すごい速さで傾いてく秋の斜陽を眺めつつ、ジョギングに励んでいたぼくは、星降川(ほしふりがわ)添いの土手に差し掛

かった。

市街地はこの川を挟んで二分されていて、川向こうには姉妹校の星陵高校がある。

坂を駆け登って至った土手の上には、この近くに住んでいる大きな焦げ茶色の羆が立っていた。

「精が出るな」

体は川の方を向いたまま、首を巡らせて声をかけてくれた団長さんの傍で、ぼくは足を止めた。

団長さんはよくここで河を眺めているから、こっち側にジョギングして来ると時々会える。

団長さんはクリーム色のトレーナーを腕まくりして着込み、濃い青のジーンズを穿いて、サンダルをつっかけてる。

休日だから、普段は見られない私服姿だ。

「こんにちは。団長さん」

「儂はもう団長ではないぞ?」

「あ。そ、そうでした…。済みません先輩…」

先輩は夏に応援団を引退して、新しい団長さんには二年生のシベリアンハスキーが就いてる。

でも、団長さんっていう呼び方がすっかり口についちゃってて、気を抜くとポロッと出てきちゃう…。

「今日は、部活は無しか」

「はい。昨日練習試合でしたから、今日は休養日です」

「休養日ならば、体を休めたらどうだ?」

「え?えぇと…」

即座に切り返されてしどろもどろになったぼくに、先輩はフッと優しげな微笑を向けた。

「下半身の安定には、毎日の走り込みが必須…か。昨日の試合を見るに、だいぶ安定していると思うが?」

「あ。み、見てたんですか!?」

「特に用事も無かったのでな」

三年生の先輩達が引退した後、ピッチャーに転向したぼくは、抑えとして起用されるようになった。

ハナ直伝のトルネードはまだ不完全で、コントロールが今ひとつだけれど、土台になる下半身の強化メニューで改善されつ

つある。

ぼくの長い手とバランス感覚は、ピッチャーとして有効な武器になった。

体格に比して長い手のおかげで球に勢いを与えやすく、バランス感覚の良さは、大きく体を捻っても上体を安定させる。

もっとも、ピッチャーをやれって勧めてくれたハナは、この事を見抜いてた訳じゃない。

小さい頃はぼくの方が上手く、強いボールを投げていた事を覚えていたからなんだって。

「…今でも、時々思うのだがな…」

先輩は顔を前に向け、夕陽を照り返しながら赤く輝いて流れる水面を眺めながら、静かに口を開いた。

「カイジマといい、儂といい、あの件と前後して、奇妙な縁で君達と繋がったが…」

一度言葉を切った先輩は、苦笑いするように口の端を少し上げ、目を細くした。

「おそらく、儂らが関わり合いにならんでも、君達は元の鞘に収まった事だろう」

「そんな事…!先輩達が世話をやいてくれなかったら、ぼく達どうなってたか…!」

「いいや、いずれこうなっていただろう。君はチドの為になる事をしたいと願い、チドは君に野球を続けて欲しいと願ってい

た。結末は変わらなかったはずだ。儂らが担ったのは、そう…、ほんの少しだけそれを早める程度の役割だ」

本当にそうだろうか?首を捻ったぼくを横目で見て、団長さんはこう言った。

「「舞い散り擦れ、揺れ落ちてゆく花びらの、行方は一つ、気高く積もれ」…知っとるかな?」

「えぇと…。何処かで聞いたような…」

少し考えた後、ぼくは思い出して「あ」と声を漏らした。

いつだったかハナが言ってた。あれは…、えぇと?…そうだ!

「小説か何かの言葉ですよね?櫻和ってひとの…」

「うむ。読んだ事は?」

「あ、いえ、読んだ事は無いんですけど…、ハナが最近好きになったんで、聞いて覚えてただけで…」

ぼくは苦笑いしながら応じる。…先輩、小説なんて読むんだ…。

先輩とハナが同じ言葉を口にするなんて…。結構有名な文なのかな?

