ムクゲ   「そろそろ時間だ。アピールして行こう」

トラジ   「あ?何が?」

ムクゲ   「新入部員を確保するための新春アピールだよ。今年度はもう残り僅かで、新しく部員が入ってくれる可能性は
      いよいよ低くなった」

ケンゴ   (流石っつぅが何つぅが、まだ諦めでねぇどごがとことんムクちゃんだどな…)

ムクゲ   「そこで、来年は新入部員がたくさん入って部内で紅白対抗野球勝負ができるように…」

トラジ   「おいおい随分多いな?22人かよ」

ケンゴ   「18人だでば…」

ムクゲ   「というのは冗談だけれど」

トラジ   「冗談かよ」

ケンゴ   (ムクちゃん真顔で冗談言うし本気で冗談みでぇなごど言うがら判り辛ぇどなぁ…)

ムクゲ   「できれば瑞鳳相撲部の半分くらいが理想だけれど、最低でも団体メンバー枠が埋まる二名は入って欲しいね」

ケンゴ   「うん!新年度は団体枠埋めでぇね!瑞鳳さんの半分は無茶だげっと…。ってが最低人数ど理想人数の差が…」

トラジ   「あそこの半分だと何人だ?」

ケンゴ   「25人で約半分だっちゃ」

トラジ   「…そんな居たっけか…?」

ケンゴ   「んもぉ!お世話んなってんだがら部員数ぐれぇ覚えらい!」

ムクゲ   「ア・バオア・クーに君臨する宮義最強の相撲部に打ち勝ちに行こう。…今年の抱負はこれでゆこうか」

トラジ   「青葉区だア・オ・バ・ク」

ケンゴ   (部員三人の相撲部の抱負どは思えねぇべ…)









2017新春記念座談会
  
白滝農林相撲部活動宣伝会









ムクゲ   「では、司会を始める前に自己紹介と行こう。白滝(しらたき)農林高等学校農業技術科一年四組、円谷槿
      (つぶらやむくげ)。オールドイングリッシュシープドッグ。主な出没場所はふうりんシリーズ、「あさがほ」」

トラジ   「一年三組、明方寅治(あけがたとらじ)。虎だ。所属は上に同じ!」

ケンゴ   「一年三組、氏峰牽牛(うじみねけんご)。ホルスタイン。オラも同じ」

ムクゲ   「とにもかくにも、せっかく機会を頂いたんだ。僕らは白滝農林相撲部が存在し、活動している事実を県内外に
      アピールしなければいけない。ついでに今後の予定や新春記念作品の紹介もしなければならない」

ケンゴ   「そいづ、本当はアピールの方がついで…」

ムクゲ   「それじゃあ…、ケンゴ君。アピールよろしく」

ケンゴ   「え!?何でオラさ振んの!?ムクちゃんだべっちゃ適任は!?」

ムクゲ   「……………え?」

ケンゴ   (今「え?」って言った!?何言わいでんのがわがんねくてすげぇ間ぁあげで「え?」って言った!?)

