とらいぶ!二周年特別企画
夏だ!ビーチだ!納涼バトルロイヤル!
(例によって野郎ばっか)

エイル       「それではこれより…、とらいぶ!二周年記念特別企画、「夏だ!ビーチだ!納涼バトルロイヤル!
          (例によって野郎ばっか)」を開催するであります。司会は自分、エイル・ヴェカティーニと…」

シンジョウ     「私、新庄美里(しんじょうみさと)のコンビが、烏丸コンツェルン所有の小島に設けられた、この特
          設会場よりお送り致します!」

エイル       「今回のスポンサーにはブルーティッシュとシルバーフォックスグループに加え、四大財閥も名乗りを
          上げて頂けているでありますので、昨年とは規模も待遇もダンチであります」

シンジョウ     「…この見渡す限りの砂浜も、それを見下ろす豪華なホテルも、豊かな自然を満喫できる森林公園も、
          全てが関係者用リゾート地なんですねぇ…。どれだけの規模?さすが烏丸コンツェルン…」

エイル       「それにしても、まさかのコンビでありますね。司会」

シンジョウ     「まさかかしら?」

エイル       「まさかでありましょう。さて、本日でこのサイトが出来て丸二年であります」

シンジョウ     「ええ、丸二年経過…、良く保ったわねホント。昨年、一周年記念書いてた頃は、「たぶん来年の今頃
          までには、保たずに投げ出してるっスねぇ…。んははははっ」とか他人事みたいに言っていたみたいだ
          けど、あの管理人は」

エイル       「書きたい物があっても、でありますか?」

シンジョウ     「書く気力が続かないか、飽きるかすると予想していたそうよ。飽きっぽいから、あのひと」

エイル       「飽きっぽい割に「ポテチは一枚ずつ口に入れる」など、下らない事にはとことん固執、執着するであ
          りますが…」

シンジョウ     「え?一枚ずつ食べない?普通」

エイル       「纏めて噛み砕くのが通であります。惜しむように一枚ずつ食べるのは貧乏臭いであります」

シンジョウ     「そういう物かしら。ユリカの食べ方って割と多数派…?って、どこまでも脱線して行きそうなのでこ
          の辺りで本筋に…」

エイル       「脱線結構。人生、時には寄り道も必要であります。あの有名な機関車Tさんも、敷かれたレールの上
          を走ってばかりでは気が滅入るはずであります。新幹線さん達も同様でありましょう」

シンジョウ     「ノゾミちゃんやヒカリちゃんもかしら?」

エイル       「コダマ君もきっとそう思っているであります」

シンジョウ     「はっ!いけないいけない、また脱線!」

エイル       「脱線結構。人生、時には回り道も…」

シンジョウ     「…エイルさん。もしかしてあまり司会に乗り気じゃない?」

エイル       「忌憚なく述べれば、「貧乏くじ引かされた」気分であります」

シンジョウ     「…頼むから頑張って。私も頑張るから。脱線ばっかりしてても終わらないからこれ」

エイル       「了解であります。では、ちゃちゃっと進ませて解放されるでありますよ」

シンジョウ     「コホン…。え〜、お待たせ致しました!それでは参加チームの紹介、行ってみましょう!」

エイル       「第一のチームは、Vigilanteシリーズより参戦のチーム、「ザ・ヴィジランテ」であります。…そのま
          んまであります…」

シンジョウ     「メンバーは愛すべきメタボ白熊、アルビオン・オールグッド君。赤銅色の巨熊、神代勇羆(くましろ
          ゆうひ)さん。ぽってりふさふさ狐(?)、山岸望(やまぎしのぞむ)君です!合計体重は今大会最重
          量!超大型チームです!」

エイル       「ヤマギシさんはあまり大きくないでありますが?」

シンジョウ     「でも体重の方はかなりイッちゃってるわよ?…さて、後で訊かれそうなのでそれぞれの水着も解説し
          ましょう。アル君、ノゾム君はそれぞれブルーとグリーンのおそろいトランクスですが、ユウヒさんは
          勝負下着なのか…、あ…赤い…褌です…!」(赤面)

エイル       「六尺褌でありますね。では、それぞれにインタビュー、行ってみるでありますよ」

シンジョウ     「では、それぞれ参加の動機や意気込みなど…、まずはオールグッド君、どうぞ」

アル        「どもっス…。えっと、リーダー命令で参加っス。…ホントはあのひとも出るはずだったっス…」

エイル       「業務命令でありましたか…」

アル        「一応特勤手当て出るっス…。まぁせっかくっスから、思いっきりやるっスよ!オレ泳ぐのは得意っス
          から、種目によっては結構頑張れると思うっス!」

シンジョウ     「お、頼もしい発言!…今回は競泳種目無かったような気もするけど…。それでは続いてユウヒさん、
          どうぞ」

ユウヒ       「河祖下村水練愛好会代表として参加させて頂く事になった。よろしく」

エイル       「自発的参加だったのでありますか?」

ユウヒ       「…いや…。個人的には前回…その…色々あって懲りていたのだが…、実は愛好会会長であるヤギの爺
          やが勝手に応募を…」

シンジョウ     「ちょっと意外…。ユウヒさんに黙って勝手に行動するひとが河祖下にいるなんて…」

ユウヒ       (渋面で首の後ろを掻きつつ)「爺やは…今でこそ隠居の身なれど…、某にとっては教育係でもあり、
          もう一人の親のような存在でもあってだな…。恥ずかしながら、未だに逆らえぬ所があるのだよ…。参
          加に至った経緯こそ成り行きなれど、不肖神代勇羆…、やるからには全力を尽くす」

エイル       「やる気が漲っているであります。勝手にエントリーされたにもかかわらず、律儀でありますね」

シンジョウ     「では最後にヤマギシ君、どうぞっ!」

ノゾム       「あ…、ど、どうも…。えっと…。な、なな何でしたっけ…?」(カチコチ…)

アル        「参加のきっかけとかそういうんスよ」

シンジョウ     「何でかたくなってるの?」

ノゾム       「僕その…、ちゅ、注目されるのとか、苦手で…!えぇっと、さ、参加はですね…、アルに誘われて…」

エイル       「どうしてヤマギシさんに声をかけたのでありますか?ブルーティッシュ内にも暇なメンバーは居るで
          ありましょう」

アル        「アンドウさんに声かけたんスけど、「かったりーからやだ」って断られたんスよ…。で、ノゾムに頼
          んでみたんス」

ノゾム       「や、役に立てるか判らないですけど…、頑張ってみます…!」

エイル       「とばっちりでありますか…」

アル        「とばっちりゆーなっス!」

エイル       「では続いて、Age of blueシリーズより、「第二男子寮一年代表」であります」

シンジョウ     「メンバーはお馴染みの茶色太でか熊、阿武隈沙月(あぶくまさつき)君。クリーム色のクレバーハウ
          スキャット、乾樹市(いぬいきいち)君。クール&ドライなブラックストマックフォックス、宇都宮充
          (うつのみやみつる)君です!三人お揃い、星陵高校指定の雨蛙色トランクスで勝負に挑みます!ファ
          イトよ皆っ!」

エイル       「では、参加の経緯などをお願いするであります」

サツキ       「まぁ、思い出作りってやつか?オレとキイチは強制出場だしよ」

シンジョウ     「大変ねぇ主役は」

サツキ       「あと何だ?意気込みだっけか?まぁ、自信ってのは判んねぇけどよ、参加するからにゃあ思いっきり
          やらねぇとな!」

シンジョウ     「イヌイ君に良いところ見せるチャンスだもの。頑張ってね!」

サツキ       「ん、んん〜…、だな!ぬははっ!」(照)

エイル       「それでは話題のイヌイさん。どうぞであります」

キイチ       「話題のって…。参加理由は、サツキ君と同じです。前回も結構楽しかったし、こう見えて結構乗り気
          だったり」(ガッツポーズ)

シンジョウ     「あら。イヌイ君こういうの嫌いかと思ってたわ」

キイチ       「得意じゃないけど嫌いでもないよ?鈍いし体力無いから、役に立てる場面がないかもだけど、頑張っ
          てみる!」

エイル       「大丈夫でありますよ。体力自慢だから有利という競技ばかりではないであります。それに、イヌイさ
          んは昨年、奥羽の闘神から褌を剥ぎ取りドリル状秘密兵器を公衆の面前に曝したという大戦果をあげて
          いるでありますから、今年も色々な意味で期待できるであります」

ユウヒ       「!!!」(ビクッ)

シンジョウ     「それじゃあ最後にウツノミヤ君。…イヌイ君以上に意外だったわ。貴方が参加するなんて…」

ウツノミヤ     「勿論、参加は仕方なしに、だよ。オシタリが出るべきだったのに…」

シンジョウ     「そのオシタリ君は?」

サツキ       「AOBシリーズの応援席。応援団だからよ」

シンジョウ     (応援席を振り返りつつ)「あらホント…。まぁあっちはあっちで頑張ってくれるはず!…っていうか
          ウシオ団長…、気合入りまくってるわね…」

ウツノミヤ     「真剣すぎて顔が怖いな…。オシタリは元々だが…」

エイル       「では、意気込みなどを一言お願いしたいであります」

ウツノミヤ     「適度にやっておきます」

サツキ&キイチ   『…ドライ…』

エイル       「三つめのチームはこちらであります。配達人より、「受取拒否不可」であります。…キャッチコピー
          でありますかね?でなければ社訓めいた合い言葉でありましょうか?」

シンジョウ     「あるいは荷物にシールで貼ってありそうな…。「天地無用」みたいに…。メンバーは、扱われ方が酷
          いけど一応主役。鉄色の虎、ムンカルさん。シュールにズレ気味器用なグレイウルフ、ナキールさん。
          レモンイエローのラブリーポチャライオン、ミカールさん。紫色のハーパンのナキールさんと、ミカー
          ルさんの般若心経が白くプリントされた黒地トランクスは良いとして…、ムンカルさんの白いブーメラ
          ンがまるでブリ…ゴホンゴホン!何やら危険です!」

エイル       「一歩間違えると食い込んだブリーフに見えるであります」

シンジョウ     「しーっ!そ、それじゃあ…、参加の経緯などをどうぞ!」

ムンカル      「参加はほれ、一応主役だから最初から確定だったんだよなぁ」

エイル       「主役にしては日頃の扱われ方がスゴいでありますね?」

ムンカル      「そうなんだよ。…俺、アズだけじゃなく作者にも嫌われてんのか…?」(しょぼぉん…)

