連載終了記念座談会

サツキ      「おっし、全員集まったな?」

キイチ      「準備できてるよ」

ジュンペー    「こっちもオッケーです!」

イヌヒコ     「あ、やべ、緊張してきました…」

サツキ      「そんじゃまず、皆様方にご挨拶だ!」

一同       『長らくご愛読頂き、まことにありがとう御座いました。Age of skyblue、無事連載完了できました事、深

         く御礼申し上げます!』



サツキ      「ぬははっ!なんかこうやって改めて挨拶するってのも、なんか照れ臭ぇもんだなぁ?」

ジュンペー    「ですねぇ。オレ達、ずっと一人称で状況説明してきたっていうのに…」

キイチ      「それはほら。作中の僕達は一応心中の独白ってスタイルだからね」

イヌヒコ     「あれ?時々読者に話振ってませんでしたっけ?」

キイチ      「う…、鋭いなぁ…。そこはあんまり気にしちゃダメっ!」

イヌヒコ     「りょ、了解でっす!」

サツキ      「まぁどうでも良いさ。管理人の気分次第だったんだしな。それはそうと一応作中からの恒例だからな、

         自己紹介、行くぜ?
俺は阿武隈沙月。東護中三年で、今期(無事)卒業!茶色い被毛の熊獣人で、トレー

         ドマークは胸の月輪だ」

キイチ      「同じく東護中三年で今期卒業の乾樹市。旧姓は根枯村で、そのまた前は森野辺。白い被毛の猫獣人だけ

         ど、最近はちょっと黄色っぽく色がつき始めました」

ジュンペー    「東護中二年、田貫純平。柔道部主将の狸獣人。家は銭湯経営してます。疲れた身体には、まずは染み入

         る一っ風呂!お近くまでお越しの折には、是非狸湯をよろしく!」

イヌヒコ     「東護中一年、上原犬彦。柔道部所属の犬獣人で、犬種は秋田犬です。番外編2最終話では二年生で、柔

         道部主将になってます」

キイチ      「参加者は以上四名だね。それでは、座談会の始まり始まり〜っ!」





  こぼれ話 本編


サツキ      「こぼれ話かぁ…。あれか?ポシャッたアイディアとかか?」

キイチ      「そういう事。まず本編からだけど、サツキ君の浮気エピソードとか?」

サツキ      「うぇ!?いきなりソコ行くのかよ!?」

キイチ      「行かなくちゃ。で、僕もさらっと小耳に挟んだだけで詳しくは知らないんだけど、…浮気相手は誰だっ

         たのかな?」(無表情)

ジュンペー    「イヌイ先輩…、目が怖い…」(油汗)

サツキ      「あ〜…、うん…。いや、そのぉ…、なんつぅかだな…」

キイチ      「拷問されたい?くすぐりの刑で」(無表情)

サツキ      「え?い、いや言う!言うって!だから手ぇワキワキさすのやめろ!」

キイチ      「はい、じゃあキビキビ言うっ!」

サツキ      「…ナギハラ…だよ…」

キイチ&ジュンペー『は!?』

イヌヒコ     「誰ですか?ナギハラさんって?」(ぼそぼそ)

ジュンペー    「サツキ先輩のクラスメートの女子。ピンクのウサギさん…」(ぼそぼそ)

