おまけ

「んが〜…、く〜…、んが〜…、く〜…」

床に敷いた布団の上で、掛け布団を足下まで蹴り下げて、気持ち良さそうに大口を開けたヤマトは、規則正しくもやや喧し

い寝息をたてていた。

寝間着でもある浴衣は、あまり寝相が良く無いためにかなり着崩れている。

だらしなくはだけられた胸元から腕を突っ込み、ダブダブの腹をモソモソ掻いている羆を、

「………」

ベッドの上に横臥し、片肘をついているゴールデンレトリーバーが、不機嫌そうに細めた目で見つめていた。

ホテル代を惜しんで、古巣である寮の後輩の部屋に泊めて貰い、先に眠りに落ちたハトリではあったが、その後輩の寝息や

ら何やらで目が醒めてしまったのである。

部屋の主である羆は、時折「くかっ!」「ふしゅ〜…」「ふがぁ…」「むにゃむにゃ…」などと口から様々な音を漏らすだ

けでなく、モソモソと身じろぎしたり頻繁に寝返りを打ったりする。

体が極めて大きい事もあり、寝返りをうった拍子に腕が投げ出されただけで、バタンとかなりうるさい音が鳴る。

ハトリが不機嫌な理由は、勿論安眠を妨げられたからという事もあるのだが、

(…何で幸せそうな顔してやがんだコイツは…)

どんな夢を見ているのか、表情を弛緩させたヤマトがニヘラ〜ッと笑みを浮かべているのが、とにかく気に障った。

(おれは安眠妨害されてるっつーのに…、この野郎、どんなヤラシー夢見てやがんだ?)