シンジョウ     「…ムンカルさん…豪快そうに見えて割と繊細…?…コホン!そ、そんな事ないですよ!きっと!そ、
          それで…、意気込みはどうでしょう!?私見ですが、体力勝負なんかは得意そうに見えるんですけれど、
          自信はいかほどで!?」

ムンカル      「ん?腕っ節なら、そこそこ自信あるな…。ま、楽しませて貰うさ。嫌いじゃねぇぜ?こういう馬鹿騒
          ぎはよ!がははははっ!」(まんざらでもなさそう)

シンジョウ     「…ムンカルさん…見た目どおりに単純…?…頑張って下さい!では、続いてナキールさん!」

ナキール      「ジブリールに頼まれたのでね」

エイル       「頼まれた…、でありますか?」

ナキール      「いかにも。ムンカルとミカールだけでは心配なので、「良識の枷」になってやれ、と」

シンジョウ     「…ズレが凄い事になっているナキールさんにそんな事を頼むなんて…」(ぼそっ…)

エイル       「配達人の皆さんは程度の違いはあれ、ズレているでありますから。それに、比較的常識人のジブリー
          ルさんは今回ジャッジなので、競技には出られないでありますからね」

シンジョウ     「…ズレてるとか、エイルさんに言われたくないだろうなぁ…」(ぼそっ…)

エイル       「それで、やる気は満々でありましょうか?」

ナキール      「否応無し。自分は、可能であれば遂行するのみだよ」

シンジョウ     「真面目さが良い方向に働いて、頑張ってくれそうです!」

エイル       「ではミカールさん。どうぞ」

ミカール      「出場経緯はアレや、ムンカルが出るんは決まりやったから、ワシがお守りしたらんとあかん思うてな」

ムンカル      「…お守りなんていらねぇのに…。むしろ錘じゃねぇか…」

ミカール      「なんやとコラ?ワシがおらんとな〜んもでけへんダメっ子動物がナマ言っとるんやないで!」

ムンカル      「また言ったなっ!?またダメっ子って言ったなっ!?」

シンジョウ     「落ち着いて落ち着いて!…ってこんな時こそ「良識の枷」だわ!」(ちらっ…)

ナキール      「………」(沖の波間に漂う赤いブイを憑かれたように凝視中)

シンジョウ     「機能してないじゃない!この「良識の枷」っ!」

エイル       「それで、意気込みなどは如何でありましょうか、ミカールさん」(騒ぎは無視)

ミカール      「一人一殺三者三様十人十色や!当然、やるなら勝ちに行くで!目指すは勿論っ…、ゆーしょーやーっ!」

ムンカル      「おーっ!!!」(一瞬前までの諍いは忘れた模様)

ナキール      「………」(まだ遠くを見てる)

シンジョウ     「何だか色々心配なチームです…!」

エイル       「でありますね。次なるチームはBloodシリーズより、「出番無いじゃんズ」であります」

シンジョウ     「魂の叫びね…。メンバーはハーフボイルドブラコンウルフ、字伏夜血(あざふせやち)さん。実はヒ
          ロイン?な若き銀狼、忌名夜彦(いみなよるひこ)さん。中年太りも度を超しタヌキ、七篠鼓助(なな
          しのこすけ)さんです!ヤチさん、ヨルヒコさんは動きやすそうなスパッツ…面積はともかく、モッコ
          リが気になるわね…。一方コスケさんは…、はっ!?」

エイル       「もっこ褌でありますね」

シンジョウ     「ユウヒさん以外にも居るのね…、褌派…。ではまずヤチさんから、参加に至った経緯などを…」

ヤチ        「誤解の無いように言っておくが、俺は率先して参加しようとした訳ではない。ヨルヒコがどうしても
          と言うし…、ビャクヤとユウもあいつの側について参加しろと言って来てだな…」

エイル       「で、兄と弟、三人がかりの合同説得を断わり切れなかったのでありますね?」

ヤチ        「遺憾ながらその通りだ…。多数決という名の数の暴力をもって無理矢理…」

シンジョウ     「…でも…拒否れなかったんですね…」

ヤチ        「ああ…。できなかったとも…。ヨルヒコが…、出番寄越せと騒いで騒いで…。チーム名まであんな風
          にするぐらいに…」

エイル       「あまり乗り気ではなさそうでありますが、意気込みはいかほどでありましょうか?」

ヤチ        「ヨルヒコが満足できればそれで良いんだが…、せっかくの記念イベントだ。できればそこそこの結果
          をおさめたい所だな」

シンジョウ     「欲の無いコメントですねぇ。それでは次にヨルヒコさん、お願いします!」

ヨルヒコ      「出番だ!せっかくの出番だ!当然黙ってられないだろっ!?」

エイル       「他薦や成り行きでの参加者が多い中、珍しく率先参加でありますね」

ヨルヒコ      「だってこっちは連載終わってるから、こんな時じゃないと出番無いからな。そりゃ張り切りもするっ
          てもんだろう?」

シンジョウ     「嬉しくなるほど前向きな参加動機ですね!」

エイル       「アルビオンさんに参加命令を下しながら自分はサボっている我等がリーダーにお聞かせしたいセリフ
          であります。すでにビシビシ伝わって来ているのでありますが、意気込みは如何でありましょうか?」

ヨルヒコ      「久々の出番っ!勿論思いっきりやるさ!」

シンジョウ     「貴重ねぇ、ポジティブにやる気の参加者は…。頑張ってくださいっ!」

エイル       「それでは第三の男ナナシノさん、コメントをお願いするであります」

コスケ       「オイラぁビャクヤの兄貴に頼まれたんでやすよ。聞けばヤチとヨルヒコ君ってぇおいしい…じゃなく
          てほっとけねぇ二人の組み合わせでやしたから、四の五の言ってられねぇってなもんで…、こうして参
          加を決めたって訳でさぁ」

シンジョウ     「…ポロっと本音出てるし…。いわゆるお目付け役のようなポジションなんでしょうか?」

コスケ       「でやす。…ヤチはクールぶってる割にゃあ結構熱くなり易いタイプでやすし…、ヨルヒコ君はヨルヒ
          コ君で、無理無茶無謀無鉄砲の四拍子が揃って危なっかしいトコありやすしねぇ…。世話んなってる兄
          弟子の頼みとあっちゃあ、無下に断われやせん」

エイル       「その見解には全力で同意できるであります。では、意気込みなど一言どうぞであります」

コスケ       「何はともあれ、めでてぇお祭りでやす!とことん付き合わせて貰いやすぜぃ!」

エイル       「では最後のチームであります。司会同様まさかの組み合わせ、「ごった煮連合」であります」

シンジョウ     「メンバーは、TTC及びAOBシリーズより参戦!酸いも甘いも噛み分けて哀愁漂う人畜無害ムッチ
          リ虎中年、寅大(とらひろし)先生。醒山シリーズより参戦!見た目は好青年、しかし中身はドエロでド

                S
なゴールデンレトリーバー、羽取金示(はとりきんじ)さん!Vigilanteシリーズより参戦!寡黙な隻
          眼の赤銅熊、ランゾウさん。トラ先生はメタボ隠しのネイビーブルーの水着ティーシャツに水色のトラ
          ンクス、ハトリさんは黒い競泳ビキニですが…、ランゾウさんは…、丸に嵐のマークが黒く前垂れにプ
          リントされた…、赤フンです…。また褌だわ…」(赤面)

エイル       「越中褌でありますね。ではトラ先生、お願いするであります」

ヒロ        「あ〜、参加経緯は…、ほら、私は強制だからなぁ…」(困り顔)

シンジョウ     「頑張って下さいね先生。応援してますから!」

ヒロ        「うん。まぁ、他の二人の足を引っ張らないように、頑張ってみるかなぁ」

エイル       「何やら目も口調も眠そうでありますが…、大丈夫でありますか?」

ヒロ        「あぁ、これが私のデフォルトなんだなぁ。まぁ気にしないで」

シンジョウ     「続いて、スポンサーの鼓谷財閥から参加のハトリさん!」

ハトリ       「ども。正直だりいけどさぁ、仕事として命じられてっからな…」

エイル       「誰の命でありましょう?総帥でありますか?」

ハトリ       「絹太」

シンジョウ     「誰です?」

ハトリ       「総帥の三男坊。おれの雇い主。…終わったら覚えとけよ、デブタヌ…」(悪そうな笑み)

シンジョウ     「…え、えぇと…。い、意気込みなど一言どうぞ!」

ハトリ       「ま、参加経緯はどうあれ。負けんのあんま好きじゃねえし、何より祭りだ。盛り上げてくぜ?」

シンジョウ     「さすがは元醒山のお祭り男!期待したいところです!」

エイル       「最後に、同じく協賛を頂き、会場をお借りしている烏丸コンツェルンから参加、ランゾウさんであり
          ます」

ランゾウ      「………」

シンジョウ     「やっぱり命令で参加なんでしょうか?」

ランゾウ      「………」(首を横に振る)

エイル       「はて?ではどんな経緯で出場となったのでありますか?」

ランゾウ      「………」(観客席を睨む)

シンジョウ     「あそこに何か…?ん?何か太目の三毛猫さんが逃げようとして…。あ、ゴリラさんに取り押さえられ
          ましたね」

エイル       「彼にエントリーされたのでありますか?」

ランゾウ      「………」(モチャを睨んだまま首肯)

エイル       「士気は低そうでありますが…、一言お願いするであります」

ランゾウ      「…腹減った」

シンジョウ     「競技参加者は、以上5チーム15名!それでは、早速競技の説明に入ります!」

エイル       「競技は全部で3種目であります。それぞれ一名を選出しての競技参加となるであります」

シンジョウ     「一人一回ずつの参加で、一人が二種目に挑む事はできません。なので、各競技に適しているメンバー
          を当てる事ができるかどうかも重要になって来ます!」

エイル       「三つの個人種目の内容は、競技者に伏せられているでありますから、挑戦メンバーの割り当てが、す
          でに勝敗を決する重要な選択となるでありましょう」

シンジョウ     「各競技、一位に3ポイント、二位に2ポイント、三位に1ポイントが入ります。最終競技を終えた時
          点で、最もポイントが多いチームが優勝となります!…同点だった場合はどうなるんです?」

エイル       「ジャンケンであります」

シンジョウ     「…ジャンケンって…」

エイル       「盛り上げるために代表者に野球拳でもしてもらうでありますよ。なお、5名のジャッジから特別にポ
          イントが与えられる場合もありますからして、ご機嫌を取る事を忘れないようにして欲しいであります。
          それぞれのジャッジは1ポイントずつ持ち点があるであります」