イヌヒコ     「え!?先輩、両刀使いだったんですか!?」

サツキ      「う、うるせぇな!本当は女に興味ねぇんだよ!」

キイチ      「何でナギハラさん?僕、てっきりジュンペー君かイイノ君辺り…、絶対に男子だと思ってたんだけど…」

サツキ      「あ〜、うん。ちょこっと長くなんだけどな?ナギハラのばあちゃん、長いこと入院してんだ。で、あい

         つが気ぃ強ぇの重々知ってるから、このままじゃ嫁の貰い手がねぇって常々言ってるんだわ」

キイチ      「へぇ…、知らなかった…」

サツキ      「まぁあくまでもボツった裏設定だからな。よそでも殆ど喋ってねぇらしいし。とあるトコで「こーゆー

         のちょっと考えてたっス」とか口滑らせた程度だ。
…まぁ、それはともかく…、そのばあちゃんの容態が

         悪くなって、
せめて死ぬ前にナギハラの彼氏を連れて来て欲しい!…とまぁそうなってだな…」

ジュンペー    「あ!替え玉彼氏!?」

サツキ      「そういうこった。だって俺、ナギハラとは確かに仲良いけど、女に興味ねぇし」

イヌヒコ     「エラい!ゲイの鏡ですね!」

サツキ      「…それ、誉めてんのかウエハラ?」

キイチ      「なんだ…。僕、てっきりサツキ君がその気になって浮気する話だったのかと…。疑ってごめんね?」

サツキ      「気にすんなって!…実は、ばあちゃんの前で恋人の証明とかって…、キスシーン予定まであったんだよ

         な…。
おまけに半分ぐれぇ書き上がってたらしいけど…、…こいつは黙っとこう…」


キイチ      「ところで、本編第15話。読んだ?」

ジュンペー    「もちろん!」

イヌヒコ     「15話って…、先輩のタチウケ担当発覚の回でしたっけ?」

キイチ      「うん。「意外!」っていう反応が多かった回ね。でも概ね好評で、意外さを狙った管理人は大喜びして

         たみたい。正直、サツキ君かわいかったし」

サツキ      「前立腺マッサージ初体験の時のかぁ…。照れ臭ぇなぁ!ぬははっ!」

キイチ      「初々しかったねぇ。今では指二本、一気に突っ込んでも平気だもんね?」

サツキ      「え?い、いやぁ、いきなり二本はちょっとカンベン…」(汗)

キイチ      「あの話でウケ確定になったけど、当初は僕がウケ予定だったんだ」

ジュンペー    「イメージ的には確かにそうですよね?」

イヌヒコ     「なんで交代したんですか?」

キイチ      「サツキ君が「ああいう時可愛くなる」設定を決めた際に、「あ、これは面白いかもしれない」って、唐

         突に思ったらしいよ」

サツキ      「また行き当たりばったりな…」

キイチ      「まぁ、僕は現行の方が良いけれどね。サツキ君はどうなの?」

サツキ      「うぇ!?え、えぇと、急に言われても…。そ、そりゃあ、また後でな…」(もじもじ)


キイチ      「あとは37話のボツ?」

サツキ      「俺が本当に受験失敗する話になってたな」

イヌヒコ     「アリかも…。とか思ったのはおれだけでしょうか?」

ジュンペー    「いや、オレも有り得そうだとは思ったよ」

サツキ      「んだとてめぇら!?」

キイチ      「はい、どうどう…。しかもそこから補欠枠に喰らいつく為に猛勉強する話が入る予定だったんだ。その

         為に僕達の同棲も延長でね。でも、結局ああいう形になったわけ」

ジュンペー    「何で切ったんですかね?」

キイチ      「テンポが悪くなるからだって。ただでさえ連載予定話数を大幅に超えてるしね」

サツキ      「同棲は延長あっても良かったよなぁ…」

キイチ      「そうしょげないの。僕達これから寮生活なんだから。ある意味一つ屋根の下だよ」

サツキ      「う〜ん…。せめて部屋まで一緒なら、何も文句ねぇんだけどなぁ…」


キイチ      「あと、本編は当初、全24話予定だったって、知ってる?

