おまけ
「あれ?」
「む?」
夕食を終え、揃って寮の食堂を出たオジマとイイノは、何やらコソコソとロビーを横切り、階段を目指す羆の姿を目にして
首を傾げた。
いやに前屈みの姿勢で、両手で隠すようにして紙袋を胸に抱え、周囲をキョロキョロと見回しながら進んでいたヤマトは、
「んげ…!?」
一瞬遅れて二人に気付き、足を半端に上げた姿勢で硬直した。
「おかえりなさい先輩!」
「珍しいですね。夕食時に居ないなど…」
「どこに行ってたんです?」
ゴールデンウィークに入って帰宅者が抜け、ただでさえ閑散としている食堂。
そこにこの三号棟のシンボルのような羆の巨体が見えないと、まだ入寮して一ヶ月のイイノでも何やら違和感を覚えてしまう。
揃って歩み寄り、声をかける二人に向き直ったヤマトは、紙袋を背後に隠しながら引き攣った笑みを浮かべる。
「お、おう!まぁな…!ちょ、ちょっと遠出してきたもんで…。ほら!花の大連休だしな!」
今日から世間はゴールデンウィーク。
オジマとイイノ、柔道部は、練習試合にやってきた他校の柔道部との技の研鑽に一日を費やしたが、ヤマトは朝食を摂るな
りいそいそと何処かへ出かけていったのである。
休日となれば、日がな一日部屋でゴロゴロして過ごしている事が多いヤマトが、朝に寮を出て日が落ちてから帰って来た。
おまけに夕食も寮で摂らず、外で済ませて来たという。
珍しい事もあるものだと、それなりに付き合いの長いオジマは首を傾げたが、すぐにその理由に思い至る。
「ところで、遠出って何処かへ買い物に?」
イイノはヤマトが背後に隠した物に興味を持ち、首を傾げて尋ねた。
「えぅ!?う、うんまぁ、そのぉ…」
隠し事が下手なヤマトがあからさまに動揺している事から、オジマはソレを確信した。
「また洋菓子ですか。適度にしておかんと、また身体測定で泣きを見ますよ?」
そっけなく言ったオジマに、
「わ、解ってるって…!」
ヤマトは怒るでもなく、むしろ話が逸れてほっとした様子で半笑いを浮かべる。
「早く冷蔵庫に入れた方が良いのでは?さ、行くぞ、イイノ」
オジマはイイノを促すと、さっさと談話室に向かって歩き出す。
「え?あ、はい…。それじゃあ先輩、また後で」
ペコリと会釈した猪が恋人の後を追いかけてゆくと、ヤマトは緊張を解き、ほっと息を吐き出した。
「…さすがに、これはバレると気まずいからな…」
呟いたヤマトは再び袋を胸に抱え、コソコソと階段を登って行った。
「…エロいパソゲー?」
「うむ。しかも「その手のヤツ」な」
人もまばらな談話室で、並んでベンチに腰掛け、雑誌を読みながら、二人は小声で話をしていた。
この男子寮三号棟では、買って読み終えた雑誌をそれぞれが談話室に放置してゆく。それを回し読みするのが寮生達の楽し
みの一つにもなっていた。
寮生三十六名も居れば、ほとんどの月刊誌、週刊誌は網羅される。
大半の寮生は雑誌類を自分では購入せずに、誰かが買ったものをただ読みさせて貰っているのだが、寮監からしておおらか
でのんびりしているこの寮の気風なのか、それについて文句や嫌味を言う雑誌購入者も居ない。
「寮監は、たまに電車を乗り継いで遠出し、「そういった店」で「そういった品」を買って来る」
オジマの説明に「ふぅん」と頷いたイイノは、雑誌から顔を上げ、虎の横顔を見つめた。
「もしかして、ユウヤもたまに行くのかい?」
「いや。そもそもパソコンすら持っていないだろう?買ったところで携帯すらロクに使いこなせていない俺に扱えるとは思えん」
簡単なメールを打つにも、思い切り顔を顰めつつ文字を口で読み上げながら、人差し指で慎重にボタンを押していたオジマ
の様子を思い出し、イイノは心底納得して頷く。
「あの慌てぶりからすると、まぁ間違いあるまい。俺はともかくマサにまでは知られたく無かったのだろう」
「「俺はともかく」って…、ヤマト先輩、ユウヤには隠さないのかい?」