シンジョウ     「それと、例によってリミッターの解除や身体機能操作、オーバードライブ、能力の使用等は禁止です」

ムンカル      「ブラストモードもか?」

シンジョウ     「当然ダメです。そもそもブラストモードで何をデリートするつもりですか!?」

エイル       「次いで、ジャッジの紹介に移るであります。各作品の良心にお願いしているでありますので、審判は
          公平かつ公正な物となるでありましょう」

シンジョウ     「それでは、ジャッジの皆様から一言頂きましょう!Vigilanteシリーズからはブルーティッシュのサブ
          リーダー、トップがサボるから常に多忙、グラマラスなキャットウーマン神崎猫音さん!」

ネネ        「年に一度…、昨年はもう無いかもしれないと思われたイベントですが、こうして再度開催され、心よ
          り嬉しく思っております。皆さん、大いに盛り上げて存続させて行きましょう。…それとアル?審判は
          公正に行うけれど、応援だけはしてるわね」

シンジョウ     「AOBシリーズからは寮監にして柔道部主将、振り回される気遣い、皆のお兄さん岩国聡(いわくにさ
          とる)先輩!」

イワクニ      「何かこう、ぼくだけ場違いな気もするけれど…、審判員の大役、しっかり果たします。アブクマ、イ
          ヌイ、ウツノミヤ。大丈夫だと思うが、不正は無しだぞ?…ちょっとウシオうるさい!ぼくは選手じゃ
          ないんだから!」

シンジョウ     「興奮してますね団長…。コホン!配達人からはボリューム満点、ジェントルメンかつ縫いぐるみ的北
          極熊、吉兆の届け手ジブリールさん!」

ジブリール     「各チームの皆さん。お祭りですが、ルールは尊守してください。配達人の機能や因果把握による予測
          なども含め、あらゆる能力の発動を感知させて貰います。それでは、健闘を祈ります」

シンジョウ     「ブラッドシリーズからはオーバーテイカーオールドイングリッシュシープドッグ、フサフサモフモフ
          字伏白夜(あざふせびゃくや)さん!」

ビャクヤ      「前の人達が必要な事は全て言ってくれているから…、言うべき事が殆ど無いなぁ…。ボクからはこれ
          だけ。皆さん、怪我など無いように注意しつつ、せっかくなので思いっきり楽しんでください!」

シンジョウ     「その他代表として、お人好し過ぎて幸薄きあんこ型羆、スポンサーの黒須財閥から派遣された大和直
          毅(やまとなおき)さん!」

ヤマト       「え〜、一応ジャッジなんすけど…。俺ここに居て良いの?審判なんてできんのかなぁ…?あ、ダメっ
          すよハトリ先輩。そんな目で見たって贔屓しねえすからね!」

エイル       「ダーティーなプレーを見せようものなら一斉に顔を顰めそうな常識人揃いでありますね」

シンジョウ     「ジャッジの皆さん有り難うございました!そして、よろしくお願いします!」

エイル       「では、早速競技に入るでありますからして、各チームは準備の方に取り掛かって頂きたいであります」



第一競技「西瓜割り」


シンジョウ     「コホン!それでは最初の競技!「殴る前に誰何せよ!魂の西瓜割り」つまり西瓜割りです!…何かし
          ら?この競技名…?」

エイル       「ダメでありますか?」

シンジョウ     「いやダメって言うか…、え?もしかしてこのネーミングは…」

エイル       「自分が考えたであります」(無表情ながらも耳を寝せる)

シンジョウ     「い、いや良いんじゃないかしら!?個性的よ!ええ!オリジナリティがさんさんと輝いてるわ!」

エイル       「ルールは簡単。目隠ししてグルグル回って木刀を持ってフラフラして西瓜を探してヨロヨロして割っ
          て頂くであります」

シンジョウ     「あら意外。平和的に普通の西瓜割りなんだ?」

エイル       「確かに、見かけは平和的な普通の西瓜割りであります」

シンジョウ     「見かけ?」

エイル       「競技するプレイヤーを残り二名のチームメイトが声で誘導するのでありますが…、全員一斉に行って
          頂くであります」

シンジョウ     「…危なくない…?」

エイル       「下手をすれば、目隠ししたまま互いの頭を木刀で殴りあうはめになるでありましょう」

シンジョウ     「危ないじゃない!何で淡々としてるのよ!?」

エイル       「祭りに危険は付き物であります。スリルがあってこそのエンジョイ。戦争を知る故に平和の尊さが理
          解でき、悲しいから優しくなれるのであります」

シンジョウ     「…らしい事言って煙に巻くつもりね…」

エイル       「なお、西瓜はあらかじめ20個程配置するでありますが、半分はニセモノであります」

シンジョウ     「え?ニセモノ?半分も?」

エイル       「ええ、トラップを内蔵したニセモノであります」

シンジョウ     (滝汗)「…さぁ、にわかにキナ臭くなって参りましたっ!それではここで、この競技のゲストをご紹
          介しましょう!ブルーティッシュリーダー、ダウド・グラハルトさんです!」

ダウド       「がーっはっはっはっはっ!こうして高台から連中が右往左往する様を見下ろすのも一興だな!」

エイル       「アルビオンさんに出場命令を下しておいて、リーダーはゲストとして見物でありますか?」

ダウド       「ビールと枝豆かっくらいながら、他人事として馬鹿笑いしながら楽しんだ方が得だろうと思ってな」

エイル       「しれっと酷い事を言うでありますね」

ダウド       「ところでアル!」

アル        「うス?」

ダウド       「無様な真似しやがったら…」(人型ロボットプラモを机の上へ)

アル        「あーっ!?オレのマスターグレードフルバーニアンっ!何で勝手に持ち出してるんスか!?」

ダウド       「コイツの身の安全は保障せんぞ?…気合を入れてかかれ…」(ニヤリ)

アル        「ひでーっス!!!」

シンジョウ     「なにやら不穏な空気がプンプンしていますが…、と、とりあえず選出を始めて下さい!」

エイル       「西瓜割りを担当するストライカーを選出したら、残るメンバーは西瓜群を囲んでいるサークル…、待
          機線の外側へ退避して欲しいであります。以後、声掛け以外の手助けは禁止。待機線を踏み越えた場合
          はその時点で失格となりますので、ご了承して頂きたいであります」

シンジョウ     「偽物を割っても無効です。といっても失格にはなりませんので、めげずに本物を探して下さい!本物
          を割ったのが早かった順番に、一位から三位までを決定します!」


アル        「ここはオレが出るっス」

ノゾム       「だ、大丈夫?FBが人質に…」

アル        「一刻も早く開放してやるんスよ!でないとベキッ…とか、パキッ…とか、凄い事されかねないっス!」

ユウヒ       「判った。ここはアル君に頼むとしよう」


キイチ       「簡単そうだし、僕が行って来ようか?」

サツキ       「や、やめとけ!トラップ入りって話だ、俺が行っとく。俺は頑丈だし、多少の事じゃビクともしねぇ
          からな」

ウツノミヤ     「それが良いかもな…。前回は圧縮空気の爆弾なんかがあったんだろう?ぼくやイヌイはともかく、ブ
          ーちゃんなら被弾しても…」

サツキ       「そういうこった。…まぁ、勿論ハズレ引きたくはねぇけどよ…」


ナキール      「まずは様子見だ。自分が挑もう」

ムンカル      「異存はねぇ。お前何でもソツなくこなすからな。こういうのも行けそうな気がするぜ」

ミカール      「せやな。こういうのはナキールの器用さが役立つやろ」

ナキール      (実はこの西瓜割りという物、前々から一度やってみたかったのだよ…)


ヤチ        「さてどうする?感覚強化も反則だから匂いで探るにも限界がある。そもそも、おそらくは香りも誤魔
          化されている事だろうし、本物を見切るのは難しいな…」

コスケ       「オイラがやりやすぜぃ。刀の扱いにゃあ慣れてやすからね」

ヨルヒコ      「いや、西瓜割りと刀の腕前ってあんま関係ないんじゃ…?止めないけどさ…」

ヤチ        「任せる。散って来いコスケ」(しっしっ)

コスケ       「散れと来やしたか…」(むかっ!)


ハトリ       「おれが行って来らぁ。悪いけどセンセは鈍そうだし、嵐の字は様子見て温存したいしな。文句ねえ?」

ヒロ        「ん〜。確かに私は自信が無いなぁ。気をつけてなぁハトリ君」

ランゾウ      「………」(黙って頷く)

ハトリ       「…なんかこう、「よし行くぜ!」って気になれねえ見送られ方だよなぁ、この二人のは…」


シンジョウ     「さあ!全員位置につきました!いよいよ競技開始です!砂浜に転がされた20個の西瓜、最初に本物
          を叩き割るのはいったい誰なのか!」

エイル       「それでは…、競技、開始であります」

シンジョウ     「参加者はオールグッド君、サツキ君、ナキールさん、コスケさん、ハトリ先輩の五名!ぐるぐるっと
          回った競技者達が、今一斉に…」

ダウド       「ほぉ…。大したもんだ。全員あれだけ回ってもしっかり歩いてるな」

エイル       「皆が皆、荒事に携わるか格闘技経験があるか配達をしているか…、とにかく運動神経は良いでありま
          すからね」

シンジョウ     「おっ!ナキールさんが木刀を振り被って…、今…、一太刀目っ!」

ナキール      (ボファッ!)「むっ…?」

シンジョウ     「って爆発したぁっ!?赤い霧が!赤い霧が出てます!」

エイル       「新開発のバイオチャフ、レッドペッパー風味であります。視覚、嗅覚を撹乱するのは勿論、思念波探
          知タイプの能力に対するジャマー効果も備えているであります」

シンジョウ     「エグいっ!って後半のジャマー効果、今回は無意味ですね…」

ダウド       「あ〜…、控えのライオンと虎が喧嘩始めてるぞ?ハズレに誘導した責任をなすりつけあって…」

エイル       「ナキールさんはすっくと立ち上がったでありますが…、感覚がおかしくなっているせいか、足取りが
          重いであります」

シンジョウ     「あ、今度は上手く誘導されたオールグッド君がトライです!振り被って…」

アル        (ニョン…ビトッ)「わぷっ!?もがぁっ!?」

シンジョウ     「なな何か出たぁあっ!赤いイソギンチャクみたいな何かが、割れた偽西瓜から飛び出してオールグッ
          ド君の顔面に吸着っ!触手を頭部に絡めて…、何あれぇえええええっ!?」

