本 編
 阿武隈沙月(あぶくまさつき)と根枯村樹市(ねこむらきいち)。少し変わった関係の二人が送る学園生活。(同性愛表現含有、18禁)

第一話 「自覚は無かったが」
 俺、阿武隈沙月。東護中三年、柔道部所属。俺には、実は人に言えない秘密がある。…なぁ?好きになる相手って、女じゃねぇとダメなのかな?

第二話 「借りがあるんだ」
 僕、根枯村樹市。東護中三年、図書委員会所属。偶然アブクマ君の勉強を見てあげる事になったけれど…、実は、彼に言えない秘密がある…。

第三話 「やましい事は何一つ」
 中学最後の夏を賭け、俺は追試に挑む!手伝ってくれたネコムラの為にも、絶対にパスしてやるぜ!

第四話 「貸し借りなし」
 追試は終わった。これで貸し借りなし、彼の傍に居る理由もなくなった。もうこれ以上、傍には居られない…。

第五話 「楽しかったよな」
 ついに俺は全国の舞台に立った。…が、勝ちてぇ相手を前にしても、心からはキイチの影が離れねぇ…。

第六話 「サツキ君のせいですか?」
 夏休みも残り僅か、珍しく買い物に出た僕は、偶然サツキ君と会い、家にお邪魔する事になった。そこで僕が聞いたのは…。

第七話 「お前が好きだ!」
 二学期が始まってからキイチの付き合いが悪ぃ。帰りはすぐ居なくなっちまうし…。…もしかして俺、避けられてる!?

第八話 「もう待たせないから」
 亡くなった親友、乾健人(いぬいけんと)君の家を訪ねた僕は、彼が遺した手紙を手に入れる。サツキ君宛ての最後の手紙を。

第九話 「ちっとは惚れたか?」
 楽しみにしてた球技大会がやって来た!が、運動に興味ねぇキイチはやる気がねぇ。おっし!ここは一つ…!

第十話 「かわいくなっちゃうんだね?」
 付き合い始めてからも、僕達の関係は特に変化がない。そんなある日、僕がサツキ君に何気なくした質問は、大変な事態に発展してしまった!

第十一話 「俺のしたい事」
 高校の願書の提出期限がせまってきた。進学しねぇつもりの俺に、キイチは「したい事を探してみないか」と言う。…俺の、したい事…、か…。

第十二話 「きっかけ」
 気弱な子供だったサツキ君がどうして今のように変わったのか、僕は彼からやっと、そのきっかけを聞いた。ある幼なじみのエピソードと共に。

第十三話 「キイチの影響かな」
 推薦を拒否するキイチの説得に、柔道部の後輩への指導。なんだか今回は俺らしくねぇが、別に変なモン食ったわけじゃねぇぞ?

第十四話 「バレたっ!?」
 文化祭が近付き、僕はサツキ君を説得して一緒に工作係になった。しかし、その作業中に思わぬハプニングがっ!

第十五話 「ご褒美!?」
 文化祭がやって来た。いろいろあったが…ま、比較的無事に終了…。そして俺はキイチからステキなご褒美を…!

第十六話 「汚いでしょ、僕…」
 学校の帰り道、車に泥をかけられた僕は、サツキ君に着替えとお風呂を借りる事になった。でも、入浴直前に思わぬアクシデントが…。

第十七話 「何やってんだ俺は」
 キイチが風邪を引いた。ナギハラからプリントを届ける役を譲って貰った俺は、初めてキイチの家にお邪魔する事になった!

第十八話 「優しさに甘えてる」
 僕の住所は、ついにサツキ君に知られてしまった。家の事も、傷の事も気になるだろうに、サツキ君は僕に何も聞かないでいてくれる…。

第十九話 「俺は理解した」
 雄流和町で得た手掛かり、五年前の事件。俺はその事件の記事を調べ、キイチの過去を、あいつが何者だったのかを…、知る事になった…。

第二十話 「僕は逃げ出した」
 その日の朝は、泣き出しそうな鉛色の空だった。サツキ君がソレを知ったその朝…。僕は、あんなにも大好きだったサツキ君から逃げ出した…。

第二十一話 「幸せの天秤」
 キイチはついに、俺に全てを話してくれた。…大丈夫だ、きっちゃん…。何があっても、いつまで経っても、俺はずっと傍に居るから…。

インターミッション 「レッツ・グルーミングアップ!」 (ドリルさんからの頂き物付きっ!)

第二十二話 「意外な再会」
 僕達は中学生活最後の大イベント、修学旅行で首都にやってきた!…ところが自由行動中にトラブル発生!さらにそこへ現れたのは、なんと…!