トラジ   「何だよ?アピールする内容とか決めてねぇのかケンゴ?」

ケンゴ   「トラちゃんまで何でオラの仕事だど思ってんの!?」

ムクゲ   「仕方がない、アドリブで行こう。それでもいいかい?」

トラジ   「ああ、任した」

ケンゴ   「まがします…」

ムクゲ   「では…、コホンッ。僕らが籍を置く白滝農林相撲部は部員が少なく、顧問の先生は近寄ろうともせず、あまつ
      さえ道場の寿命も近い。この窮状、慣れてくると何もかも足りないのが何だかちょっと楽しくなって来るのは一
      種のランナーズハイみたいな物かもしれない。ただし悪い事ばかりじゃあ、ない。合宿ではトラジ君の家から新
      鮮な魚介類のお造りや、毛ガニ汁をはじめとする磯の汁物、珍味などが提供され、ケンゴ君が新鮮な野菜や果物
      を持参した上でプロと遜色ないハイクオリティな食事を作ってくれる。浴室にはシャワーしかないし、ちゃんこ
      場の畳は毛羽立っているし、寝床は狭いし空調は悪いし窓は風で煩く揺れるけれどそれもまたわびさびが感じら
      れて、いい。とりあえず僕らが並べられる飴玉はこれぐらいしかないけれど、是非、白滝農林へ足を運び、相撲
      部の稽古風景を見学してみて欲しい。そして流れるように体験入部してみて欲しい。あわよくばそのまま入部し
      て欲しい。部員の他にも、マネージャーにパトロンなど随時募集中だ。差し入れも大歓迎だけれど、納豆だけは
      ノーサンキュー」

ケンゴ   「正直だべ…」

トラジ   「だな…」

ムクゲ   「お互いに行き来できる稽古相手校も随時募集中だ。部費が乏しいから近場だとなお、いい。安価な公共交通機
      関による日帰りが不可能なほど距離がある場合は宿泊施設の貸し出しなどがあると嬉しい。こちらが提供できる
      宿泊環境は前述の通りなので贅沢は言わないけれど、近場に夜食を確保できる24時間営業のコンビニかカップ
      麺の自販機があると夜中に空腹で切なくならなくて済むからケンゴ君がとても喜ぶ」

ケンゴ   「そごはそんな大切な事でねぇがら…。夜食は持参すっからいがす…」

ムクゲ   「そして、我が白滝農林ではアニソンをゴスペルっぽく歌う研究部、UMA探索倶楽部、オチケン、UMA探索
      倶楽部などがウチと同レベルの苦境に立たされている。彼らもまた悲痛なまでの切実さで絶賛参加者募集中だ」

トラジ   「UMA2回言ってんぞ。あと他のトコまで紹介すんなよ、そっち行っちまったらどうすんだ?」

ケンゴ   「アニソンゴスペル部どがウヂにもあんだね…」

ムクゲ   「ゴスペルは、いい。それはそうと、司会の役目を果たしにかかろうか」






1・今後の予定について

ムクゲ   「現時点で草稿まで書き上がっているのが「あさがほ」一本、「VigilanteAAアンバーストレイジ」三本、「益荒
      男備忘録」が
0.6本といったところらしい」

ケンゴ   「0.6…?」

ムクゲ   「カクタ君の所のはこちらと違って短編集だから、半端になるね」

トラジ   「じゃあサクサク行けんじゃねぇか?」

ムクゲ   「いや、年明けから既に予定が詰まり気味で、優先すべき物が溜まっているそうだ。気分転換や休憩で清書して
      行く格好になるから、どうにも不定期になりそうで見通しは既に怪しい」






2・2017新春記念作品

ムクゲ   「続いては、新春記念作品を紹介しよう」

ケンゴ   「下のリンクがら移動でぎっから、見に行ってけさいん!ただ、行った先がらこごさけって来るリンクはねぇが
      ら、こっちさ戻りてぇどぎはブラウザの「戻る」どがば使ってけらいね!」

トラジ   「リンクって何だ?ブラウザって?」

ムクゲ   「説明しよう。ただし後で」

トラジ   「ああ」

ムクゲ   「「その他の作品」内にもタイトルが表示されている。場所は「弱肉強食」と「唯我独尊」の下、「ツングース
      カ☆インパクト」の上だね。後から読む場合はそちらから直接探した方が手っ取り早いと思うよ。それでは…」

 

諸行無常

 