「彼の書いた小説はいずれも面白い。一読を勧める。…ところで、知っとるかな?」

団長さんは太い腕を上げて、川向こうを指し示した。

「彼は星陵出身だったそうだ」

…知らなかった。父さんが担当した事のある作家さんだって事は知ってたけど、まさか地元出身者だったなんて…。

ちょっとビックリしたぼくに、「そういえば、チドだ」と、先輩は向き直った。

「今日は一緒ではないのか?珍しいな…」

「あ〜…、いえ、今日も途中まで一緒だったんですけど…」

首を巡らせて土手の下を見遣ると、のたのたと走ってくる太ったセントバーナードの姿。

「ハナぁ〜!大丈夫ぅ〜!?」

ゼハゼハ言いながら坂を登ってきたハナは、ぼくと先輩の傍でベタンと座り込む。

「平気?無理に付き合わなくていいのに…」

「へひっ…、へひぃ…!だ、だいじょ…ぶ…!はふぅ…!」

いつも通りに途中まで一緒だったんだけど、今日はハナが「おれのペースに合わせてたらトレーニングにならない」って言

い出して、ぼくは先に行かされたんだ。

けど、まさかこんなに差が付くとは思わなかった…。

「相変わらずジョギングに同行しているのか」

「ピッチャーやれって言ったの、おれだし…、マネージャーとして、付き合わなくちゃですよぅ…!」

苦しそうに息をしながらも、ハナは笑って先輩に答える。

「うむ。その心行きや良し」

先輩は口の端を吊り上げてニッと笑うと、首を巡らせて河口の方を見遣った。

「明日も、良い天気になりそうだ」

先輩の言葉に、ぼくとハナは笑みを浮かべて頷いた。

海の上では真っ赤なでっかい太陽が、水平線にじりじりと近付いていた。



「ただいま〜」

「ただいま」

ハナが、続いてぼくが、玄関を潜って声を上げると、台所から母さんの「お帰りなさい」が返ってきた。

ここはぼくの家なんだけど、ハナも帰ってくれば「ただいま」だ。…変かな?

ジョギング帰りで汗臭くなってるハナを見た姉さんは、頭を掻きながら「えへへ…」と笑っているセントバーナードに、眉

を吊り上げながら有無を言わさぬ口調で入浴命令を下す。

夕食の準備が終わるまで少しかかるからという事で、ぼくも一緒にシャワーを浴びて来るように言われた。

…ハナほどじゃないけど、汗かいてるしね…。



シャワーのコックを捻って、お湯の加減を調節しながら、ぼくはハナを振り返った。

床にあぐらをかいて、両手を体の前でそろえて足についてるハナは、尻尾をフッサフッサと揺らしてる。

…今日もぼくに洗わせる気満々だよ…。

「たまにはさぁ…「今日はおれが洗ってあげようっ!」…とかないの?」

「だって、おれの洗い方、雑だし」

「いや、確かにそうだけど…。まぁいいや…」

ぼくはしぶしぶながら、握っているシャワーヘッドに視線を戻す。

当然ながら、入浴時は義手をしないから、今のハナの左腕は、肘のすぐ下の所までしか無い。

ハナは何かと理由をつけてぼくに背中を流させたり、頭を洗わせたりするけれど、片腕だって事を理由に挙げた事は、入浴

時に限らず、たったの一度もない。

利き腕を欠いた事を口にすれば、ぼくは決して断る事ができないにも関わらず、だ。

それがハナなりの気遣いであり、同時に意地みたいな物である事を、ぼくは知ってる。

「もう良いよ、おいで」

温度が丁度よくなったのを確認して手招きすると、ハナはニマ〜っと笑って、あぐらをかいたままお尻と足を使って、ずっ

こずっこ前に進んできた。

…腰を上げるのも面倒臭がってこういう移動をするんだろうけど…、これが何だか妙に可愛い…。

ぼくの横まで進んできて、上体を乗り出すようにして前屈みになったハナは、相変わらず尻尾を振っていた。

そのモサモサの被毛に覆われた後頭部に、そっとシャワーを当てる。

白と薄茶色のツートンカラーが、湯を吸って少しだけ色を濃くする。

一度シャワーを止めて、手で泡立てたシャンプーをしっとりと濡れた毛に塗りつけたぼくは、毛の奥に指を入れて、マッサ

ージするようにハナの頭を洗い始めた。

丁寧に頭皮まで洗って綺麗に洗い流したら、次は体の方。

…ふと思った。おっきな犬飼ってるひとって、こんな感じに洗うのかな?

洗われるがままっていう点では、ハナも一緒のような気がする…。あ。前とかは自分で洗うから、いくらかマシ?

ぼくが背中や肩を流している間に、ハナは両脚や体の前側をアソコも含めて洗う。

太い腕を丁寧に擦って、シャワーで洗い流したら一丁上がり。後は乾かすだけで、毛艶のいいセントバーナードが完成する。

さて、お次は自分の体を…。

「あ、マーちゃん。背中ぐらいなら洗ってやるぞ?」

シャワーヘッドを握ったまま、ぼくは意外な申し出に目を大きくした。

「ホント?どういう風の吹き回し?」

「良い事思いついたんだ」

めんどくさがりなハナは、自分の体を洗うのも大雑把。それが何で…。

…あ。もしかしてぼくがさっき言ったから?洗ってくれる気になった?

ちょっと嬉しくなって頷いたぼくは、キチッと座りなおす。

ぼくの手からシャワーヘッドを取っていったハナは、ぼくの背中にジャバジャバとお湯を注ぎ始めた。

そして、シャンプーを手にとってブジュ〜っと出し、泡立て始め…、あれ?片手でどうやってるの?