エイル       「マイルームメイトのメケメケちゃんであります。ドッキリさせたい旨を伝えたら、快く協力してくれ
          たであります。軟体なので木刀で叩かれても平気だと主張し、西瓜内に潜んで待ち構えるという、ベテ
          ランスタントマン真っ青の危険な荒技を披露してくれたであります」

ダウド       「今一瞬…、某SF映画の異星生物の卵からアレが飛び出すシーンを連想したぜ…」

シンジョウ     「私もです…。で、でもまぁ、卵を産み付けられる訳じゃあないんですよね?…息が出来ないのか、オ
          ールグッド君凄く苦しそうにもがいて、引き剥がそうとしていますが…」

アル        「おぶっ!ご、ごぼっ!ごぶぼぽぼっ!げふっ!うべぇっ!」

シンジョウ     「あ、あれ?何かオールグッド君のお腹、膨らんでませんか!?まさか…、本当に産卵されてる!?」

エイル       「いいえ、どうやら「良いから身を任せて楽にしてなフォッグ」や「まだまだ寝かせないぜ覚悟
          しなリキッド」を口移しで大量に吹き込まれているようであります」

シンジョウ     「こわっ!…あ…、仰向けにダウン…。ぐったりしちゃったオールグッド君、大の字になったままピク
          ピク痙攣してます…」

エイル       「やり過ぎであります。メケメケちゃん」

ダウド       「…じゃ、目が覚めたらこいつベキャっと行くか…」(プラモをなでなで)

シンジョウ     「お?コスケさんが振り被って、一撃っ!おっと今度は緑の霧!?」

エイル       「ピーマンテイストの催眠ガス、必殺忍法緑の毒霧であります。これでコスケさんも緑のたぬきに…」

シンジョウ     「上手い事言ったつもり!?忍法!?っていうか必殺してどうするの!?」

エイル       「ん?離脱しているでありますね?」

シンジョウ     「あ、本当だ。叩いたとほぼ同時に砂地を転がって間合いを取っていますね。メタボ体型なのに俊敏…」

ダウド       「あいつやるなぁ…。おそらく、剣先が偽の西瓜に切り込んだ瞬間に、手応えがおかしいって気付いた
          んだろう。一流の剣客だな、あの褌狸」

シンジョウ     「なるほど…!刀の腕をこういう形で活かせると予測して、積極的に名乗りを上げていたんですねぇ!」

ダウド       「斬った後の反応だけじゃあない。斬る動作から斬心、引き足から回避までも一繋がりで無駄が全く無
          い。身のこなしも含めて相当な腕だ…」

エイル       「あ。サツキ君が空気爆弾にひっかかったであります」

サツキ       「っく…!なんのまだまだぁっ!ドンと来いってんだ!」

シンジョウ     「仰け反ったけど…、堪えた!声を張り上げて、イヌイ君とウツノミヤ君に次の西瓜の場所を訊いてま
          す!ほんっと頑丈!」

ダウド       「ガタイの良さや足腰の強さ、体重も堪えられた要因だが…、特に目を引くのは胆力だな。いきなり圧
          縮空気で全身を叩かれても揺るがないってのは、あらかじめ何が来ても動じないだけの覚悟を決めてい
          るからだろう。がはは!大した神経だなぁアルのダチは!」

コスケ       (スパッ…コロン)「手応え有り…でさぁ。オイラが一抜けでやすね!」

シンジョウ     「おっと、ここでコスケさんが本物の西瓜を綺麗に両断!一位決定です!」

ハトリ       (バガッ!)「この手応え…、当たりだな?へへっ!気持ちいいなぁおい!」

エイル       「慎重に見定めていたハトリさんも、一個目で正解であります」

シンジョウ     「ナキールさん、新たな西瓜に詰め寄ります。果たして今度は…」

ナキール      (カパンッ…)「…む…?」

シンジョウ     「あぁっと!?西瓜が上下に分断!?ガパッと開いた中から出てきたのは…白猫?」

エイル       「ゲスト参加していただいたマユミちゃんであります。彼女もまた西瓜に潜むという剛胆な荒技を(以
          下略)」

シンジョウ     「西瓜の上蓋(?)を両手(?)で支え、腰を振りながら威嚇(?)する白猫!全身の毛が逆立ってます!」

エイル       「西瓜に化けるのは、やはり少々怖かったようでありますね…」

ダウド       「どうでも良いが、どっかで見たような絵だな…」

シンジョウ     「ええ…、日曜日の夕方とかに…」

エイル       「見えてはいないはずでありますが、異常を察したらしいナキールさん、凍り付いたように動きを止め
          ているであります」

サツキ       (ゴシャッ!)「…こりゃ…、当たりだよな?ぬははっ!やったぜ!」

ダウド       「お、あの持ち直したデカい少年、当たりを割ったな」

エイル       「ここでアブクマさんが三つめをカット。三位まで確定につき、第一競技終了であります」

シンジョウ     「おっと!ジャッジからポイントが提示されています!ネネさんとビャクヤさんです!」

ネネ        「ナナシノさんの卓越した技術を評価して、一点差し上げたいと思います。…良い腕ねぇ。ダウドじゃ
          ないけど、ウチに欲しいぐらい魅力的だわ」

ビャクヤ      「まともに爆風を受けながらも、怯まず前に出るアブクマ君の胆力に感心しての評価…、になるかな。
          ついでに言うと、他のメンバーを気遣っての率先参加という心意気にも共感を覚えてね」



  一位 出番無いじゃんズ   3ポイント ジャッジ1ポイント トータル4ポイント

  二位 ごった煮連合     2ポイント           トータル2ポイント

  三位 第二男子寮一年代表  1ポイント ジャッジ1ポイント トータル2ポイント

  番外 ザ・ヴィジランテ   0ポイント           トータル0ポイント

  番外 受取拒否不可     0ポイント           トータル0ポイント



ムンカル      「お〜い!帰って来いナキール!もう終わりだって!」

ナキール      「せめて一個割りたいのだよ…」(目隠しのままうろうろ…)

アル        (トイレ帰り)「うぇっ!ぎ、ぎもぢわるぅ〜…!」

ノゾム       「平気?ちょっと休んでた方が…」

ユウヒ       「飲み過ぎのようなものであろうか…?」

アル        「あ、だ、ダメっすユウヒさん!背中さすったらまた…おぶぅっ!えろろろろろぼぽっ!」(嘔吐)

ノゾム       「きゃああああああっ!」

エイル       「アルビオンさん、砂浜にモンジャスプラッシュ。…地獄絵図であります…」

シンジョウ     「あっちでお好み焼き屋台担当のアブクマパパと助手のフータイさんが怒ってますよ…。お客さんが来
          なくなるって…」

エイル       「法被と捻りはちまきと屋台がやけに似合うオヤジィズでありますね」

ダウド       「それはそうとしてだ…。アル」

アル        「う…うス?」

ダウド       「無様な試合見せやがって…、こうだ!」(ベキャッ)

アル        「ぎゃあああああああああああああああスっ!オレのフルバーニアァァァァァアアンっ!!!」(号泣)

エイル       「踏んだり蹴ったりでありますね」

シンジョウ     「…不憫…」



第二競技「水上格闘」


シンジョウ     「次なる競技は、水上特設闘技場を舞台にした、「血戦!水上闘技場!殴り合いの夏2009」です」

エイル       「水上に友情の花咲く予感がぷんぷんするであります。思う存分殴り合う事で、友情が芽生えるはずで
          ありますよ」

シンジョウ     「海上に浮かび波に揺れる足場から落ちないよう注意しつつ、他のチームの選手を水中に落としてゆく
          という競技です」

アル        「肉弾戦っスか…」

ノゾム       「殆どのチームに得意そうなひと居るね…」

アル        (ごった煮連合の顔ぶれを見つつ)「あのひと間違いなく強いっスよ?ユウヒさんに似てるっスから」

ユウヒ       「その論調は一体…?俺に似ているのと強い事に因果関係が見い出せぬのだが…。どれ、ここは俺が行
          こうかと思うが、どうかな二人とも?」

ノゾム       「異論は無しです。僕はあまり自信無いですし…。ところで、何か有効そうな作戦があるんですか?」

ユウヒ       「単純な殴り合いならば、いささか自信がある」

ノゾム       「ゴリ押しですか…」

アル        「…いや…。良いっスけどね…」

ハトリ       「キッツいなぁ…。あっち、奥羽の闘神を出すっぽいぜ…」

ランゾウ      「………」(胸の前に上げた手をゴキキッと鳴らす)

ハトリ       「お?自信ありそうだな?何か名案でもあるのか?」

ランゾウ      「…グーでボコる」

ハトリ       「…無策かよ…」

エイル       「やる気満々の所、真に申し訳ないのでありますが、素手での殴り合いはNGであります」

ユウヒ&ランゾウ  『!?』

シンジョウ     「この全長2メートル、直径30センチの丸太型発泡材バーで、平和的に殴り合って下さい」

ユウヒ&ランゾウ  『………』(ちょっと残念そう)

エイル       「今回のゲストはこの方!死記の配達人、アズライルさんであります」

アズライル     「…ど…、どうも…」

シンジョウ     「あれ?どうかしましたか?何だか居心地悪そうですが…」

アズライル     「あ、いや…、私はその…、大勢に注目されるのが苦手で…。あ、あがっているかも…。し、失敗した
          らゴメンナサイ…」

エイル       「カチカチになっているアズライルさんも新鮮でありますね…。気楽にお願いするであります」


ユウヒ       「では、行って来る」

ノゾム       「ファイトです!」

アル        「さっきの競技では面目なかったっス…。申し訳ないけど頼むっスよぅユウヒさん…」

ユウヒ       「ははは!そう気に病むな。まだ先も有る、結果は判らぬよ。祭りなのだから楽しまねばな、アル君」


キイチ       「僕が行く」

サツキ       「ダメだキイチ!あっちオジキ出る!しかもやる気満々っぽい!殺されちまうって!」

キイチ       「でも、勝ち目が無いからこそ捨て駒を当てるのも手だよ。僕はこの中で一番運動オンチだし、温存し
          ても役に立たない。確実に勝ち目が無いここで出た方が、後々のためにも良いよ」

ウツノミヤ     「イヌイの意見に賛成だ。悪いが、イヌイよりはボクの方が運動は得意だ。頭脳労働ならともかく、肉
          体労働においては、イヌイの真価は発揮できない」