ジュンペー    「え?初耳なんですけど…、それだと半分程度で終わっちゃいませんか?」

サツキ      「まぁな。俺、23話で刺されたろ?」

イヌヒコ     「ええ。意識不明になって、入院して…」

サツキ      「おう。んで昏睡状態のまま半年の間目が覚めねぇ予定だった」

ジュンペー    「げ?」

キイチ      「目覚めるまでの間、僕はずっとサツキ君の所に通い続けるんだ。その間に雪が降って、桜が咲いて、こ

         のままずっと目が覚めないんじゃないだろうか?
なんて思い始めた頃にサツキ君が目を覚ます」

ジュンペー    「でも、それって…」

サツキ      「おう。待っててくれたキイチと一緒に、俺はそこから一年後の入試を狙うって話だった。キイチがな、

         「話も出来なかった半年と比べれば、一緒に過ごす一年なんてあっという間だよ」
…って言ってくれたり

         なんかしてな…」

イヌヒコ     「あ、ちょっとイイかも…」

ジュンペー    「それで、何で現行の形にしたんですかね?」

キイチ      「いかにも打ち切りの連載物みたいな終わらせ方だったからだって」

ジュンペー    「い、言われてみれば…」

キイチ      「もう一つあるんだよ。連載前のストーリー仮組の段階での話だけど、あの事件でサツキ君を殺害する計

         画まで練ってたみたい。
これもまた違った結末が用意されていたねぇ…。たぶん、プロトタイプのドロド

         ロ感を引き摺っていたんだろうけれど…」

イヌヒコ     「ひでぇっ!」

ジュンペー    「もしも実現してたら…、非難ごうごうだったろうなぁ…」

キイチ      「まったくだね。管理人自身も、サツキ君にそれほど人気が出るとは思ってなかったみたい」

サツキ      「何にしても、さらっと殺されねぇで済んで良かったぜ…」





  こぼれ話 番外編


ジュンペー    「それじゃあ番外編(憧れの先輩)ですね。長いんでもう「アコセン」とか略しちゃいます?」

サツキ      「何でも略すな!…って言いてぇトコだが、好きにしろよ。どうせ連載終わってるし」

キイチ      「アコギな先輩の略みたい…」

ジュンペー    「しょぼぉん…。ま、まぁ気を取り直して…、ゲスト呼びますね。ダイスケ、良いよ〜!」

ダイスケ     「お、おじゃまします…。えっと、球磨宮大輔(くまみやだいすけ)、南華中二年で、黒熊…。こんなん

         でも、一応柔道部主将っす…。よろしく…」

キイチ      「あれ?何か堅い?」

ダイスケ     「えと…、ちょっと緊張して…」

サツキ      「楽に行け楽に。そんな堅ぇ席じゃねぇんだからよ」

ダイスケ     「はぁ…」

ジュンペー    「じゃあさっそく本題。僕の視点のこのアコセンですが、そもそも当初は連載予定なんか無くて、管理人

         が思いつきでネタを捻った作品なんですよね」

キイチ      「うん。気合入れて作り込んで、自分でも気に入ってたジュンペー君を、どうにか日なたに出したかった

         んだってさ」

サツキ      「で、いざ書き出してみたら、これが結構自分でも夢中になって書けたとかなんとか…。愛されてんなぁ

         ジュンペー!」

ジュンペー    「いやぁそれほどでも!…で、当初はこの話、大体15話辺りで完結する予定だったんですよ。オレが先

         輩に告白して、それでフラれてエンド」

イヌヒコ     「え?救済策は?」

ジュンペー    「一切無し!笑顔でサヨナラなエンディング」

キイチ      「じゃあダイスケ君は?」

ダイスケ     「当初は登場予定無かった。方針変更した時に今の形にする事が決まって、そこから本格的に設定とか、

         他のメンバーとの絡みが決め直されたんだ。
それまでチラっと名前だけ出てたけど、あくまでも他校の生

         徒って感じで、
ジュンペーとペアにする予定とか、キイチ兄ぃとの関係とか一切決まって無かった。こっ

         ちのシナリオが改変された時に、鈴木家との絡みも含めて、
改めて今のオイラの設定が作られたんだ」