「最初は隠していたが、一度露見した後は気にしなくなった。まぁ、あの通りだからな、寮監は」
(どう露見したのかが気になるなぁ…)
イイノはバレたその時にヤマトがどれほど慌てたかを想像し、含み笑いを漏らした。
「…む?」
雑誌の表紙裏、カラー広告を眺めていたオジマが声を漏らし、イイノはそのページを覗き込む。
「どうしたんだい?」
「寮監が欲しがっていた、なんとかという漫画のキャラクター人形…、それの通信販売広告が載っている」
猪は目を細め、その縫いぐるみの写真を見つめた。
「…なんか…、ちょっとチワダに似てないかな?これ…」
「…言われてみれば…そうだな…」
二人は微妙な表情で、広告を見つめたまま押し黙った。
一方その頃、人目を忍んで自室に帰り着いたヤマトは、慌ただしくドアに施錠し、いそいそとテーブルに歩み寄り、大事に
抱えていた紙袋を重なった雑誌類の上に置いた。
堂々としていた方がむしろ怪しまれないものなのだが、どうやら軽く興奮しているらしく、そこまでは頭が回らなかったよ
うである。
床に散らばった雑多な物を押し退けテーブルの傍に座るスペースを確保すると、ヤマトは床にどっかと腰をおろし、テーブ
ルの上へ無造作に重ねられた雑誌の上に鎮座した紙袋を見つめた。
ゴクリと唾を飲み込みながら紙袋に手を突っ込んだ羆は、その中からさらにコンビニの袋でくるんだ箱を取り出す。
あぐらをかいた足の上に箱を乗せ、ビニール袋をもどかしげに破り、ヤマトが取り出したその箱の中身は、ジョークグッズ
と銘打たれたバイブレーターである。
チワダが所持していた物とほぼ同型のソレこそが、本日、ヤマトが電車を乗り継いで遙々購入してきた代物であった。
破いた袋の穴から、一緒に購入したローションと、コンビニで買ってきた乾電池がごろりと転げ、ヤマトの股の隙間に落ちる。
それらには目もくれず、ごそごそと箱を開けたヤマトは、まず現れた本体を、目を見開いて凝視した。
少々デフォルメされているものの、立派な、と言って良いサイズの男性器を象ったバイブ…。
おそるおそるといった様子でそっと手に取り、ヤマトはソレを眼前に翳してしげしげと見つめた。
「…結構立派なのな…」
ヤマトはソレをじぃ〜っと見つめた後、視線を下に向け、たるんだ腹の下に潜り込んでいる、ハーフパンツのゴムを掴む。
そしてクイッと引っ張り、中を覗き込み、寮生内で唯一彼だけが着用している下着越しに見えるそのシルエットを確認した後、
「………」
確認した後…、
「……………」
確認…、
「…ま…まぁホラ!つっ、つくりモンだしなこれっ!うん!」
引き攣った笑みを浮かべて顔を上げ、殊更に明るい声を上げた。
なお、その視線は無意識にバイブから逸らされている。
「…さて、説明書読んだら風呂行くか…」
バイブを箱に戻し、乾電池とローションも一緒にしまうと、ヤマトは説明書に目を通した。
しばらく読みふけった後にそれらを机の引き出し、それも鍵の掛かる段に押し込み、しっかりと施錠する。
ヤマトはやや不安げな、そして緊張しているような顔で机を見つめた後、
「さ、さぁて、風呂風呂っ!」
気を取り直したように声を上げると、点呼までの時間を潰すべく、入浴セットを手にして部屋を出た。
点呼を終え、準備を終えたヤマトは、床の荷物を足で除け、広めにスペースを確保した。
机の鍵を開け、引き出しからいそいそと箱を取り出す羆は、下着一丁、真っ赤な六尺褌のみを身につけた姿。
その尻では、丸く短い尾がピコピコとせわしなく動いている。
(…ち、チワダの話じゃ…、気持ち良いって事だしな…)
ヤマトは箱を手にして確保したスペースに戻ると、後輩から聞いて興味を持ったバイブを箱からそっと掴み出す。
そう安い品でもなかったが、「おもちゃ屋」で散々吟味して選んで来た一品である。
(後悔は無い…!)