サツキ       「けど去年は…!」

ウツノミヤ     「頭脳戦が種目に入っているとは限らない。それに、もしもあったとしても、ボクが何とか対応する」

サツキ       「でも…よぉ…」

キイチ       「心配しないでよ。叩かれたとしてもスポンジバーなんだから!」

サツキ       「…オジキが振り回せばスポンジも立派な凶器なんだよ…」


ムンカル      「俺が出るぜ!こういうのは得意だ!」

ナキール      「任せよう」

ミカール      「気張ってけやムンカル。周り手強いで?」

ムンカル      「任せとけ!ボコボコにしてやんぜ!」

ナキール      「ブラストモードは禁止だが、期待している」

ムンカル      「うっ!?そ、そうだった…。まぁ、任せとけ…!」


ヤチ        「俺が…」

ヨルヒコ      「いやいやいや!ここはほら!若者の力で!」

ヤチ        「俺はまだ若いぞ!?」

コスケ       「オイラもビンビンでやす!」

ヨルヒコ      「三十路過ぎたら立派なおっさんだよ…。とにかく!兄貴、こういうのやった経験は?」

ヤチ        「経験も何も、いったいどこで経験する?こんな競技…」

ヨルヒコ      「ほらな?俺は普通に中学高校出てるから、夏場のプールの授業なんかで、ビート板足場にして忍者ごっ
          ことかやってるんだ。不安定な足場を経験してる分、いくらかでも兄貴より有利だろ?ってな訳で行っ
          てきまぁ〜すっ!」

ヤチ        「あ!おいヨルヒコ!?…まったく…。頻繁にやっていた訳でも無いだろうに、有利も不利もあるか…。
          本当は早く出たかっただけだろうな…」

コスケ       「そうでやしょうねぇ。尻尾ブンブン振ってやすし…」


ランゾウ      「………」

ヒロ        「うん。ランゾウ君に任せるなぁ。私じゃあほら、滑って落っこちるのが関の山だ。ところで、喋るの
          は苦手なのかな?」

ランゾウ      (ぼそっ…)

ヒロ        「んん?あぁ、なるほどなぁ…。けれど、あまり気にする事はないと思うぞぉ?違ってる部分は個性だ。
          恥かしがる事はないと思うぞぉ?…まぁ、今のは受け売りなんだがなぁ。ははは」

ランゾウ      「………」(会釈)

ハトリ       「何?どうしたんだよ?もしかして意思疎通はかれてんのセンセ?嵐の字何か言ったのか?」

ヒロ        「まぁ、ひとそれぞれ、というヤツかなぁ。頑張ってなぁ、ランゾウ君」

ランゾウ      「………」(こくり)


シンジョウ     「波も穏やかな水面に揺れる足場に、全員が上りました!果たして生き残るのは誰なのか!」

エイル       「では、競技開始であります。3メートル四方の足場が縦横5枚組まれた、計25枚の足場からなる闘
          技場に、殴り合いの花が咲き乱れるであります」

シンジョウ     「参加者はユウヒさん、イヌイ君、ムンカルさん、ヨルヒコ君、ランゾウさん!激戦となる予感がプン
          プンします!…ってイヌイ君!?」

エイル       「猛獣の檻に猫が紛れ込んでいるであります…」

アズライル     「例えるならば、熊と虎と狼と熊が居る部屋に家猫が放り込まれているかのような…」

シンジョウ     「そのまんまだけど具体的過ぎて危機感が煽られるっ!」

エイル       「軽快な動きを披露し、足場から足場へスムーズに移動しているのは、銀狼ヨルヒコさんであります」

アズライル     「周囲は超重量級2名と重量級1名、超軽量級1名。陸上ならばともかく、不安定な足場においては、
          運動性能と体重のバランスが取れている彼に強力なアドバンテージがある」

シンジョウ     「なるほど…。って、解説できるじゃないですかアズライルさん」

アズライル     「…あまり…見ないで…」(俯き)

エイル       「軽快に足場を走破するヨルヒコさんがまず向かったのは、脅威と感じたかランゾウさんであります」

アズライル     「重量がある彼は、下手に足場の端に寄れば大きく傾いてしまうため、中央付近に陣取らざるを得ず、
          移動にも注意を払う必要がある。大きく移動しての回避ができない為、的としては申し分ない」

シンジョウ     「ほほぉ〜!ではヨルヒコさんが有利と?」

アズライル     「いかにも。ただし…」

ヨルヒコ      「覚悟ぉおおおおおおっ!でや!」

エイル       「ヨルヒコさん、ジャンプ一番突っかかって行ったであります」

シンジョウ     「その動きは正に電光石火!」

アズライル     「それは戦闘技能が同等の場合での話だが…」

ランゾウ      「………」(パシッ…、ブォンッ、バゴス!)

ヨルヒコ      「おわぁああああああああああああああぁぁぁぁぁ…」(どぽぉん!)

エイル       「ランゾウさん、突き込まれたヨルヒコさんのバーを左手一本でいなして、右脇に挟んだ自分のバーを、
          身を捻りつつフルスイングであります」

シンジョウ     「そのやられっぷりは電光石火…。飛び込んだ勢いそのままに、かっ飛ばされましたね…」

エイル       「張り切っていたヨルヒコさん水没。いの一番にリタイアであります」

フータイ      「ヨルヒコっ!この未熟者がっ!!!」

シンジョウ     「うわビックリした!屋台で頑張っているフータイさんが突然激昂!」

エイル       「フータイさんは現在、嫌がるヤチさんに代わってヨルヒコさんに格闘技を教えているそうであります」

シンジョウ     「なるほど、お師匠様なわけね…。そうこうしている間に、水上闘技場ではムンカルさんユウヒさんが
          移動、板二枚を隔てた位置まで接近!」

エイル       「慎重に間合いを詰めているであります」

シンジョウ     「あ、ランゾウさん移動開始!ユウヒさんそっちに反応して向きを変えました!ムンカルさん、拍子抜
          けした様子で肩を竦めてます」

エイル       「睨み合いながら接近する赤銅色の巨熊二頭。…あ、間に…」

シンジョウ     「い゛っ!?!?!?」(滝汗)

エイル       「不安定な足場が怖くて移動できず、逃げるに逃げられないようであります。…そういえばイヌイさん
          は泳げなかったでありますね」

シンジョウ     「ユウヒさん、イヌイ君がへたり込んでいる足場に侵入!ランゾウさんも隣の足場に…ってあぁっ!?」

エイル       「物凄い勢いで殴り合い始めたであります」

アズライル     「殴り合いながらもスポンジバーが砕けているぞ…」

シンジョウ     「激しい殴り合いで粉と砕けていくスポンジバー!もはや音すらポコポコなんて可愛い物じゃありませ
          ん!ボガスボガス言ってます!」

エイル       「殴り、いなし、突き、防ぎ、崩し…、スポンジバーでのボコりあいにおいても卓越した戦闘技術を見
          せつける二人…、今更ながら色々な意味で底が知れないであります」

アズライル     「巨漢二名が真っ向勝負で殴り合い…、飛び散るバーの残骸と汗…。これでこそ………なつ…」

シンジョウ     「…どんな夏っ!?殴り合う二人はイヌイ君に目もくれません!お互いの姿以外は目に入っていないの
          か、真剣そのもの!」

エイル       「その間にもイヌイさん、揺れ動く足場を這って、何とか脱出を試みているであります」

アズライル     「ただの逃げでは無い。先にあの二人のどちらかが落ちれば、最低でも三位に食い込める。悪くない判
          断だ」

エイル       「巨熊二頭の激しい殴り合いで足場は揺れ揺れ、水を被って濡れ濡れであります。イヌイさん、逃げる
          のも一苦労の様子でありますね」

シンジョウ     「あ!滑った!イヌイ君滑って、あろう事かユウヒさんの右脚に縋り付く形に!」

エイル       「おっと、ユウヒさんとランゾウさん、戦闘中断であります」

アズライル     「突き落とすチャンスなのだが、紳士だな。もっとも、二人ともあの少年は敵とすら認めていないよう
          だが…」

エイル       「殴り合いに意識が占められて、競技の勝敗が頭から抜けているようであります」

シンジョウ     「赤銅色の二人、何やらムキになって勝負しているようなフシがあるしね…。イヌイ君、ユウヒさんに
          手を借りて立ち上がり、ペコッとお辞儀。…礼儀正しいわねぇ…。もしかしてイヌイ君も競技中だって
          事忘れてない?」

エイル       「で、ありますね。あ。また滑ったであります」

シンジョウ     「そそくさと立ち去ろうとしてヌルッと滑ったイヌイ君!転落の危機!」

エイル       「ランゾウさんとユウヒさん、それぞれ腕を掴んで捕まえているであります。超反応でありますね」

アズライル     「あのまま転落させておけば、三位以上が確定する物を…」

シンジョウ     「…って、あぁああああああああっ!?」

アズライル     「む?どうし…、あぁああああああああああああああああっ!?」

エイル       「引っ張り上げられたイヌイさん、ユウヒさんとランゾウさんの褌をしっかり握っているであります。
          溺れる者は褌掴む、でありますね。二人とも気付かずそのまま真上に引っ張り上げたから…」

シンジョウ     「ポロリです!ついにポロリが出てしまいました!ユウヒさんは半解け、ランゾウさんは股下を潜
          る布が抜けて、二人とも前面が無防備にっ!あ!二人とも褌が解けた事に気付いた模様!前屈みになっ
          て縮こまっています!」

アズライル     「…不憫な…」

エイル       「二人とも、瓜二つなアレであります。シャフトは太くボールは大玉であります。物の根本にも過剰に
          肉がついているせいか、半埋まりでとても短く見えるであります。シャフトが埋没しかけている結果、
          余った皮が分厚く堆積し、太いシャフトはドリル状の皮に覆われているであります。個人的にはこれを
          肥満性堆積型仮性包茎とでも名付けたい所であります」

シンジョウ     「可哀そうだから詳細に解説しないであげてっ!」

サツキ&アル&ノゾム『………』(股間を押さえて涙目)

ヤマト       「いや、名誉の為に言うが、それ改善できるから。…まぁ、前屈みになるとリング状に被って先っぽちょ
          い見えな感じで埋まったりもするけどさ…」