サツキ      「相当難産だったらしいなぁ、ダイスケは。…っつうか、なんだよ…。最初はジュンペーの事、放り出し

         て終わらすつもりだったのか?
ひでぇヤツだなぁ管理人!」

ジュンペー    「「恋愛ってのはそう甘い物じゃないっス!」…とか言ってましたね」

キイチ      「う〜ん…、一理あるなぁ…」

ダイスケ     「でもこの作品(AOS全体)は、バックグラウンドは重いけど、結末は大甘にしよう…。とか、連載途中

         で思ったらしい」

イヌヒコ     「辛いんだか甘いんだか…、微妙なライン…」

サツキ      「基本的にジュンペーにゃあ甘いんだよ。あいつぁ…」

ダイスケ     「…そういえば、ジュンペーってけっこう良い目見てたりしてたかも…?」

ジュンペー    「え?いや、それはまぁ…、えへへへへっ!」

イヌヒコ     「先輩への夜這い未遂事件とかありましたしねっ!」

ジュンペー    「えっ!?や、やだなぁ!それは言わないでよぉ!」

サツキ      「今になって思えば、知らなかったとはいえ無茶苦茶無防備だったよなぁ俺…」


ジュンペー    「で、もう一つのこぼれ話ですが、ダイスケって実は、ボツにした他のシリーズ用にデザインしていた主

         人公の設定を弄って、引っ張ってきた…んだよね?

ダイスケ     「うん。AOSより少し上の年代の話のヤツ」

イヌヒコ     「あ、おれソレ知ってます。コマ兄ちゃんの話」

ダイスケ     「うん。オイラと上原狛彦(こまひこ)さんの、キャンパスライフの話だった」

キイチ      「へぇ…。なんでウエハラ君は設定流用しなかったんだろう?」

ダイスケ     「同じ秋田犬だけど、性格も見た目も違ったんだ。コマヒコさんは大柄で、大人びてて、紳士的。いっこ

         下のオイラを可愛がって、甘えさせてくれる優しいお兄さんみたいな人。
短編、「ツートンカラー」のナ

         ガサワさんに近い性格かも?
の短編には、そのボツになった話の設定が色々盛り込まれてるみたいだし」

イヌヒコ     「…そりゃまぁおれは小柄でガキっぽくて紳士的でもないですよ…」

ダイスケ     「あ、ゴメン…!そんなつもりじゃ…!」

ジュンペー    「まぁまぁ!ウエハラも魅力的だよ、十分に!」





  こぼれ話 番外編2


イヌヒコ     「はい、では番外編2(友達を越えて)ですが…、略すと「トモゴエ」?」

サツキ      「ウエハラ。ジュンペーの馬鹿なトコは真似しなくていいんだぞ?」

イヌヒコ     「は、はい…」

ジュンペー    「馬鹿って言われた!あのサツキ先輩に馬鹿って言われた!」(泣)

キイチ      「心中お察しするよ…」(涙)

サツキ      「何なんだお前ら!?…っと、ウエハラ、脱線する前に続けてくれ」

イヌヒコ     「あ、はい。えぇと…、じゃぁまずゲストを…。ゲン、出番だぞ!」

ゲン       「は〜い!おじゃまします〜。小牛田元(こごたげん)、東護中一年生の黒牛で、柔道部所属です。番外

         編2最終話では、イヌヒコと同じく二年生で、副主将になってます〜」

イヌヒコ     「おれ達の方は、連載開始後の変更点は殆ど無しです」

ゲン       「そうだね。ただ、連載開始前のストーリーを練り込む段階で、設定が大きく変りました」

サツキ      「へぇ、どんな風にだ?」

イヌヒコ     「おれがゲイで、ゲンに惚れる話でした」

キイチ      「それはまた…、180度変ったねぇ…」

イヌヒコ     「それはもう!おれがゲンに無理矢理迫るシーンとかありましたから!」(何故かガッツポーズ)

ゲン       「………」(赤面)

ジュンペー    「それはそれで、参考までに見たかったかな…」

イヌヒコ     「何の参考ですか…?まぁけど、結局は今の形になったわけです」

サツキ      「そりゃまた何でだ?」

イヌヒコ     「それはですね…、本編も番外編も、そのケのある側の視点じゃないですか?」

キイチ      「最初の頃の僕は違うけどね?」

イヌヒコ     「…い、言われてみればそうでしたね…。主導権がネコムラ先輩にあるからつい…。で、まぁとにかく!