ハトリ脳からすれば、寝ながら笑っているのは「その手」の夢を見ているから、という事になる。

しばらくの間、幸せそうなヤマトの寝顔を無言で見つめていたハトリは、垂れ耳をパタタッと動かし、何か企んでいるよう

な底意地の悪い笑みを浮かべた。



「全部奢り!?ホントか!?」

丸いテーブルの上にあてがわれたロールケーキやパフェ類を眺め回し、ヤマトは目を輝かせた。

「…って、何があったんだ一体?」

「いつも世話になっているお返しを」

向かいに座ったオジマが、いつものように表情に乏しい一見不機嫌そうな顔と、感情に乏しい低い声で返事を返す。

「ん〜…、嬉しいけれどもなぁ、俺になんて気を遣う事無いんだぞ?」

「たまには良いでしょう」

テーブルの上に乗っているボリューム満点のパフェを押し、オジマが促すと、ヤマトは申し訳なさそうに、そしてとても嬉

しそうに耳を伏せて笑い、パフェを手に取る。

高さのある大きな器に、零れそうに盛られた見た目も綺麗なパフェに、スプーンを近付けたヤマトは、

「…あれ?何か腹が苦しい…?」

軽く顔を顰め、視線を下に向けた。

ベルトをきつく締め過ぎているのかと思い、器をテーブルに戻して、たるんだ腹が乗っているバックルに手をかけたが、む

しろ圧迫感はベルトで締めている位置よりもだいぶ上、胃の辺りに感じている事に気付く。

不思議がって首を傾げたヤマトは、オジマが身を乗り出した事に気付き、視線を上げた。

テーブルの上に身を乗り出したオジマは、無表情にヤマトを見つめ、いきなり平手で右頬をひっぱたいた。

「いっつ!お、オジマ…?」

後輩の顔をキョトンとして見遣ったヤマトは、続けて左の頬を張られた。

「ちょ、イテッ!お、オジマ?何すんだ…ってイテッ!」

スパンスパンと規則正しく、左右の頬を張り続けるオジマ。

まるで椅子に縛り付けられてでもいるように、何故か体が全く動かず、手を上げて顔を庇う事すらできないヤマトは、され

るがままに両頬を張られ続ける。

「イテッ!お、おい止め…、イテッ!オジマ!?どうしたんだよ急に…イテッ!」

動けないヤマトの頬をバシバシ叩いていたオジマは、無表情のまま口を開いた。

「おい。起きろヤマト。おいったら」

身動きできないヤマトの耳には、その遠くから聞こえてくるような声は、オジマではない誰かの物に聞こえた。



「おいってば。起きろこの野郎」

頬を叩かれる痛みと腹に感じる重み、加えて繰り返されるその言葉で、ヤマトは薄く目を開けた。

「…んぁぁ〜…?」

仰向けに寝ている自分に馬乗りになり、顔を覗き込んでいるハトリの姿が、半分瞼がかかった瞳に映る。

「やっと起きやがった…。おれの眠りを覚ましたあげくに、何一人でけしからん夢見てやがんだこら?あーん?」

「…けしからんって…」

寝ぼけ眼で呟いたヤマトは、半分眠った頭のまま鼻の上に皺を寄せ、いきなりガバッと身を起こす。

「お、俺のパフェとロールケーキ何処にやった!?」

「おわっ!?…ってパフェ!?」

腹筋でもするように勢い良く身を起こしたせいで、丸々とした腹の上から転げ落ちるハトリ。

後ろへ倒れかかったハトリの両肩を掴んだヤマトは、その体を力任せにガックンガックン、前後に揺さぶった。

寝ぼけた半眼の状態で眉間と鼻に皺を寄せたヤマトは、実にコワい顔になっている。

「せっかくオジマが奢ってくれたのに!俺のパフェ返せぇ!」

「落ち着けヤマト!パフェなんかハナっからねーよ!」

ハトリが声を上げると、ようやく目が冴えてきたらしいヤマトは揺さぶりを止め、まじまじとレトリーバーの顔を見つめた。

「…何してんすか先輩…?」

自分の肩を掴んだまま、キョトンとした顔で首を傾げるヤマトを前に、ハトリもまた首を傾げた。

(パフェ?あっちの夢じゃなかったのか?…まぁヤマトらしいけどよ…)