ジブリール     「そうだねぇ、背中を丸めてパンツやズボンを脱ぐ時は埋まるよねぇ」

ミカール      「気になるんやアレ、で、こまめに位置直しとうなって、ポケットに手ぇ入れたり…」

ゲンゴロウ     「おうおう。特に夏場はなぁ」

シンジョウ     「…生々しい会話です…!っていうか多いわね、共感するひと…」

エイル       「二人とも、モロ出しのショックのあまり動けないようであります」

シンジョウ     「…絶対エイルさんの解説が追い討ちになってるわよ…。おっと!ここでムンカルさんが動いたぁっ!」

ムンカル      「終わりを、届けに来たぜ?」

シンジョウ     「大柄な体躯が軽やかに大跳躍!ユウヒさんとイヌイ君が居る足場に飛び乗ったムンカルさん、前屈み
          になって完全硬直しているランゾウさんをバーでつついて落としました!さらに股間を押さえてへたり
          込んでいるユウヒさんをトンと押します!二人とも豪快な水柱と共に海中へ!さらにそしてイヌイ君、
          ムンカルさんの着地で揺れた足場でよろめいていましたが、たった今水没!」

アズライル     「ムンカルめ…なんと卑劣な…!恥を知れ!」

シンジョウ     「ジャッジは…、何人か渋い顔をしていますが、ただいまの不意打ちは有効!有効のようですっ!競技
          成立っ!」

エイル       「勝機を逃さない見事な漁夫の利アタックでありました。これにて順位確定であります」

シンジョウ     「あ、ジャッジからポイントが提示されています!ジブリールさんとヤマトさんです!」

ジブリール     「善行を働こうとして不運に捕まった神代氏にオレの持ちポイントを…。何というか…、あまり気にし
          ないで良いと思うよ?大丈夫。因果はそう簡単に人を見放さないから…」

ヤマト       「同じく、不幸な目にあったランゾウさんに俺の一点を…。良い事しようとしたんだ!胸張って良い!
          元気出してこうなっ!」



  一位 受取拒否不可     3ポイント           トータル3ポイント

  二位 第二男子寮一年代表  2ポイント           トータル4ポイント

  三位 ザ・ヴィジランテ   1ポイント ジャッジ1ポイント トータル2ポイント

  番外 ごった煮連合     0ポイント ジャッジ1ポイント トータル3ポイント

  番外 出番無いじゃんズ   0ポイント           トータル4ポイント



ハトリ       「いや頑張った。あんた頑張ったよ嵐の字。元気出せ、な?」

アル        「心中お察しするっス…、ユウヒさん…」

ヒロ        「大丈夫だ。すぐ隠したから見えてなかったぞぉ」

ノゾム       「人助けしようとしたんですから!名誉の負傷です!ねっ!?」

ユウヒ&ランゾウ  『………』

シンジョウ     「帰還したユウヒさんとランゾウさん、チームメンバーに慰められています…」

アズライル     「我がチームのボンクラも、海中に没していたイヌイ少年を捕まえて帰還…む?」

エイル       「ムンカルさん、パンツを穿いていないでありますよ?」

シンジョウ     「あ!おぶられてぐったりしているイヌイ君の手に白いブーメランパンツが!何?イヌイ君もしかして
          脱がせ魔?」

アズライル     「目が腐る!その目障りな特大フランクフルトを即座にしまえムンカル!でないと…」(ジャガィンッ)

シンジョウ     「落ち着いてアズライルさん!発砲はだめです発砲は!」

アズライル     「案ずるな。装填したのは「普通の」実弾(50AE弾)だ」

シンジョウ     「なお悪いっ!おぶられてるイヌイ君までミンチになるからっ!」

エイル       「それはそうと、犬かきで戻ってきたヨルヒコさんが、膝を抱えて砂浜に「の」の字書きまくっている
          のでありますが…」

シンジョウ     「ああ…、張り切ってたのにあの結果だったから…。あ、誰か歩み寄って行きます。あれは…」

フータイ      「見られた物では無かったな…。伺う機会も時間もあったというのに、彼我の実力差をはかれぬまま、
          軽はずみな奇襲を試みるなど愚の骨頂…!俺はこれまでお前に何を教えて来たのだ?ヨルヒコ」

ヨルヒコ      「うぅ…!す、すいません先生…!」

フータイ      「先生と呼ぶなとも、常々言っているはずだがな?」

ヨルヒコ      「…す、すいません…」(しょぼん…)

フータイ      「…コホン!…結果は誉められた物では無いが、強者に軽く捻られるのも教訓にはなっただろう…。命
          を奪われる心配の無い舞台で絶技に触れられたのは、儲け物と言える。お前がただの獣でないならば、
          次回に活かせるはずだ。精進しろ」

ヨルヒコ      「は、はい…!必ず!」

フータイ      「…それと…、ご苦労だったな。これでも食え」

ヨルヒコ      「…たこ焼き?え?わざわざお店のを?」

フータイ      「勘違いするなよ!?第二競技が始まってしまったせいでなかなかはけなくて冷めてしまったので捨て
          るのが勿体無いと思っただけであって決してお前を慰めようなどと甘い事を考えて持ってきた訳ではな
          いぞ!?」

ヨルヒコ      「…うん…。ありがとう、せん…フータイさん…」(涙目)

ビャクヤ      「…何だかんだ言って、ちゃんとヨルヒコの先生してくれてるんじゃないか、フータイ」(微笑)

エイル       「それにしても見事でありますイヌイさん。昨年に引き続き、ユウヒさんから褌をはぎ取っているであ
          ります。…天敵でありますね

シンジョウ     「え?もしかしてイヌイ君のポジションってポロリ(剥ぎ取り)要員?」

ムンカル      「が〜はっはっはっはっ!いやぁ勝った勝った!どうだ?俺の活躍ぶりは!」

ミカール      「えぇからパンツ穿かんかいダァホ!」

ムンカル      「お?何だよミック、前屈みになって…。ははぁん?さては興奮し…ぷげぉっ!?」(金的を蹴り上げ
          られて悶絶)





インターバル


エイル       「さて、競技も半分が終了し、小休憩であります」

シンジョウ     「各チーム思い思いに休憩を取っていますが…。騒がしいところもあるようです」

ウツノミヤ     「コーラは三本しか持って来ていないんだぞ!?二本も飲むなブーちゃん!」

キイチ       「あ、いいよ。僕麦茶が好きだから」

ウツノミヤ     「イヌイが飲まないなら良いが…。そんなにコーラばっかり飲んで…」

サツキ       「別に良いだろ?コーラ好きなんだよ」

ウツノミヤ     「コーラが好きだから太るんだよ…」

ハトリ       「そりゃあ違うぜ!いいか?言わせて貰うがコーラが好きだからデブるんじゃねー、コーラを好むデブ
          が多いってだけだ。コーラを責めるのはお門違いだぜっ!愛裸婦攻羅!」

エイル       「コーラへのプリミティブな愛が伝わってくるフォローでありますね」

シンジョウ     「コーラはフォローされてもアブクマ君がフォローされてないわ…」

エイル       「あちらではトラ先生とランゾウさんが屋台の焼きそばを、ブルーシートに座ってモソモソと食してい
          るであります」

シンジョウ     「誰とでも簡単に距離が縮むわねぇ先生…。無害そうだから?それともお祭りだからかしら?」

エイル       「ユウヒさん、アルビオンさん、ヤマギシさんは、ゲンゴロウさんの屋台で買ったお好みを食している
          であります」

シンジョウ     「…まぁ、それこそお祭りだから…」

ムンカル      「親父!お好み焼きもう一枚!」

ナキール      「大将。タコ焼きをもう一皿」

エイル       「アブクマさんのパパ上の屋台、大繁盛でありますね」

シンジョウ     「助手のフータイさんが切れの良い動きを見せてるわ!さすがバーキーパー。配膳に慣れてるわねぇ」

エイル       「バーは閑古鳥だとタマモさんから聞いていたでありますが?」

シンジョウ     「え?じゃあ慣れてるわけじゃないの?」

エイル       「いつお客さんが来ても良いように、ガラガラの店内で常々練習しているのだと、数少ない常連である
          ところのヤチさんから聞いたであります」

シンジョウ     「見た目によらずまめなのねフータイさん…」

エイル       「達人は努力を怠らない物であります。なお、ジャッジの皆さんも思い思いに休憩中であります。気が
          合うのか、ジブリールさんとビャクヤさんが仲良く浜辺を散歩中であります」

シンジョウ     「それぞれちょっかいをかけたそうなアズライルさんとアサヒさんが、つかず離れずの微妙な距離から
          様子を覗ってるわね…」

エイル       「意外な組み合わせとしては、ヤマトさんとイワクニさんが意気投合しているようであります」

シンジョウ     「同じ年だし、同じく寮監経験者だからかも。…あれ?そういえば他にも接点があったかしら…?」

エイル       「VIP席にスポンサーの姿が見えるであります。一言頂くでありますよ」

シンジョウ     「ではちょっとお邪魔して…。まずは烏丸コンツェルンの若き総帥、烏丸巴(からすまともえ)嬢。今
          日はお忙しい中、ありがとうございます!」

トモエ       「いいえ、お二人こそ大役ご苦労様です。面白みもない場所を会場として提供してしまいましたが、予
          想以上に盛り上がっているようで何よりです。私も楽しませて貰っています」

シンジョウ     「いえいえ!立派な会場の用意だけでなく、観覧席も本格的に用意して頂きまして本当に助かったと、
          主催のブルーティッシュも喜んでいるようです!…この若さで総帥なんてしてるだけあって、物腰や言
          葉遣いから威厳が…。おまけにすっごい美人…」

モチャ       「いやいや、今はお嬢はん猫被ってますよって。普段はもっとモペッ!?」

シンジョウ     「わっ!?ど、どどどどうしたんですか三毛猫さん!?あ!?白目剥いてるっ!?」

ガイゼ       「失礼レディ。モチャは急に具合が悪くなったらしい。まぁ、お気になさらず」

シンジョウ     「は、はぁ…。気のせいかしら?今このゴリラのおじさんが後頭部を何かで思い切り殴って黙らせてい
          たような…?」

エイル       「一方こちらは、鼓谷財閥からおいで頂いている皆さんです。…総帥は欠席なのでありますね?」

キヌタ       「はい。代理でぼくが…。鼓谷絹太(つづみやきぬた)と言います」

エイル       「お久しぶりでありますね」

キヌタ       「はい。その節はキンちゃ…コホン!ハトリ共々お世話になりました」

エイル       「ああ、そう言えばハトリさんは雇い主の命令で参加とか…、キヌタさんの事でありましたね?どうい
          うご関係でありますか?」

キヌタ       「えぇとハトリはぼくの恋…ゴホン!専属SPで、友人です」

エイル       「なるほど。ところで、緊張なさっているでありますか?」

キヌタ       「…はい。だいぶ…」(もじもじ…)