と自分に言い聞かせるヤマトだったが、実はかなり緊張していた。
後ろの穴を自分で弄る事は、なにせ生まれてこのかた経験が無い。今夜が初めてなのである。
床にあぐらをかいたヤマトは、説明書を手に取り、手順を再確認し始める。
(し、尻の穴の洗浄…、オーケー…。ローション…、用意した…。後はえぇと…、マッサージ?慣らし?…この辺はまぁ、や
りながらかなぁ…。とりあえず軽くやってみるか…)
緊張で少し手を震わせながら、ヤマトはバイブレーターに乾電池をセットする。
そして立ち上がり、するりと褌を外して全裸になる。
その股間。フサフサの豊かな被毛に被われ、贅肉で三角に盛り上がったそこには、チマっと小さな性器が、早くも反り返っ
ていた。
ずるむけで、太さは並の上ながらも、とにかく短いヤマトのソレは、まん丸としたピンクの鈴口から、意地汚くヨダレを零
し始めていた。
すでに、だいぶ興奮しているようである。
ヤマトはゴクリと唾を飲み込む。いざとなると若干恐くなってきた。が、そこで連休中は里帰りしている後輩の顔を思い浮
かべる。
一年生のチワダは、ヤマトに「どんな感じだ?」と尋ねられると、恥ずかしそうにモジモジしながらも、凄く気持ちが良い
のだと答えてくれた。
(落ち着け…、落ち着け俺…!チワダだって実際にやってるんだから大丈夫…。どうって事無い、ただのオナニーの延長だ…。
自分でやるんだし…、痛かったらすぐ止めれば良いし…)
胸に手を当て、スーハーと深呼吸すると、ヤマトは覚悟を決めて、ローションを手に取り、その場でヤンキー座りをする。
屈んだだけでムッチリした腹や胸がゆさっと揺れる辺り、オジマにからかわれるのも仕方のない太り具合ではあった。
ヤマトは手の平に垂らしたローションを指でのばしながら、手を股の間から伸ばし、尻にあてがう。
指先で肛門回りに塗りつけた、手の平の温度で少し温まっただけのローションは、ひんやりと冷たい。
その不慣れな感触に、羆は口を引き結びながら太った体を震わせた。
(つ、次は…、ほぐすんだっけ…?)
大きく深呼吸し、不安と期待と緊張で高鳴っている胸を鎮めると、ヤマトはローションでぬめった人差し指を、肛門にひた
りとあてがった。
ググッと力を込め、ゆっくりと入れて行く指の感触を、少しばかり恨めしく感じる。
股間の逸物を除けばどこもかしこも平均よりかなり太いヤマトは、当然指も太い。圧迫感はかなりの物であった。
(く…!け、結構…、キツい…!チワダみたいに…細かったら…、もう、ちょっと、楽なんかねぇ…?)
フランクフルトのような指の先を肛門に埋め、軽く動かしてほぐすヤマトは、歯を食い縛って泣きそうな顔をしていた。
「も、もう良いだろ…。ってか勘弁して貰おう…」
やがてそう呟くと、ヤマトは尻の穴から指を抜き、「ほふぅ…」と、圧迫感から解放されて息をついた。
(えぇと、次は…、バイブにローションを塗る…、か…)
説明書を確認しつつバイブを手に取ったヤマトは、ローションをこれでもかと塗り始めた。
不必要なまでに入念にローションを塗りたくっているのは、実は不安の現れであったりもする。
やがて、ヤマトはその手を止め、ローションでぬめった光沢を帯びたソレを、改めて見つめた。
(…こ、これ…、でか過ぎた…かな…?)