首を左右に振って気を取り直すと、ハトリは後輩の顔を睨み付けた。

「おめぇがうるさくて目ぇ醒めちまったんだよ!グガグガフガフガ、ゴロンバタンゴロンバタン…、騒々しいったらありゃし

ねー!」

「意外と神経質っすねぇ先輩。寝てれば誰だってそのぐらいはあるっしょ?」

「度を越してんだ!おめぇのはよっ!」

頭を掻きながら眠たげな顔を顰めたヤマトに、ハトリはイラッと来て声を荒げる。

「…もしかして、俺を起こしたのって、うるさくて眠れないからっすか?」

困ったような顔で尋ねるヤマトに、ハトリは肩を竦めた。

「静かになるように起こした訳じゃねーよ。おめぇだけ気持ち良さそうに寝てんのがムカついてなー」

「相変わらずジコチューな…」

呟いたヤマトが顔を顰めると、ゴールデンレトリーバーはぐっと身を乗り出した。

「で、この野郎どうしてくれよう?と考えてたら、良い事を思いついた訳だ」

嫌な予感がして少し身を引いたヤマトの胸ぐらを、素早く伸ばされたハトリの右手が掴む。

「ちょ!?何する気ですか先輩!」

「気持ち良い事しよーぜ?」

「は!?」

目を丸くしたヤマトに、ハトリはぐっと身を寄せる。

「精根尽き果ててグッタリしちまえば、気持ち良くグッスリ寝れんだろ?よし、やろう!」

「「よし」じゃねぇっしょ!?「やろう!」じゃねぇっしょ!?何でそうなるんすか!?」

後退って逃げようとしたヤマトは、ビクッと体を硬直させる。

顔を引き攣らせ、視線をゆっくり下に向けると、ハトリの左手が浴衣の合わせ目から股間に入り込んでいるのが見えた。

「あ!ちょっ!まっ!…ひぐぅっ!」

睾丸をギュウッと握られ、ヤマトは首を反らして苦鳴を上げた。

「遠慮すんなって。ほれ、ガッチガチになってんじゃねーか」

「そ、それは寝起きだからっ…あふっ!」

ヤマトの怒張している逸物を褌の生地越しに握ったハトリは、ニヤァ〜っと、不穏な笑みを浮かべた。

「ところでヤマトぉ…、机の引き出しに入ってたアレ、結構使い込んでんのか?あーん?」

ハトリの言葉で、羆の動きが完全に静止した。

「ち、ちがががががががががっ!アレはちょっとした出来心って言うかお試しって言うかとにかくそのそっちのアレなんで全

然っ!全然ですいやホントにっ!」

机の引き出しの中には、ヤマトがかつて試したバイブレーター等の、いくつかのジョークグッズが入っている。しかし…。

「って…、ひ、引き出しは鍵かかってたっしょ!?何で中身知ってんすか!?ってかいつの間に!?」

「そりゃー勿論、おめぇが風呂に行ってる間にちょちょいっと。予備の鍵の在りかは知ってっからな。相変わらず机の下にガ

ムテでくっつけてんだな、おめぇよ」

あっさりとセキュリティーを突破してのけたハトリは、実は在寮時からヤマトの机の予備キーが隠してある場所は把握して

いたりする。

「ちょ!?ひとのプライベートを勝手に…!あひぃっ!」

羆の抗議の言葉は、しかしゴールデンレトリーバーの手が睾丸をモニモニと揉みしだき始めた事で途切れる。

「…久々なんだ…、良いだろ?」

「あ!や、やめっ…!んぐ!」

急所を握られて抵抗できないヤマトにぐっと身を寄せて胸を合わせたハトリは、のし掛かるような体勢から、耳元にそっと

息を吹きかけた。

「あふ…!」

弱点を軽く責められて脱力したヤマトの浴衣の襟を放し、そっと帯に手をかけるハトリ。

この肥えた羆の弱点が、極めて敏感な耳周りやうなじである事を、元寮監のゴールデンレトリーバーは熟知していた。

「んじゃ、まず脱がすな。大人しくしとけよ?」

耳元に息を吹きかけながら囁き、ハトリはウキウキと帯を解く。

しゅるりと抜いた帯を放り捨て、着崩れてはだけかけていた浴衣の前を大きく開ける。

ぼよんと突き出た羆の腹を、少し強めに平手で叩いたハトリは、たっぷりとついた脂肪が揺れる様を見てカラカラと笑った。

「相変わらずぶよぶよだなぁ、おめぇの腹。やっぱまた肥えたろ?えぇおい?」

「うぐぅ…!」

言い返す事ができず喉の奥で唸ったヤマトの褌に、躊躇いなく指をかけるハトリ。

「あ、ちょ、ちょっと先輩!?」

「ここまで来て「やっぱダメ」はなしだぜ?」

(そもそも俺はオーケーとも言ってない!)