エイル       「どうもインタビューは苦手なご様子なので、この辺りにしておくであります」





最終競技「早押しクイズ」


シンジョウ     「さて、休憩開けの最終種目は…、夏と言えばこれ!「デッドオアデス!雑多なクイズバトル!」…っ
          て、デッドオアデス!?どっちにしろ死ぬの!?クイズなのに!?」

エイル       「オーソドックスな早押しクイズであります。ジャンルは実に様々であります」

ウツノミヤ     「しまった…。イヌイこそここで出すべきだったのに…、さっきの判断はマズかったか…」

サツキ       「けどまぁキイチさっきので点取れたし、ウッチーも苦手じゃねぇだろこういうの?…俺が残んなくて
          良かったぜ…」

アル        「むふふ〜っ!ノゾム残ってて良かったっス!」

ユウヒ       「うむ。俺は…、こういった物は少々自信が無いでな…」

ムンカル      「偶然残ったが、俺らん中じゃあミックが一番向いてるな。こいつは儲けたぜ」

コスケ       「雑学ならヤチもそこそこ行けやすぜぃ!」

ハトリ       「やったじゃねぇかセンセー。教師の脳みそ、見せてやれ!」

エイル       「なお、クイズには特設滑り台に乗って挑戦して頂くであります」

一同        『!?』

エイル       「クイズに正解すると、自分の滑り台の角度を落とすか、自分以外全員の滑り台の角度を上げるか、選
          択する事ができるであります。なお、お手つきしても一段上がるでありますからして、うっかり間違え
          ないようご注意頂きたいであります。また、お手つき後の連続回答はできないであります」

シンジョウ     「各チーム頭脳派が残りましたが…、ヤマギシ君、ミカールさん、トラ先生と、半数以上がデスク派メ
          タボです…」

エイル       「なお、海中にはゲストに潜んで頂きましたでありますから、落ちないように頑張って頂きたいであり
          ます」

シンジョウ     「…さぁ…、またも危険な香りがぷんぷん漂って参りましたっ…!」(汗)

エイル       「それほど危険ではないでありますよ?」

シンジョウ     「エイルさんの請け負う安全性は信用できないわよ…。って、両手両脚滑り台に踏ん張るでしょ?早押
          しってどうやるの?」

エイル       「尻尾にスイッチを付けるであります。それで滑り台を叩くなどすればピンポーン!と鳴るであります」

シンジョウ     「なるほど〜。…熊とか尻尾が短い選手だったらどうするつもりだったの?」

エイル       「臀部横側に装着し、滑り台にグイッと押し付けて使って貰うつもりだったであります」

シンジョウ     「大変そうだけど、ちょっと可愛いかも…」


ノゾム       「が、頑張ってみます!…キツそうだけど…」

ウツノミヤ     「出番だな。しかも周囲の連中の顔を見るに、かなり有利な舞台だ。ノゾムだって敵じゃない」

ミカール      「何でへばりつきながらクイズなんや…」(ため息)

ヤチ        「決して得意という訳じゃあ無いんだがな…。頭がかたいとヨウコにもよく言われるし…」

ヒロ        「ん〜…。最初に落下するのは…、やっぱり私なんだろうなぁ…」


エイル       「参加可能メンバーは決まっておりますからして、準備は手早く済んだであります」

シンジョウ     「そして今、皆さん滑り台に…ってトラ先生危なぁああああああいっ!」

エイル       「早くも滑って落ちかけたであります。あの体格の一般人は、滑り台の上で待機するだけでも辛いであ
          りますね」

シンジョウ     「でしょうね…、今170キロ以上あるらしいし…。は、早く開始しないと!力尽きて落ちちゃう!ヤ
          マギシ君もなんかモゾモゾしてるし!」

エイル       「では、開始であります。今回のゲストには問題を読み上げて頂くでありますよ。スポンサーの榊原財
          閥令嬢、榊原明美(さかきばらあけみ)さんであります」

アケミ       「よろしくお願いします」

シンジョウ     「あらサカキバラさんお久しぶり。って挨拶は後後っ!すでにヤバいのが二人居るからさっそくお願い!」

アケミ       「え?あ…!は、はい!それでは第一問!有名探偵小説の主人公、シャーロック・ホームズ氏のお住ま
          いは、ベーカー街のどこ!?」

ウツノミヤ     (ピンポーン!)「221B!」

アケミ       「正解です!」

シンジョウ     「ウツノミヤ君…、やるぅ…!そういえば読書好きだったわね」

エイル       「ウツノミヤさんの選択で、他のメンバーの滑り台、一段階アップであります」

シンジョウ     「トラ先生、早くもキツそうです!もう既にすっごい汗掻いてる!」

アケミ       「第二問!私達の生活に密着し、何かとお世話になる電球。さて、これを発明したの…」

ヤチ        (ピンポーン)「エジソン!」

アケミ       「残念…、不正解です」

ヤチ        「何っ!?」

エイル       「お手つきのため、ヤチさん一段階アップであります」

ヒロ        (ピンポーン)「発明は…、ジョゼフ・ウィルソン・スワン…だった…なぁ…!」(滝汗)

アケミ       「正解です!竹製フィラメントを考案した事で有名なエジソンは、むしろ実用化した人物と言うべきで
          しょうね」

エイル       「トラ先生は自分の滑り台を下げる事を選択。一段下がって元通りであります」

アケミ       「第三問!イントロクイズです!曲名を当ててください!」

ちゃっちゃっちゃららっ、どぅわ〜ん、ぱぱらっ…

ノゾム       (ピンポーン)「Trust You Foreverっ!」

アケミ       「速い!そして凄い!ヤマギシさん正解です!」

エイル       「趣味がこうじてアニソンに強いでありますね…」

シンジョウ     「ヤマギシ君、個人的には意外ですが、自分以外全員1段階アップを選択しました!」

ノゾム       「守ったら負ける…攻めるんだ!」

アル        「その意気っスよノゾム!」

シンジョウ     「お手つき分を含めて既に三段階目のヤチさんと、為すすべなく二段階目に至ってしまったミカールさ
          んが苦しい!」

ヤチ        「な、なんの…!まだまだぁっ!」

ミカール      「歴史の問題は無いんか!?ワシ生き字引やのにっ!」

アケミ       「次はボーナス問題です!正解すると何かあるかもしれませんよ!それでは第三問!織田信長に仕えた
          武将で、草履を懐に入れて生温かく…」

ミカール      (ピンポーン)「任しときぃ!豊臣秀吉や!」

アケミ       「残念でした…」

ミカール      「え?ええ?そんな訳無っ…!」

シンジョウ     「お手つきにより1段階アップですね…」

ミカール      「あ!ちょちょっとまっ…あかぁああああんっ!あかんわこれ!もぉ、ちょ…!やめぇえええっ!」

エイル       「そろそろ限界のようでありますね。踏ん張った手足がプルプル言っているであります」

アケミ       「では問題を最初から…。織田信長に仕えた武将で、草履を懐に入れて生温かくしておいた事がきっか
          けで重用されるようになり、後々大ブレイクを果たした豊臣秀吉ですが、彼は親孝行でも知られていま
          す。さて、秀吉のママのお名前は?」

ウツノミヤ     「普通に…、そんなん知るかぁあああああああああっ!」

ヒロ        (ピンポーン)「大政所…!あるいは仲様…!だなぁ…!」(汗だく)

アケミ       「正解です!さすが先生!」

ノゾム       「し、知ってるひと居た…!」

ミカール      「ぎゃー!分かっとったのにぃー!」

シンジョウ     「ではトラ先生の要望で、先生の滑り台が一段下がります。スタートの位置に戻りましたね」

エイル       「さらにこれはボーナス問題でありましたので…、裏方のシバユキさん、どうぞであります」

シンジョウ     「シバユキさん、何を持ってるんでしょうか?壺?」

エイル       「潤滑油入りの瓶であります」

シンジョウ     「あ…、これから何するか判った…」

エイル       「トラ先生以外の四名の滑り台、そのいずれかに、油をぶちまけて貰うであります」

一同        『っ!?』

シバユキ      「では失礼して…、だれにしようかなごとうしゅのいうとおり…」

ユウヒ       「これシバユキ、勝手に俺のせいにするでない!」

シバユキ      「決まりました。ではミカール様、御覚悟を…」

ミカール      「えわっ!?ちょ、ちょい待ち!待ちぃて、はにゃぁああああんっ!」

ヌルッ…ツルルルルルルルル…ドッポォン!

エイル       「一名脱落であります」

シンジョウ     「いや落ちるわよそれは…」

ミカール      「ぶはっ!くっそぉ!ワシとした事が一抜けしてもぉたわ…!って、何や?今何か足にヌメっとしたモ
          ンが…」

エイル       「繰り返すでありますが、海中にはゲストが待機してくれているであります」

シンジョウ     「そういえばさっきもそんな事…。げ、ゲストって一体…?」

ミカール      「あ…、は…!?な、なななっ!?脱がすっ!脱がして来よるでコイツ!何やコレぇっ!?」

エイル       「ジェリーフィッシュ型第八種危険生物、個別名称ケ・セラセラ。通称セラセラちゃんであります」

シンジョウ     「セラセラちゃん…?」

エイル       「メケメケちゃんに近い特化能力を持っているであります。なお、クラゲらしく刺すであります。って
          いうかむしろ挿すであります」

シンジョウ     「そ、それって…、まさか、その…」(ぼそぼそっ)

エイル       (耳打ちされて)「…ええ、そのまさかであります」

シンジョウ     「…さぁ、大変な事になって参りました…!」(滝汗)

ミカール      「ひぁっ!?ど、どこまさぐって…!あか…ん!ソコはあかぁあああん!」(涙目)

エイル       「大丈夫であります。事は水面下で密やかに進行するでありますから、ギャラリーにはミカールさんが
          痴態を曝しているとは思えていないであります。ただ何らかのハラスメントを受けているだけに見えて
          いる事でありましょう」

シンジョウ     「…エイルさん…」(ゴクリ…)

アケミ       (気付いてない)「では第四問!玉がぶらぶらしている棒を穴に入れる…」

ヒロ        (ピンポーン)「確か、けんだま…だったなぁ…」

アケミ       「早いっ!そして正解です!…結構難しいと思ってたのに…」

シンジョウ     「異様に速いし…!」

ヒロ        「十年程前にテレビで見てなぁ。…忘れないだろうなぁ、あれは…」

エイル       「トラ先生の希望は一段下がる、でありますが、先の問題でスタート位置まで戻り、これ以上は下げら
          れないため、他を上げるであります」

ヤチ        「あ、上げっ…!?っく…!?く…!おわあぁああああああっ!」

キキュキュキュキュリリリリ…ザパァン!