大きい事は良い事だ!の精神でチョイスしたものの、これからこのバイブを下の穴から挿入するとなると、いまさらながら
に抵抗を感じる。
怖じ気づいたヤマトだったが、また深呼吸して気持ちを落ち着け、
(痛かったら止めりゃいいんだ…。そう、いつだって止めれるんだから…)
と、自分に言い聞かせて、背中側に手を回し、バイブの先端をそろそろと肛門にあてがった。
脱力を心掛け、その先端で肛門をククッと押す。
ローションでテカテカと光る亀頭が、押す圧力に負けて開き始めた穴に、ゆっくりと先端を埋没させ始めたその時、
コンコンっ
「おえうぁっ!?」
突如響いたノックの音に、ヤマトは心臓が止まるほどに驚き、背中側にバランスを崩して尻餅をついた。
づぶぶっ!
「っ!!!!!」
尻餅をついた状態で、口を大きく開けたものの、声は出なかった。
『寮監?』
ドアの向こうから、オジマのくぐもった声が微かに聞こえたが、ヤマトは返事すらできない状況である。
一方、廊下では…。
雑誌を届けてやろうと思い部屋の前に立ったオジマが、返事が無い事を不思議に思い、目を細めていた。
もう一度ノックしようと、拳を握って右腕を上げたオジマは、
(…まさか、もう寝たのか?ずいぶん早いが…)
思い直して、ドアを叩こうとした手を下ろす。
(遠出で疲れたのだろう…。明日で良いか…)
と、一人納得し、踵を返すと、
(…たまには、俺がマサの部屋に行くか…)
オジマは縞々の尾を機嫌良さそうに左右に揺らしつつ、そのままヤマトの部屋から遠ざかって行った。
自分が今、ヤマトを大変な目に遭わせてしまった事などには、全く気付かないまま…。
尻を上げ、床に顎をつけたうつ伏せの姿勢で、ヤマトはブルブルと震えながら、目尻に涙を溜めていた。
自分の手でやるのだから、好きなときに好きな程度でやめられるはずだった。
が、ノックに驚いて尻餅をついた拍子に、先端が入りかけていたバイブは、ヤマト自身の体重が仇となり、尻の穴に一気に
潜り込んでしまったのである。
(い…、いってぇ〜…!尻…!尻が裂けたかと思った…!ぐぅ…、ジンジンするぅ…!)
入ったと言うよりは貫かれたと言った方がより正確な、情け容赦の無い挿入の衝撃で、ヤマトは声も出せずにプルプル震え
ている。
(き、キッツいなぁコレ…!下っ腹がつっ張って、妙な感じ…!)
やがて、痛みが少し引いてくると、ヤマトはそのままの姿勢で、恐る恐る尻に手を伸ばした。
だが、掴もうとして伸ばした指先が空ぶり、羆はカチンと固まった。
尻に挿さっているはずのバイブ。だが、グリップが無い。
「え?あ、あれ?あ、あああああ!?」
指先で尻をまさぐったヤマトは、その事に気付いて愕然とする。
グリップまでが棒状のバイブは、僅かに摘めるだけの余裕を残して、ほぼ完全にヤマトの尻の中に入り込んでしまっていた。
(い、痛ぇし、苦しいし、キツいし…、も、もう良い…!止めとこう…!)