ヤマトがそう反論する前に、ハトリの手は羆のどっしり太い腰の後ろに回り、褌の紐の結び目を解く。

結び目が解けたと同時に、内からの贅肉圧に押されて、シュルルッと音を立てながら大きく弛んだ褌を強引に毟り取るハトリ。

下着を引っ剥がされた羆は泣きそうな顔をして股間を手で覆い、股を閉じたものの、しかしレトリーバーはそれを許さない。

「ほれ…、力抜けよ…」

縮こまっているヤマトにしなだれかかるようにして耳元に口を寄せ、言葉と息を吐き掛けながら、たぷんとした脇腹の肉を

軽く掴むハトリ。

ゾクッと背中や首回りの毛を逆立てたヤマトの脇腹が、金色の被毛に覆われた手で揉まれ、揺すられる。

恋人との情事で慣れているのであろうハトリは、繊細な指使いでヤマトの被毛の奥をまさぐり、皮膚を刺激しながら移動する。

股間を押さえているせいで体の前面を隠した形になっている、羆の太い二本の腕と体の隙間に捻じ込まれたハトリの手が、

たっぷりとしたヤマトの乳房を掴んだ。

「あっ…!は…、ひぃ…!」

乳首を指先で擦られ、摘まれ、ヤマトはブルルっと身震いする。

それでも我慢していたものの、トドメとばかりに耳元に息を吹きかけられると、硬くなっていた肩からかくんと力が抜けた。

ついに隙を見せてしまったヤマトの腕の内側から、突き出た腹肉を押し退けるようにして、ハトリの手が股間に滑り込んだ。

「あぎゃ!?ちょ、ちょっとせんっ…いぎひぃっ!」

無理矢理押し入ってきた手にソレを掴まれ、ヤマトは悲鳴を上げた。

「おー、もうすっかり剥けてんじゃねーか?ま、二年も経つもんなぁ…、効果有ったろ?恩に着ろよヤマト」

しかし亀頭を弄られているヤマトは、もはやハトリの言葉に答えるだけの余裕も無い。

「さ、ちゃちゃっと股開けや。でねーと…」

「あひぃいいいいいいいいいいいいいいいっ!わ、判りましたっ!判りましたからぁっ!」

親指と人差し指で亀頭を挟まれグリグリされると、ヤマトは溜まらずに一際高い悲鳴を上げた。

仕方なく抵抗は諦め、ビクビクしながらも指示に従うヤマト。

後ろ側に手をつかせて脚を大きく開かせ、自分が望む姿勢を後輩に取らせると、

「ふ〜ん…、サイズはあんま変わってねーな…。でもあいかわらずぶってーな?」

ハトリは広げられた股で、今ではすっかり縮こまってしまっているソレを、目を細めてじっと見つめた。

しばし見つめた後にピンク色の丸々とした亀頭を指先で軽く弾き、ヤマトに呻き声を漏らさせたハトリは、

「んじゃ…、始めっか」

ニヤリと笑い、ヤマトの腹の上に手を当てた。

ビクッと身を竦ませたヤマトはしかし、ハトリの手が腹の表面を優しく撫でると、少しほっとしたように肩の力を緩める。

空手をやっていたせいか、ハトリの指はゴツゴツしており、太くてゴツイ。