シンジョウ     「あぁあぁあぁあぁあ…!ヤチさんまでクラゲの餌食に…!」

エイル       「…おや?ミカールさんから離れようとしないでありますね?」

シンジョウ     「どうしたのかしら?」

エイル       「…どうやら、ミカールさんの方が気に入っているようであります。元の飼い主が飼い主でありますか
          ら、太めが好みのようでありますね」

シンジョウ     「前の飼い主、太っていたの?」

エイル       「これぞ見本のようなメタボでありました」

シンジョウ     「そ、そうなんだ…?」

エイル       「残るはヤマギシさん、ウツノミヤさん、トラ先生の三名。狐狐虎であります」

シンジョウ     「ヤマギシ君、ウツノミヤ君は二段階目、トラ先生は一人だけスタートの位置です!」

エイル       「それにしても…、ヤマギシさんとウツノミヤさん、同じ狐とは思えない体型差でありますね」

シンジョウ     「しーっ!さっきから一言以上多いわよ!」

アケミ       「続けますね〜、第五問!ところで今何問目?」

ウツノミヤ     「今「第五問」って言ったじゃないか!」

ノゾム       (ピンポーン)「五問目!」

ウツノミヤ     「しまった!回答する前に反射的に突っ込みを!」

アケミ       「ヤマギシさん正解です!」

シンジョウ     「反応はウツノミヤ君の方が速かったけれど…、これ早押しクイズだから…」

ノゾム       「悲しいけど、これ戦争なのよね…」

ウツノミヤ     「おのれノゾムっ!」

エイル       「ヤマギシさんの要望により、ウツノミヤさんとトラ先生の滑り台、一段階上昇であります」

シンジョウ     「手足をブルブルさせながら滑り台にしがみ付くウツノミヤ君。体重が軽いとはいえ角度の限界が近い
          のか、物凄い形相です!」

エイル       「必死に便意か尿意と戦っている時の顔でありますね」

シンジョウ     「エイルさんっ…!」(脂汗)

エイル       「一段上がっただけで、トラ先生も大変そうであります」

ウツノミヤ     「くっ…、ぐくっ…!はっ!?あぁあああああああああああっ!」

つるっ!しゅららららららっ…タパァン!

シンジョウ     「ああ!手が汗で滑ったのか、ウツノミヤ君滑走!着水!」

エイル       「残り二名でありますね。…それにしても、ウツノミヤさんにも、セラセラちゃんがよって行かないで
          あります」

ミカール      「なんでぇー!?なんでワシだけ…はひっ!き、キツい!キツいて!堪忍してやほんま!」

シンジョウ     「まるっきり一人だけの罰ゲームね…」

アケミ       「そろそろ決着でしょうか…?それでは第六問!「1+1=約1.94」これな〜んだ?」

シンジョウ     「へ?こ、ここに来てナゾナゾっぽいクイズ…?」

エイル       「…いえ、これは…、かなり意地が悪い問題であります…」

ノゾム       「約1.94…ダイタイイクヨ?大隊往く夜…?それとも大腿逝くよ?だ、だめだ…!わかんないぃ!」

ヒロ        (ピンポーン)「水と…アルコールを…混合した後の体積…かなぁ…」

アケミ       「正解です!さすが化学の先生ですね!」

エイル       「水とアルコールは分子の大きさが違うのであります。水の方が細やかなので、混合すると互いの分子
          間に入り込み、結果的に体積が少し減るのであります。水1リットルとアルコール1リットルを混ぜる
          と、およそ1.94リットルになるのでありますよ」

シンジョウ     「やけに詳しいのね?」

エイル       「自慢ではありませんが、薬物毒物は専門でありますので。さて、トラ先生の希望で一段下が…、あ…」

シンジョウ     「…あ…」

ノゾム       「だ、だめっ…!もうっ、手が…、ひゃぁあああああああっ!」

キキュッ、キュッキュッ…キュキュキュ…ダパァン!

シンジョウ     「ヤマギシ君!ついに力尽きて落ちました!」

エイル       「頑張った方でありますよ」

アケミ       「えっと…。これで順位は確定ですね?」

エイル       「で、ありますね。さて、ヤマギシさんはセラセラちゃんのストライクゾーンに入っているはずであり
          ますが…」

ミカール      「ちょ!そんな動いたらあかん!あかんて!うっ!?そ、そない奥…までぇ…!」

エイル       「どうやらまだ取り込み中のようであります」

シンジョウ     「…あ、近くにミカールさんのパンツ浮いてる…」

ミカール      「あ、あかんっ…!はんっ!そない激しくしたらっ!あぁあぁあかんてぇっ…!ワシ…、ワシもう…、
          イッ…ふあっ…!」(ぶるるっ…)

エイル       「何やら痙攣したミカールさん、ぐったりと項垂れた後、顔を伏せたまま肩を震わせ始めたであります」

シンジョウ     「…不憫…。あ、ジャッジからポイントが提示されています!イワクニ先輩です!」

イワクニ      「何て言うのか…。一人だけ生け贄になって、後続の被害を結果的に食い止めたミカールさんに、心か
          らの一点を…」

シンジョウ     「あれ?もしかしてイワクニ先輩には、海中の出来事がバレてる?」

エイル       「ジャッジ席には専用モニターが設置してあるでありますから、水中カメラの映像で、水面下で起こっ
          ている事も丸見えであります」

シンジョウ     「さぁ、現在岸辺では、海中でパンツを穿いてのろのろと帰って来た獅子を、何も知らないメンバーが
          労っております」

ムンカル      「まぁ、結果はちっと残念だったが、ポイントは入った。1チームだけビリって恥だけは回避できたし
          な。良くやった良くやった。…あれ?お前泣いてんの?」

ナキール      「はて?何があったのだろうか?」



  一位 ごった煮連合     3ポイント           トータル6ポイント

  二位 ザ・ヴィジランテ   2ポイント           トータル4ポイント

  三位 第二男子寮一年代表  1ポイント           トータル5ポイント

  番外 出番無いじゃんズ   0ポイント           トータル4ポイント

  番外 受取拒否不可     0ポイント ジャッジ1ポイント トータル4ポイント



エイル       「という訳で、優勝はトラ先生、ハトリさん、ランゾウさんの、「ごった煮連合」であります」

シンジョウ     「会場からは全競技者の健闘を称えて、まるで地鳴りか万雷か、耳がおかしくなりそうな大歓声と拍手
          が沸き起こっています!」

エイル       「では、優勝賞品の説明を行うでありますよ」

シンジョウ     「はい!今回の優勝賞品も、昨年と同じく「出番」です!」

ヨルヒコ      「それがすっごく欲しかった…」(泣)

エイル       「来年(あれば)頑張って頂きたいであります」

ヒロ        「出番…、なぁ…」

エイル       「トラ先生は継続して出番があるでありますからね。有り難みは薄いでありましょう」

シンジョウ     「トラ先生、昨年に続いて二連覇ですね!」

ハトリ       「へぇ…。優勝すると出番貰える事になってんのか」

エイル       「あまり欲しくないでありますか?」

ハトリ       「出番より休みが欲しい。終日ダラダラベッドの上で、くんずほぐれつ二人きりで過ごせたら最高なん
          だけどなぁ…」

シンジョウ     「ランゾウさんはどうですか?」

ランゾウ      「………」

エイル       「ひょっとして、お酒や食べ物の方が良かったでありますか?」

ランゾウ      「………」(こくり)

エイル       「出番があれば、美味しい物が食べられるかもしれないでありますよ?」

ランゾウ      「……………」

シンジョウ     「あ。ちょっと嬉しそう…」

エイル       「それではこれにて、競技の一切は終了であります」

シンジョウ     「皆さん、お疲れ様でしたっ!この後はスポンサーのご厚意により、バーベキューパーティーが開催さ
          れます!選手の皆さんも応援の皆さんも、砂浜で思いっきり騒いで下さいっ!」







ユウヒ       「戦いすんで日が暮れて、兵共が夢の後…、か…」

マユミ       (ええ。あの騒ぎが嘘のようです)

ユウヒ       「日没間際の潮騒もまた風流…。山育ちの田舎者ゆえ、海に沈む天道は目に染みる」

マユミ       (そういえば、東護に滞在しておられた頃も、日の出を見るために、何度か早起きして海まで足を運び
          ましたね…)

ユウヒ       「…いや、あの節は付き合わせて済まなんだ…」(苦笑)

マユミ       (とんでもない。不要と言われながら無理に案内を買って出たのは私ですから)

ユウヒ       「ふむ…。それにつけても、海よりいずる朝日と、沖へ沈む夕陽を一つ所より愛でられるとは…、実に
          良い島だ」

マユミ       (ええ、本当に…。その内に私も、南の島へでものんびり旅行などしてみましょうか…)

ユウヒ       「マユミさんが?」

マユミ       (ええ、南の島へ行く適当な船の積み荷にでも紛れ込んで…)

ユウヒ       「それは…、…つまり密航か…」(汗)

マユミ       (運賃は無料です。人の精神と知恵を持った猫の侵入を防ぐ手段は、結構少ない物なんですよ?)

ユウヒ       「一言告げて貰えれば、如何様にも手を打とう。どうか無茶は慎まれよ…」

マユミ       (…はい。ふふふ…!)(苦笑)

ユウヒ       「さて、代表というのもおこがましいが、某より皆様方に御礼を…、

          …ほぉむぺぇじ開設より丸々二年…。

          貴重なお時間を削ってまで足を運んで頂いた皆々様のご厚情に支えられ、どうにか立ち消える事無く
          運営継続。この度めでたく二周年と相成りました。

          挨拶すら人任せの無精な語り手もまた、出来得る事ならばこれからも、手前勝手に駄文雑話を重ねて
          ゆきたいとの事。

          相も変わらぬ馬鹿騒ぎと、拙き駄文をお目に掛ける羽目になろうとは思われますが…、どうか皆々様、
          鷹揚の御見物を…。

          本日は、貴重な時間を割かれて長々とお付き合い頂き、真に有り難うございました」

マユミ       「なぁお♪」







マユミ       (挨拶、少々堅苦し過ぎたのでは?)

ユウヒ       「…かも知れぬ…。俺はユウト程すぴぃちが得意では無い上、話術の才も無いでな…」













































アパアパちゃん
 (マニアックな表現含有)