第二十三話 「おやすみ、きっちゃん」
 その日、俺はキイチと一緒にあいつが昔住んでた町へ行った。俺はキイチの事を全部知って、さらに好きになってた。だから俺は、あいつの為なら何でもできた。

第二十四話 「君が居ない世界」
 僕の軽率な判断のせいで、あんなに元気だった君は…。やがて辿り着いた、色の無い不思議な平原で、僕は、大切な人と再会した…。

第二十五話 「俺の負けだ」
 長かった監禁生活もようやく終わり。やっとこさ退院だぜ!…が、やっと通学できるようになったその初日、俺はかつてない恐怖と遭遇する事になった…。

第二十六話 「約束は守れない」
 サツキ君とジュンペー君の計らいで、僕は生まれて初めて銭湯を利用できた!明るい気分で帰宅した僕には、教育委員会からの封筒が届いていた。

第二十七話 「家族みてぇに」
 キイチをあれ以上あんな家に置いとく事は、俺には耐えられなかった。親父とお袋もキイチを歓迎してくれ、俺達は、まるで本当の家族みてぇに暮し始めた。

第二十八話 「大きな幸せ」
 サツキ君の家に居候させて貰うようになって十日が過ぎた。これまでには考えもしなかった幸せな日々…。そんな中、サツキ君が僕にある情報を…。

第二十九話 「メリークリスマス!」
 いろんな事があって長かった二学期も終わり、やっと冬休みがやってきた!キイチと過ごすつもりだったクリスマスだが、思わぬとこから声がかかって…。

第三十話 「実技指導」
 二組のカップルが集まって、一緒に過ごすことになったクリスマス!普段は人目を気にしなければならない僕らも、今夜だけは気兼ねなく…!

第三十一話 「プレゼント交換」
 幸せなイブを過ごした俺達は、迎えたクリスマス当日をそれぞれのカップル毎に過ごす。悪くねぇだろキイチ?たまにゃこうやって、のんびりだらけるのもよ!

第三十二話 「おめでとう!」
 今夜は大晦日。今年も今日で終わりだ。そして今日はサツキ君の誕生日!大した物は用意できなかったけど…、おめでとう、さっちゃん!来年もよろしくね!

第三十三話 「新年の運試し」
 のんびり正月を過ごしてぇとこだが、あいにく俺達は受験生だ。それでも俺はキイチをなんとか説得し、初売りに連れ出した。そこで何と、思わぬ幸運が…!

第三十四話 「温泉デビュー」
 初売りのくじで当たった、豪華温泉旅行ご招待!新しい両親と、そしてサツキ君と一緒に僕は温泉旅館へやってきた!いよいよ僕も温泉デビューだ!

第三十五話 「ロケット花火」
 楽しいはずの温泉旅行で、キイチは何者かに追われて走り去った!…くそっ!俺がちっと目を離したばっかりに!待ってろキイチ!今すぐ助けに行く!

インターミッション 「雪融け」

第三十六話 「僕のどこが好き?」
 冬休み明け、図書室でサカキバラさんと話をしていた僕は、今さら急に気になった。…サツキ君は、僕のどういう所を好きになってくれたんだろう…?

第三十七話 「俺…、ダメだった…」
 一足先に、推薦のキイチは満点で入試を決めた。…今度は俺の番だ。勉強教えて貰った手前、失敗なんてできねぇ!…そう、できなかった、のに…。

第三十八話 「次はもっと」
 約束の時間は過ぎようとしている。僕がサツキ君の家に居られる時間は、すでに一週間を切った。一緒に居られるうちに、何かお礼したいけれど…。

第三十九話 「しばしの別れ」
 キイチと一緒に過ごせる、最後の夜がやってきた。いつも以上にひっついて、名残りを惜しんでいた俺は、キイチに起こったある異変に気付いた。

第四十話 「また、会いに来てくれる?」
 新しい両親との、新しい生活が始まった。体験して実感したんだけれど、僕はずっと憧れていたのかもしれない。お父さんとお母さんが居る生活に…。

インターミッション 「支え」

第四十一話 「モテるんだなぁ」
 下駄箱にバレンタインチョコが詰まってた。しかもキイチからのも混じってるらしい…!持って帰って確認する事にした帰りがけ、俺達は柔道仲間のイイノと会って…。

第四十二話 「濃い時間」
 久し振りに僕をお泊りに誘ったサツキ君は、何故かイヤにモジモジしていた。…すっかり忘れていたけれど、今日、ホワイトデーだったんだっけ…。

第四十三話 「ありがとよ、みんな」
 卒業式を目前に控えた俺達は、少ねぇ時間を惜しみながら過ごす。しばらくの間の別れの挨拶。隠し続けてきた本心の告白。…もうじきなんだな…。

最終話 「僕らのスタート」
 色々な事があった中学生活も終わり、僕らは旅立ちの日を迎えた。新しい生活のスタートを、大好きなサツキ君と一緒に、踏み出します!