諦めたヤマトは、指先でグリップの端をつまみ、顔を顰めながら引っ張る。
「んぐぅ…!」
歯を食い縛り、圧迫感と痛みに耐えながらグリップを引いたヤマトの指が、カリッと音を立てて滑った。その直後、
ぶいぃぃぃぃいいいいん…
「ん?んん?んっ…、あ、あふっ!?」
虫の羽音のような微かな音と、小刻みな振動が腹の中から生じ、羆は顔色を変える。
指先が電源兼振動調節スイッチを擦ってしまい、ヤマトはバイブに息を吹き込んでしまった。
初めての挿入な上に、いきなり最大振動を経験させられたヤマトは、腸内から発せられる振動で妙な声を上げる。
「あ、あひっ!あいいいいいいっ!?や、やややややややばっ!」
大慌てでスイッチを切ろうとしたヤマトだったが、
「あ、あ!?な、なんだ!?止まら…、いががががががっ!?」
動いた拍子にバイブの振動が伝わりやすい体勢になってしまい、声を上げる。
バイブの振動調節プラス電源スイッチはヤマトが尻餅をついた際に、その191キロの体重を一瞬だけ一点で受け止め、破
損してしまっていた…。
「い、いひっ!?ちょ、まっ…、あ、あああああああっ!」
腹の中で暴れ回るバイブに、腸壁や前立腺を刺激され、ヤマトは悲鳴を上げる。
「いひぃいいいいっ!ま、待って!悪かった!俺が悪かったってば!」
快楽と異物感にすっかり狼狽し、何故か謝るヤマト。
「あ、あはっ…!ちょ、おいぃいいいっ!だ、だ、めぇ…!」
背筋を逸らし、ブルブルと震えるヤマトの目には、涙が滲んでいる。
「ひっ、か、カンベン…、カンベンしてぇ…!そ、そんあ…、ブルブ…ル…された、らぁっ…!」
荒くなった呼吸で、自重に引かれてボヨンと下がった腹が、ふいごで空気でも入れられているように、激しく上下し、波打つ。
「あ、あ、あ、ああああああっ!」
壊れてもなお、律儀に己のレゾンデートルに従って激しく振動するバイブに、深く貫かれた直腸内を蹂躙され、羆は高い声
を上げて喘ぐ。
「あ、あ、あ…、も、もぉだめ…!い、イ…くぅっ…!」
ヤマトの太く短い男根、その鈴口から、精液がトプッと溢れた。
パタタっと床に垂れる精液は、しかし…、
「あ、あれ?あ、ん?んんん!?」
留まることを知らず、トプトプトプトプと零れ続ける。
「な、何だこ…んうっ!あ、はぁっ!はひっ!い、イくのが、何か、と、止まらな…!?」
なおも腹の中で震え続けているバイブによって、前立腺を刺激し続けられ、射精を続けさせられながら、
「お、お願い…、も、もぉ、赦してぇ…!」
ヤマトは下腹、性器のすぐ上辺りを手で押さえ、喘ぎ声を漏らしながらモゾモゾと悶える。
「あひっ!や、やめっ、まってって…!ちょっ!?んぎぃっ!?」
待てと言われて待つはずもなく、狂ったバイブに犯され続けながら、ヤマトはひぃひぃと息を荒げる。
「か、カンベン!カンベンしてぇ!ほ、ホント、にぃ!あ、頭、おかしくなるってぇ!」
容赦なく責められ、延々とイかされ続けながら、ヤマトは息も絶え絶えになって、何とかバイブのグリップを指先で摘んだ。
指で底を固定したせいなのか、土台を得たバイブの振動は、これまで以上にヤマトの腹中を震わせた。
「ひ、ひあうっ!?う、うあ、あふぅん!」
妙な嬌声を上げながら、なかなか力が入らない指を懸命に動かし、ヤマトはバイブを引っ張る。
「い、いうっ…!ううぅん…!いぎっ!んっ、ううぐぅっ!」
必死に気張りながらずっ、ずずっ、とバイブを引っ張り出したヤマトは、ずぽんっと音を立ててバイブが抜けると、力尽き、
その場でベシャっと潰れた。
床に放り出されながらもなお、まだ足りないと言わんばかりに、ブウゥゥゥゥンと振動を続けているバイブを涙目で見つめ
ながら、
「お、俺…、ウケは無理だ…!」
汗ビッショリになったヤマトは、ぜぇはぁと荒い息をつきながら呟いた。