にも関わらず、ヤマトのたるんだ体を撫で回すその指使いは、実に繊細で滑らかである。

被毛の下に潜り込んだ指が与えてくる、軽いマッサージの刺激で、ヤマトはトロンと表情を弛緩させる。

しかし緩んだ顔とは裏腹に、その股間では、小さくなっていた逸物がムクムクと頭をもたげ始めていた。

「よーしよし、良い子だ…。んじゃ、仰向けに転がってみな?」

リラックスしたのを見計らってヤマトの体勢を変えさせると、ハトリは浴衣を脱ぎ、ボクサーブリーフ一枚の格好でヤマト

に覆い被さった。

ハトリは左手を羆の太い首の後ろに回し、うなじをマッサージし始める。

自分の上に寝そべっている先輩の背に躊躇いがちに手を回したヤマトは、その豊かな金色の被毛に覆われた筋張った背を、

ゆっくりと撫でさすり始めた。

首の後ろから後頭部にかけて掴むようにマッサージしつつ、右手で胸や腹を撫でながら耳元に息を吹きかけたハトリは、意

地悪い笑みを浮かべながら問い掛ける。

「…机ん中の小道具、使うか?」

「い、いや…、あれはもう勘弁っす!軽くトラウマになってるんで…。俺、受けは無理…」

「そいつぁどーかなー…」

ゆっくりと言ったハトリは、身を起こしてヤマトの上に馬乗りになると、後輩の顔を見下ろした。

「…んじゃ、ちっとだけ試してみ…うぉっ!?」

ゴールデンレトリーバーが何を考えているか察して顔色を変えたヤマトは、慌てて寝返りをうち、ハトリを腹の上から横へ

落とした。

四つん這いになってワタワタと逃げようとしたヤマトは、しかしビタッと、凍り付いたように動きを止める。

ヤマトが身を起こした際に転げ落ちたハトリは、床に転げたままの姿勢で手を伸ばし、羆の短い尻尾を掴んでいた。

「おれから逃げられると思うなよヤマト…?大人しくしてろ。…でねーと…」

ゴクリと唾を飲み込み、恐る恐る首を巡らせたヤマトに、

「…この尻尾…、ブチッ!って毟り取っちまうぞ?んー?」

凄絶な笑みを浮かべながら、ハトリはかなり酷い脅しをかけた。

ハトリの腕力からすれば尻尾を引き千切るぐらいは十分可能に思え、ブルブルと震えながらコクコク頷くヤマト。

涙目になっている後輩にニンマリと笑いかけると、ハトリは右手で尻尾を掴んだまま、左手の指に唾を吐きかけた。

「ま、とりあえずはその格好で良いや。もっかい言うが、大人しくしてろよ?」

そう言いながら、唾液で湿らせた指をハトリが肛門に押し当てると、ヤマトは前を向いて硬く目を閉じた。

肛門の周りを指で数回撫で回した後、「力抜いとけよ?」と告げ、

づぶぷっ…

「いであっ!」

ハトリは羆の尻の穴に指をねじ込んだ。ごつくて太い親指を。

ほぐしも不十分なまま、容赦無くいきなり指をねじ込まれ、思わず苦鳴を上げるヤマト。

(…あれ?なんだか結構キツいな?)