         そのケの無い方からの歩み寄り、これを書きたくなったようです。
当初予定していた、気弱な方が強気な

         方にコクられて押されて流されてイタダカレて…、
っていうのはまたの機会にと涙を飲んだとか…」

キイチ      「涙を飲む程…?」

サツキ      「もしかして…、本当はそれが書きたかったのか…?」

ゲン       「そうみたいです…」

イヌヒコ     「あ、それともう一つ…」

ジュンペー    「まだ変更点が?」

イヌヒコ     「いえ、変更点では無いんですが…」

サツキ      「ねぇけど、何だ?」

イヌヒコ     「…おれ、連載前半は自分でも驚くほど人気無かったです…。ゲンにはファンが居たっぽいのに、おれは

         ほぼゼロっぽかったです…
ゲンが可愛いとか、可哀そうっていうリアクションばっかりで…」

ゲン       「え?そ、そんな事…無いと思うよ…?」

キイチ      「う、うぅ〜ん…。き、きっと居たんだよ!黙ってただけさ!」

イヌヒコ     「そうでしょうか…?」(どよぉん…)

サツキ      「ウケねぇのかな?こいつのキャラ…」(ぼそぼそ)

ジュンペー    「さ、さぁ…?どうなんでしょう?」(ひそひそ)

キイチ      「でも、中盤以降は結構共感してくれてた人も居たみたいだし…」

イヌヒコ     「それでもゲンの方が人気ありましたけどね…、ははっ…」(自嘲)

ゲン       「い、イヌヒコ。ぼくはイヌヒコが大好きだよ?ね?元気出して?」

ジュンペー    「…ウエハラ、こんなネガネガしたキャラでしたっけ?」(ひそひそ)

サツキ      「俺に訊くなよ…!」(ぼそぼそ)





  こぼれ話 スピンオフ


サツキ      「こっからはスピンオフの分だな。んじゃイイノ、オジマ先輩、よろしく頼むぜ」

マサユキ     「了解。飯野正行(いいのまさゆき)、元東護中柔道部主将の猪です」

ユウヤ      「尾嶋勇哉(おじまゆうや)だ。東護中OB、私立醒山学園柔道部所属の虎だ。…済まんが、気が散る。

         二人だけでやらせてくれ」

イヌヒコ     「え?えぇ〜!?おれも先輩方の話、聞きたいですよぉ!」

サツキ      「まぁなぁ、やらせてやろうや。ギャラリーが居るとやり難いんだよ先輩は。ぬはは!んじゃまぁごゆっ

         くり、お二人さん!」

ユウヤ      「…ふぅ…。では、始めるかマサ」

マサユキ     「うん。さて…、ここからは全部で5つになったスピンオフについてだけれど…」

ユウヤ      「ああ。本編、番外編などで語れなかったエピソードを、サブキャラクター視点で送ったシリーズだな」

マサユキ     「第一弾は我らが恩師、木田利恵(きだとしえ)先生の視点。校医の美倉春臣(びくらはるおみ)先生と

         のクリスマス直前のエピソードだね」

ユウヤ      「…意外に、キダ先生も悩みを抱えていらっしゃったようだな…」

マサユキ     「だね。コンセプトは「スマートでピュアな大人の恋愛」。AOS唯一のノーマルな絡みだね」

ユウヤ      「…考えてみればそうだ…」

マサユキ     「これとオレ達のエピソードが、スピンオフ中で最も早い時期に書かれた作品だね」

ユウヤ      「設定時期が時期だけに、それぞれ本編が進むまで掲載を見合わせていたらしいな」

マサユキ     「二つ目のスピンオフはコゴタ視点のクリスマス。これで各カップル全部のクリスマスが出揃った」

ユウヤ      「…俺達のクリスマスは…無かったな…。何故だ?」

マサユキ     「だって、ユウヤ大晦日まで帰ってこなかったじゃない」(笑顔。でもこめかみに青筋)