番外編 〜憧れの先輩〜
 東護中柔道部に所属する田貫純平(たぬきじゅんぺい)の視点で語られる、もう一つの学園生活。(同性愛表現含有、18禁)

第一話 「先輩との出会い」(前編)
 ボクの名前は田貫純平。東護中の新入生!なんとなく入部を決めた柔道部で、ボクはその先輩と出会った。

第二話 「先輩との出会い」(中編)
 経験者のボクは、柔道初心者であるアブクマ先輩に基本を教える事になった!嬉しくて調子に乗ったボクは、とんでもない失敗を…。

第三話 「先輩との出会い」(後編)
 主将との勝負に負けたらアブクマ先輩が退部!?柔道初心者の先輩を、いったいどうやったら主将に勝たせられるんだろう!?

第四話 「先輩のヒミツ」
 我らが柔道場には浴室がある。交代で利用するシャワータイム、アブクマ先輩とイイノ先輩はいつも最終組だけど…。

第五話 「バトンタッチ」
 中体連も終わり、三年生も引退する事になった。一年後、ボクも先輩を、こうやって見送る事になるのかな…。

第六話 「たった一つの願い事」
 上がり性のボクにとって、来る新人戦は気が重いイベントだ。そんなボクを励ますためか、先輩はある約束をしてくれた!

第七話 「念願の初デート!」
 ついに先輩と約束したデートの日がやってきた!もう入念に準備しましたよっ!より親密になれる予感っ!

第八話 「主将のお礼」
 なんと先輩をクリスマスのデートに誘う事まで成功してしまった!運気急上昇な上、さらに意外な所から…!

第九話 「クリスマスっ!」
 先輩と一緒に遊園地で過ごすクリスマス!そして発覚する先輩の意外な弱点。さらにイイノ主将の恋人まで!今年の冬は熱い!

第十話 「時は移ろう」
 春がやって来た。オジマ先輩達とのお別れに、新学期の準備。サツキ先輩はこっそり何か始めたみたいだけど…。

第十一話 「新入部員」
 新学期が始まり、僕達は二年生になった。我らが柔道部にも新入部員が入ったけれど…、皆サツキ先輩を怖がってる!

第十二話 「強豪との試合」
 中体連に向けた強化メニューで、ボク達は強豪、南華中との練習試合を行う。…あ、緊張して体がまた…。

第十三話 「新しい友達」
 中体連地区大会目前、ボクは部活後にバスに乗り、ある道場を訪問する。そこには、ボクの新しい友達が居る!

第十四話 「先輩達の引退」(前編)
 中体連全国大会。やっと辿り着いたそこは、先輩達にとっての最後の試合場になる。…先輩が…引退しちゃう…。

第十五話 「先輩達の引退」(後編)
 先輩が引退すれば、二度とこんなチャンスは無いかもしれない…。無防備に眠る先輩を前に、ボクは暴走するエロスを抑えることができない!

第十六話 「ダイスケの涙」
 主将の責務を果しながらも、オレはダイスケとの稽古を続けていた。…これからもずっと…、こんな日が続くと信じていたのに…。

第十七話 「先輩への告白」(前編)
 先輩の引退後、顔を合わせる機会はかなり減ってしまった。あと五ヶ月で先輩は卒業してしまう…。十月末のその日、オレはついに決意した!

第十八話 「先輩への告白」(後編)
 一年と七ヶ月。先輩と出会い、想いを募らせて来た日々は、もうそんなにもなっていた。…この日、オレの片思いは、やっと「答え」に辿り着いた…。

第十九話 「ゲンキンなヤツ…」
 告白後の不安定なオレの内心を見透かされ、ダイスケの提案で稽古は中止になった。そしてオレは、ダイスケにこれまでの出来事を打ち明けた。

第二十話 「オレの恋人っ!」
 夢でも思い込みでもない、オレにも恋人ができたんだ!幸せな一週間を過ごし、勘違いではなかった事を入念に確認した後、オレは先輩方に報告したっ!

第二十一話 「ダイスケのお泊り」(前編)
 ダイスケの外泊が許可された!お菓子を買い、部屋を片付け、後輩に勘ぐられ、ネコムラ先輩の援護を受けて、オレはついに恋人と一晩を明かす!

第二十二話 「ダイスケのお泊り」(後編)
 ウチの銭湯で初めて見た、生まれたままの恋人の姿…。気持ちが乱れてゲームにも集中できないまま夜を待ち、オレとダイスケはついに…!