ヤマトの反応と肛門の締まり具合に首を傾げたハトリは、重大な事を見落とし、また勘違いしていた。

ハトリは、ヤマトがそれなりに慣れていると勘違いしている。

しかも、日頃から慣らされているハトリの恋人と、まだ数回自分で弄っただけの不慣れなヤマトでは、受け入れ準備自体が

比較にならない。

プルプル震えているヤマトの肛門の中に親指を突っ込んだまま、下向きに伸ばした他の四指で睾丸をたふたふと揺すりなが

ら、ハトリは「まぁ良いか」と気を取り直すと、自分の恋人ともまた違うヤマトの反応を楽しみ始める。

親指で腸内をグリグリとまさぐられ、圧迫感と異物感と、親指をいきなり捻じ込まれた痛みに耐えながら、ヤマトは歯を食

い縛って漏れそうになる声を堪える。

しかし、尻の中をまさぐっていた親指が内側に曲がり、腸壁が腹側に押されると、我慢し切れなくなったヤマトは堪らずに

呻いた。

「せ、せんぱ…い…!そ、そんな…、グリグリしないで、下さい…!」

「んー?気持ち良いか?」

「良いとか、悪いとかじゃなく…!あひっ!く、苦しいっす…!」

「そーかそーか」

ニンマリと笑いながらウンウン頷くと、ハトリはズブブッと、さらに奥深くへ親指を押し込んだ。

「いぎっ!?ひあっ!い、いでっ!裂ける!ケツの穴裂けるってぇ!あ、あふっ!あおぉおおおおうっ!」

親指の付け根まで押し込まれたヤマトは、先程よりもさらに奥の方をまさぐられ、常に無いほど高い声を上げる。

「どーだ?この辺は?」

「い、いひぃっ!ん、ぐぅ…!」

「ちゃーんと感じてっかおい?おいってば?」

「はんっ!あ、あぐぅ…!ひぃ〜っ!勘弁!勘弁っすぅ!」

直腸内を様々な角度で押され、刺激と圧迫感、異物感に喘ぎ、まともに受け答えできないヤマト。

上体を支えていた腕はブルブルと震えながらもしばらく頑張っていたが、やがて限界に達して肘からカクンと折れる。

顔から布団に突っ伏した格好になった羆は、縋るもの欲しさに手近にあった枕を抱き込んだ。

気を良くしたハトリは、尻尾を掴んでいた右手を離し、ヤマトの尻に覆いかぶさる形になると、脇から腹の下に手を入れた。

自重で下がったでっぷりした腹が、ハトリの手にタフタフと叩かれると、水が詰まったビニール袋のように揺れる。

「おーおー、タプンタプンじゃねーか?肥えたなーしかし。この重量感はなかなか…」

どこか感心しているようなハトリの声で羞恥を一層募らせ、ヤマトは堪らなくなって枕に顔を埋める。

片手で腹を軽く叩いたり、撫でたり、揺すったりしてやりながら、ハトリは尻を弄る手もおろそかにはしていない。

「どうだここ?これが前立腺な。感じるか?」

「あ、ひ…い…!も、もうやめっ…!あっ…!」

ヤマトが枕に顔を埋めながら呻いている間に、ハトリの右手はタプンとした腹の下側、股間へと移動する。

そこにぶら下がっている、今ではすっかり皮が剥けている逸物に軽く触れたハトリは、「おやおや…」と笑みを深くする。

「ウケは無理だって?おれぁそんな事ねーと思うけどなぁ?」

前立腺を刺激されてヒクヒクと反応を示している羆の肉棒を軽く握り、ハトリは先端から溢れている汁を亀頭に塗り広げた。

尻を弄り回されている上に、敏感な場所まで擦って刺激されたヤマトは、

「あ、あっ!あ、あひ、いっ!せ、せんぱ…!ちょ…!ひっ!あ、ああああっ!」

枕をぎゅうっと抱き締め、途切れ途切れに声を上げる。

「そーれグッチュグッチュグッチュ…。どーよ?感じるか?うお、締め付けすげー…」

「いひぁあああああああああああっ!だ、ダメっ!熱い!腹ん中が…、熱っ…!んぅ!」

ハトリの指に腹の中で容赦なく暴れられ、涙声で叫ぶヤマト。

それを見たハトリはグングンテンションを上げてゆく。

液でぬめった亀頭を擦られ、前立腺をクックッとマッサージされ、快楽とも苦痛ともつかない、耐え難い刺激で腰をガクガ

クさせながら、ヤマトはブルルっと身震いした。

「あ…はぁ…!ひんっ…!あ、あああ…!あ…!」

ブルブルと体を震わせるヤマトの男根の先端から、コプコプと、精液が溢れ出した。

止め処なく溢れ出る精液を垂れ流すヤマトの胸や腹の肉が、体の痙攣に合わせてタプタプ波打つ。

「せ、んぱ…、あっ…!ま、待って…!ちょっと、止め…!あぅ…!イ、イって、るぅ…!あぁっ!せ、せせ背中、が…、ゾ

クゾクして…、熱…いぃ…!も、もぉダメっすぅ…!」

ポロポロと涙すら零して振り返ったヤマトの顔を見下ろしながら、ハトリは手を動かすのを止める。

「そんなに感じてんのか?」

「感じてるんだか…、訳判んなくなってんだか…、と、とにかくもう、頭おかしくなっちまいそうで…!」

「そーかそーか…」

荒い呼吸で波打つヤマトの腹をさすってやりながら、ハトリはニィ〜っと、満面の笑みを浮かべた。

「…んじゃ、おかしくなるまでイき続けて貰うか!」

「え!?あっ!あぎゃあああああああああああああっ!」

宣告と同時に、腹中に入り込んだ指が一層激しく動き出し、ヤマトは絞り出されるようにして大声を上げた。

…この後、気絶寸前まで尻の中を弄くり回されたヤマトは、次いでハトリと交代して奉仕させられる事になる。

宴は、スタミナの塊のようなゴールデンレトリーバーの主導の下、空が明るくなるまで、実に四時間以上も続けられた…。

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