ユウヤ      「うっ!?…す、済まん…!」

マサユキ     「まぁ良いけれどね。今年からは一緒に過ごせるんだし。い〜っぱい、甘えさせて貰うからね?」

ユウヤ      「…あ、あぁ…」(赤面)

マサユキ     「さて脱線する前に…。第三弾はサブキャラ中で恐らく最も人気があるクマミヤ君。妙に可愛いと好評ら

         しい」

ユウヤ      「これは番外編のタヌキの失恋前後のエピソードだな」

マサユキ     「うん。タヌキがアブクマに告白する直前から、番外編19話の告白までを、クマミヤ君視点で綴った話

         だね」

ユウヤ      「このスピンオフは本筋と読み比べて欲しかったらしいな」

マサユキ     「みたいだね。タヌキ同様、クマミヤ君にも告白までの葛藤があったのを書きたかったんだって」

ユウヤ      「次は四つ目…、俺達の話か」

マサユキ     「さらっと読み返すと、ハズぃね…」(汗)

ユウヤ      「………だな………」(赤面)

マサユキ     「アブクマとか、あれだけの話数、私生活の中までバラされまくって平気なのかな…?」

ユウヤ      「忘れてく生き物…なんだろう…」

マサユキ     「この話にはシリーズ外からゲストが出演してるんだよね。大和直毅(やまとなおき)先輩」

ユウヤ      「ワードでばら撒いた未掲載の短編シリーズからだな。あっちより若い」

マサユキ     「掲載する気無いのかな?」

ユウヤ      「短編を書けそうにない月の為にストックしているらしい」

マサユキ     「…じゃあそろそろヤバいんじゃない?」

ユウヤ      「ヤバいのは毎月の事だがな…」

マサユキ     「ごもっとも…。さてラストは、ナンバリングは0になるけれど、この座談会と同時掲載のイヌイの話」

ユウヤ      「時間軸で言うなら、本編よりもさらに前の話だな」

マサユキ     「うん。だからナンバーを0にしたらしいよ」

ユウヤ      「この黒牛は…」

マサユキ     「作中では名前が出てこないけれど、コゴタだね。似た状況でウエハラを庇った行為の根底には、この時

         にイヌイに守って貰った体験が根ざしてるんだ」

ユウヤ      「直接の面識は無かったが、良いヤツ、だったんだな…」

マサユキ     「うん…。あいつが居たから、今のアブクマがあるんだね…。ちなみに、コゴタはこの時に自分を守って

         くれたのが、話に聞くアブクマの親友だって事に気付いてない。イヌイ自身も他の誰にも話していないか

         ら、決して表に出ない話。善行が表に出ない、誤解されがちだったイヌイの、これも一つのエピソード…。

         さて、駆け足でやってきたけれど、これでオレ達の仕事は終わり。そろそろ担当に戻そうか?」

ユウヤ      「ああ。…やはりこういうのは苦手だ…。肩が凝った…」

マサユキ     「はは。後でマッサージしてあげるよ…!」

ユウヤ      「…ん…」(赤面)





  残された伏線


サツキ      「さてと、残り少ねぇけど、こっからはまた俺達の担当だ。…で、伏線かぁ…」

ジュンペー    「はいは〜い!イヌイ先輩にしつも〜ん!」

キイチ      「うん?何?」

ジュンペー    「イヌイ先輩の夢って、結局何なんですか?進学する高校もそれのために決めてるみたいな事言ってまし

         たよね?」

キイチ      「うん。でも、それはまだ言えなかったんだ。だからサツキ君もまだ知らない」

サツキ      「おう。言いたくなさそうだったからな。俺も詳しく訊いた事はねぇ」

ジュンペー    「えぇ〜?気になるなぁ…」

イヌヒコ     「尻尾に触ると毛を逆立てて怒るっていうのも?」

キイチ      「うん。まぁトラウマが原因なんだけどね。それもまたいつか…」

イヌヒコ     「いつかって…、連載終わったのに…」

ジュンペー    「あと、ミヅキって誰なんですか?名前しか出てきてないですけど…」

サツキ&キイチ  『そ、それは…』(どよぉん)