第二十三話 「恋人とのクリスマス」
 今年のクリスマスは一味違う!オレ、このたび生まれて初めて、恋人と一緒にクリスマスを過ごしましたっ!ダイスケと一緒に、とびっきりのクリスマスを!

最終話 「憧れの先輩」
 ついに、先輩達が巣立つ日がやってきた。サツキ先輩は学校を去るけど…、オレはきっとまた、一緒に柔道をするんだ。憧れの先輩と…!


番外編2 〜友達を越えて〜
 東護中柔道部に所属する上原犬彦(うえはらいぬひこ)の視点で語られる、三つめの学園生活。(同性愛表現含有、18禁)

第一話 「ちょっとした縁」
 おれ、上原犬彦。東護中一年で、柔道部所属。おれがあいつと初めて言葉を交わしたのは、遅刻しかけたあの朝、鐘が鳴る中の事だったな…。

第二話 「驕りの代償」
 中体連に向けた強化メニューが始まった。レギュラー枠を狙うおれは気合を入れて稽古に臨んでいた。でも、雑念のせいで思わぬ事故が…。

第三話 「うねる感情」
 負傷によって、俺のレギュラー枠確保は夢と消えた。…なのに、俺があぶれたその枠には、よりにもよってあいつが…!

第四話 「分かるという事」
 副主将に屋上へ呼び出されたおれは、黒い感情を全て吐き出した。そして気付いた。おれが嫌いだったのはゲンじゃない、自分自身だったんだ…。

第五話 「因果応報」
 ゲンに酷いことをしたバチが当たったんだろう。不注意から不良達とトラブルを起こしたおれは、抵抗を諦めて居直った。そこへ現れたのは…!

第六話 「大切な友達」
 先輩達に助けられたおれは、やっとゲンに謝ることができた。おれはもう二度とゲンを傷つけない。ゲンはおれの、一番大切な友達だ…!

第七話 「悩みと理解」
 新人戦を終え、柔道部は鍛錬に費やす冬を迎えていた。おれとゲンは相変わらず一番の友達だ。…が、なんとなくだがゲンのやつ、何か隠してるような…?

第八話 「言葉にできず」
 先輩方の助言を得たおれは、ゲンと話をする。…かつて、ゲンが見せてくれた飛びっきりの勇気…。おれもゲンに負けないように勇気を振り絞った!

第九話 「きっと二人は」
 あの告白から数日が経ち、おれとゲンとの初デートの日がやってきた。…が、おれはしょっぱなから寝坊して、最悪のスタートを切る…!

第十話 「恩に報いて」
 引退した三年生と現役部員との対抗試合が急遽組まれた。試合が翌日に迫ったその日、おれ達はなんとなく元気の無いアブクマ先輩の姿を目撃する…。

第十一話 「快感と罪悪感」
 ミサト姉ちゃんの部屋からゲイのエロ雑誌をこっそり持ち出し、おれはうしろめたさを覚えながらも、貴重なそれを熟読していた。その時、おれの体に異変が…!

第十二話 「そびえる山に」
 三年生VS現役の団体戦の日がやってきた。三年生が提示したのは予想外の配置オーダー…。おれは今日、見上げ続けてきた山に挑む。

最終話 「友達を越えて」
 ただ進む事しか考えていなかったおれも、今では皆を引っ張る側だ。背中を押してくれるゲンも居る。先輩方…、おれ、なんとか、主将やってます!

SpinOff
 本編、及び番外編では語られなかったスピンオフエピソード集。

SO-0「乾健人の誇り」
 乾健人(いぬいけんと)が過ごした、本編から二年前の春。

SO-1「木田利恵の悩み」
 東護中学校三年二組の担任にして柔道部顧問、木田利恵(きだとしえ)の視点で語られる、クリスマス前に起こったとある出来事。

SO-2「小牛田元の望み」
 東護中学校一年生、柔道部の黒牛、小牛田元(こごたげん)が迎えた、生まれて初めての、恋人と過ごすクリスマス。(同性愛表現含有、18禁)

SO-3「球磨宮大輔の願い」
 南華中学校二年生、柔道部主将の黒熊、球磨宮大輔(くまみやだいすけ)が胸に秘めた、密やかな願いとその結末。(同性愛表現含有、18禁)

SO-4「飯野正行の想い」
 東護中学校卒業生、元柔道部主将の猪、飯野正行(いいのまさゆき)が抱く、離れて過ごした恋人への想い。(同性愛表現含有)


連載終了記念座談会
 多分にネタバレを含む為、作品読了後の閲覧をお勧めします。

少年達のデリケートサマー
 サイト三周年記念作品。番外編、及び番外編2のネタバレを含むため、読了後の閲覧をお勧めします。(同性愛表現含有、18禁)