、そのでっかいお尻の上で、短い尻尾がピコっと

動いてたから。

オレはコーラをダイスケに差し出した。

ダイスケは上目遣いにオレを見ながら、恥ずかしそうな笑みを浮かべてコーラを受け取った。

あぐらをかいて座ったダイスケの足に、抱っこされる形でオレが座る。背中にダイスケの突き出たお腹が当たって良い具合…。

首を捻ったオレと、覗き込んだダイスケは顔を見合わせ、微笑みながらコーラを飲んだ。

「少し休憩したら、もう一回いこう」

「うん。次は、何か別のを試してみるか?」

結局その夜、オレとダイスケは三回も発射した。

そして疲れ切ったオレ達は、同じ布団に潜り込んで、ぴったり寄り添って、抱き合って眠った。

なんとなくだけど、くっついていないと不安だったんだ。

こんな夢みたいな経験…、目が覚めたら、ほんとは夢でしたー、なんて事になるんじゃないかと…。

ダイスケはオレに腕枕してくれたまま、大きな体を布団からはみ出させてスースー眠っていた。

とにかくもう、なんていうか、何だお前は!?っていうくらい寝顔がかわいかった…。

オレは眠りに落ちる瞬間まで、ダイスケの肉付きの良い胸やお腹を軽く撫でながら、いつまでも、いつまでも、飽きずにそ

の寝顔を眺めていた。

ダイスケが積極的だからなのか、それともやっぱりモロに好みだったからなのか、ほんの少し前まで先輩一筋だったってい

うのに、オレ、凄い簡単に惚れさせられちゃったなぁ…。

そんなわけで、精根尽き果てたオレ達は昼過ぎまでぐっすりだった。