ジュンペー    「あ、あれ?聞いちゃいけない事でした?」(汗)

サツキ      「まぁ、ミヅキの事も、おいおいな…」

イヌヒコ     「おいおいって…、語る機会がもうここしか無いじゃないですか!?」

サツキ      「ん?あぁ、その事なんだけどよ…」





  次期連載作品予告!(断片的)


「は…」

アブクマ君がガタンと椅子を倒して立ち上がった。

「廃部ぅ!?」

向かいに座ったぼくの顔を見つめたまま、彼は呆気にとられたような顔をした。

「まだ決まった訳じゃないけれど、そうなる公算は高いんだ…」

「な、何で廃部になるんすか!?」

納得が行かないのだろう。アブクマ君は興奮したように身を乗り出す。

怒っているわけでもないのだろうが、体が大きいせいで物凄い迫力だ…!

気圧されたぼくは、思わず仰け反るように身を引いてしまう。

「ぶ、部の存続条件を満たせないかもしれないんだ…」

「サツキ君、少し落ち着いて。まずは話を聞かなくちゃ」

イヌイ君が肘で脇腹を小突くと、アブクマ君は「ぐぅ…」と呻いて椅子を立て直し、どすんと腰を下ろす。

不機嫌そうに身じろぎした彼の下で、重みを受けた椅子がギシッと悲鳴を上げた。

「…冗談じゃねぇ…。柔道やるって、キダ先生や皆と約束したんだ、それなのによ…」

途方に暮れたような顔で、アブクマ君は小声で呟いた。

「その存続条件というのを満たさないと、廃部になってしまう。そういう事なんですね?」

イヌイ君の問いに、ぼくは頷く。

「つまり、その条件さえ満たせれば、廃部にはならない。だから廃部が決まったわけじゃない。そうですよね?」

重ねられた質問に、ぼくは再び頷く。

「まだ決まった訳じゃないんだ。元気出して、ね?」

そうイヌイ君が声をかけると、アブクマ君は黙って頷いた。





「待てよ」

頭上から声がかかり、ボクは足を止める。振り向くと、目の前に大きな熊の顔があった。

熊獣人は腰を折ってグイッと身を乗り出して目を細め、何やら喉の奥で唸りながら、ボクの顔を鼻先が触れそうな程間近で

見つめている。近い近い!

思わず仰け反ったボクの顔を、熊獣人は身を乗り出し、執拗に見つめる。

 もしかして気分でも害しただろうか?

気付けば教室中静まりかえり、皆がボクらの方を見つめている。

 皆が息を押し殺している静かな教室の中で、熊獣人の微かな唸り声だけが聞こえている。

「…おい」

熊獣人は、ボクの顔をじっと見つめながら口を開いた。

「お前、ウッチーじゃねぇか?」

…は?

呼ばれることの無くなって久しい、ボクが父の転勤先、東北の方に住んでいた頃の、昔のあだ名…。

 何故、この熊獣人はそのあだ名を知っているのだろう?

「やっぱりそうだ!お前宇都宮だろ!?懐かしいなぁおい!」

熊獣人はニカっと笑みを浮かべると、ボクの肩を掴んでがくがくと揺さぶった。

その笑顔を見た途端、ずっと昔、小学校の頃の事を思い出した。

「知り合いなの?」

クリーム色の猫獣人が大熊に尋ねる。

「おう!昔引っ越してってそれっきりだったけど、まさかこんな離れたトコで会えるとはなぁ!」

大熊は猫獣人に応じつつ、ボクの肩を掴んだまま、嬉しそうに笑っている。

もしかして…、いや、間違いない、この熊…!