トラジ   「あ~…」

ムクゲ   「実に、青春だね」

トラジ   「これ読んでその感想かよ」

ムクゲ   「実はまだ読んでいない。当てずっぽうだよ」

トラジ   「何で読まねぇんだよ?オレらが読んでる間なにやってたんだよ」

ムクゲ   「ミカンを食べていたよ」

トラジ   「そうかよ」

ムクゲ   「ふたりの反応を見て、正月気分をこそげ落とすような毒が無さそうだと確認できたら読もうと思ってね。用心
      に越したことは、ない」

トラジ   「そうかよ…」

ムクゲ   「それで、どうだったんだい?」

トラジ   「新年から読むようなモンじゃねぇな…。見ろよ、ケンゴのへこみっぷり」

ケンゴ   「……………………………………………………」

ムクゲ   「…これは…相当だね…。大丈夫?ミカン剥く?」

ケンゴ   「…いい…」

ムクゲ   「気を取り直して、次は…」






3・円谷槿の「探してみよう身近なUMA

ケンゴ   「やめらい!」






3・辻室茜の「ツジムロ厳選!オススメ映画(サメマシマシ)」

トラジ   「おいやめろ!」






3・ひとよんでラブリーヒーロー、麗しのセイザンエンジェルことアカシ・ザ・ナミヘイの「ファンのみんなにだけ教えちゃう俺のヒミツ100選(自選)」

三人    『…誰?』






3・締めの挨拶

トラジ   「おい、いい加減に…」

ケンゴ   「あ。今度は合ってだ…」

ムクゲ   「では締めの挨拶といこう。…ではケンゴ君」

ケンゴ   「え?」

ムクゲ   「挨拶だよ」

ケンゴ   「何でオラなの!?」

ムクゲ   「ケンゴ君の訛りは管理人のソレに近いからね」

トラジ   「おお、そういう事なら今度こそおめぇが適任だな!」

ケンゴ   「えええええええ…」

ムクゲ   「考えるな。演じるんだ。では、3、2、い…」

ケンゴ   「まままま待って!待ってでば!まだ気持ぢ準備できてねぇがら!」

トラジ   「じゃあまず深呼吸だ!」

ケンゴ   「す~…、は~…」

ムクゲ   「大丈夫?お尻叩く?」

ケンゴ   「…いい…」

ムクゲ   「では、321はい」

ケンゴ   「早っ!?

      え、え~…!昨年中、ぜぇごったろが趣味で書ぎ殴ったモンが並ぶ、ごしっぱらやげるくせいぎぐりいづい
      ドいながサイトさ足はごんでけだ皆々様、まっこどありがどうございました!
       こどしもおもせぇ話かだれるように気張ってぎます!やんだぐなるまでお付き合いいだだげれば幸いです!
       春もまだまださぎ、寒さもしばし続ぎますから、たっぷりほどって!美味ぇモン食ってづよつけで!風邪引が
      ねぇように気ぃ付けでぎましょ!んではっ!

どうだべ?」

ムクゲ   「………」

ケンゴ   「…あ、あれ?オラ何かヘマしたべが…?」

ムクゲ   (こっちの方言にもだいぶ慣れたつもりだったけれど、四割がた何を言っているのか判らなかったな…。僕と話
      をする時は結構気を遣ってくれているのかもしれない…)

トラジ   「いや、良いんじゃねぇか?」

ムクゲ   「うん。良かったよ。…さて、これにて僕らはお役御免だ。早速八百屋歌留多に戻るとしようか」

トラジ   「やだよ。おめぇカルタ強過ぎんだよ。ってか速過ぎんだよ」

ムクゲ   「カクタ君ほどじゃあないんだけれど…。じゃあ、羽根突きで再戦しようか?」

トラジ   「オレの顔見ろ!もう黒く塗れるトコねぇだろが!」

ムクゲ   「大丈夫、まだやれる。白目と歯は無傷、まだ塗れる」

トラジ   「…そりゃあ、冗談言ったつもりか?」

ムクゲ   「いや、真面目に言ったんだけれど…」

トラジ   「なお悪ぃ!もうやらねぇぞおめぇと羽根突きなんぞ!」

ケンゴ   「正月遊びも良いげっと、ふたりともそろそろ遊び疲れだっちゃ?正月料理ばっか続いで飽ぎだべがら、中華が
      洋物でもこさえっから飯にすっぺし」

ムクゲ   「そうかい?…じゃあ、お言葉に甘えて休むとしようか」

トラジ   「異議なし!」