「ブーちゃんなのか!?」

驚きながらそう尋ねると、熊獣人は苦笑いした。

「そういや、そんなあだ名もあったっけなぁ」

猫獣人は首を傾げている。

「ブーちゃん?」

「おう、アブクマのブを取ってブーちゃん。…と言いてぇとこだが、実際にはデブだったからブーちゃんだな」

大熊…、アブクマがそう言うと、クラスのあちこちからクスクスと押し殺した声が漏れた。





ジュンペー    「な、何ですこれ!?」

イヌヒコ     「もしかして続編!?聞いてないしっ!」

キイチ      「うん。極秘だったからねぇ」

ジュンペー    「って…、これ、誰の視点です?二つとも先輩方じゃないですよね?一体何者だウッチー!?」

キイチ      「それはヒミツ。読んでのお楽しみ、かな?」

サツキ      「舞台は北陸、日本海に面したとある町にある私立校、星陵ヶ丘高校!ラブラブの寮生活が俺達を待って

         るぜ!なぁキイチ!?」

キイチ      「え?そうなの?どうなんだろう?」

サツキ      「言っとけ!ここで言っとけば管理人も引っ込みつかなくなんだろ!?」

キイチ      「そ、そうかな?」

ジュンペー    「あの、それってオレ達の出番は?」

サツキ      「ん?俺はなんも聞いてねぇぞ?」

ジュンペー    「ええ!?冷たいですよブーちゃん!」

サツキ      「ブーちゃんゆうな!」

イヌヒコ     「地元から離れちゃいますからねぇ…、どうなんでしょう?それに、廃部がどうとか穏やかじゃない事に

         なってるような…」

サツキ      「うぉおおおおお!?そうだったぁああああ!」

キイチ      「まぁ、最後まで諦めずに抵抗を続けようか…」

イヌヒコ     「え?旗色悪いんですか?」

キイチ      「う〜ん。…微妙?」

サツキ      「負けねぇぞ!性悪管理人の意地悪なんかにゃ負けねぇからな!って訳で…、時期連載予定作品、鋭意構

         想中!…らしい。乞うご期待!」





    御礼のご挨拶っ!


サツキ      「っとまぁ、余計な事までくっちゃべったが、そろそろシメだな」

キイチ      「そうだね。予想以上の長期連載になっちゃったけれど、ちゃんと読者の皆さんに楽しんで頂けたかなぁ?」

ジュンペー    「だと良いですねぇ。オレは楽しかったですよ〜!」

イヌヒコ     「おれは何だかちょっと恥かしいんですけど…。色んなトコ見られたし」(赤面)

サツキ      「ぬはは!一番の事情通は読者の皆様ってこった!シンジョウ以上になっ!」

キイチ      「そのとおりだね。あんな姿やこんな格好まで、ぜ〜んぶ見られちゃってるんだから!」

サツキ      「さぁて、最後の最後、本当のシメだ!揃えて行くぜ!?」

一同       『長らく当作品をご愛読頂き、まことにありがとう御座いました。皆様の温かいご声援と数々のご助言、

         お言葉に、心より御礼申し上げます!
それでは皆様方、またお会いできるその日までっ!』






















イヌヒコ     「うひゃー!やっと終わったぁ〜!」

ジュンペー    「お疲れぇ〜!いやぁ、結構緊張するもんですねぇ…」

キイチ      「ふふ、そうだね!さぁ、帰ろうか!新学期も始まっちゃうし、色々忙しくなるよ!」

サツキ      「おう!っとその前にだ…。帰り、ラーメンでも食ってかねぇか?ダイスケとコゴタ呼べよ。イイノとオ

         ジマ先輩も誘ってこうぜ!
こっから先は、俺達だけで打ち上げ!どうだ?」

一同       『賛成〜!』