疑問に思って首を傾げたぼくの背中に、むにゅぅ〜っと、大きくて柔らかな何かが覆いかぶさって来た。

「ハナ?何してるの?」

「相手の背中を楽しく流せる新技術。名付けて「おれスポンジ」」

…どうかと思うネーミングをそこまで誇らしげに…。

肩に腕を回して抱き締める格好で、ぴっとりと背中に密着したハナは、小刻みに体を揺すってぼくの背中を擦り始めた。

ムニムニの柔らかいお肉が背中に隙間無く密着してくる。…結構気持ち良い。

「…ねぇハナ?」

「ん〜?」

「また太った?」

ハナの体がひくっと、一瞬硬くなった。…図星らしい…。

「…走ってるんだけどなぁ…。ジョギング量足りないのかなぁ…」

「お菓子やジュースの量が足り過ぎなんだと思うよ?」

って…、あれ?なんか背中に…、尻尾の上辺りに硬いものが…?

「…ハナ…?」

「今度は何だよ?」

「…勃ってるでしょ…?」

「うぇうおっ!?」

妙な声を上げながら身を離すハナ。

「なんで勃ててんのっ!?」

「し、仕方ないだろっ!?勃っちゃったんだからっ!勃っちゃったんだよっ!勃っちゃってるんだよっ!勃っちゃってますと

もさっ!」

振り返ったぼくに、ハナは右手で股間を押さえながら勃った勃った連呼する。

…妙な取り乱し方しないでよ…!

「…な、なぁ…。マーちゃん…」

モジモジ身じろぎしながら、上目遣いにぼくを見てくるセントバーナード。

「ダメ」

続く言葉を察して、ぼくは即座に首を横に振った。

「お風呂場じゃ声が響くし、鍵だってかからないもん。姉さんが夕食出来たって呼びに来たりしたら…」

ハナは顎をカクンと落っことして、口を大きく開けながら、まん丸にした目でぼくを見つめる。

「だ、ダメ?ダメなのっ!?」

「そこまでビックリしないでよ!当然でしょ!?」

「ちょ、ちょこっとだけとか…。半出しぐらいなら…、それでもダメ?」

「半出しって何っ!?とにかくダメだってばこのスケベ!」

断固拒否すると、ハナはがっくり肩を落として俯いて、「はふぅ〜…」と切なそうな声を漏らした。…そんなにしたかった

の…?

「…晩ご飯済んで、ぼくの部屋に行ってから。ね?」

ハナは項垂れたまま呟いた。

「…ぐぅ…。生殺しだよそれ…」

…当り前の提案だと思うんだけど…。



「ひふっ…!」

硬く目を瞑ったハナがブルルっと身震いして、後ろについた手がギュッとシーツを握り込んだ。

大きく脚を広げたハナの股間に、ぼくは四つん這いの低い姿勢で顔を埋めてる。

ハナの大きなチンチンを口に含んで、ジュプジュプと音を立てて。

食後に上がって来たぼくの部屋、敷いた布団の上には、一糸纏わぬ姿の赤毛の猿とセントバーナード。

布団の横には、畳んであるぼくの服と、脱ぎ散らかされたハナの服、そして、その上に置かれた義手。

病院で初めてやって以来、ハナは手よりも口でやってあげた方が喜ぶようになった。

ぼくもだいぶ慣れて来たのか、初めの頃はかなり奥の方まで咥え込んでオエッとなったり、えずいた拍子に軽く噛んじゃっ

てハナに悲鳴を上げさせたりしてたけど、今はもう大丈夫。

「マー…ちゃん…!お、おれもう…、そろそろ…!で、出ちゃい…、そ…!」

「んむぅっ」

チンチンを咥えたまま、くぐもった呻き声で返事をしたぼくは、口をすぼめて、顔を少し速く前後させる。

「あ…!は…、はふっ…!」

ハナの喘ぎが速くなって、チンチンがググっと反りを強くした。

…そろそろ頃合っぽい…。

限界が来た事を察したぼくは、ハナのチンチンをヂュゥ〜ッと強く吸った。

「あ…、あっ…!あぁあっ!あはぁああああああああああふっ!」

ビクッと身を震わせたハナのチンチンが、ぼくの口の中に精液を放った。

大きなチンチンから注ぎ込まれる精液は、いつものようにぼくの口の奥を叩く。

数回ビピュッと精を飛ばして、ハナは「はふ…」と息をついた。同時に体から緊張が抜けて、くにゃっと脱力する。

少し頑張って喉に絡む液体を飲み込んだぼくは、ティッシュで口の周りを拭った。

…独特の匂いがする…。

コップに汲んでおいたウーロン茶を口に含んで、全部綺麗に飲み下すと、ハナが布団をパフパフと叩いた。

「次、マーちゃんの番な」

余韻で少しトロンとした顔つきになってるハナ。

頷いたぼくは布団の上に戻って、ハナの前で腰を下ろす。

「うぇへへ…!」

ハナは変な笑い声を漏らしながら、ぼくを太い右腕で抱き込むようにして引き寄せる。

そして、上から顔を被せ、唇を重ねて来た。

されるがままに受け入れて、舌を絡ませあいながら、ぼくは身を震わせた。

ハナの舌がぼくの舌裏や歯茎を擦って、口の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜる…。

激しいハナのキスは、それだけでぼくを興奮させて、頭の中をトロトロにしちゃう…。

ゾクゾクする快感に身震いするぼくを、ハナは両腕でギュッと抱き締めた。右腕と、肘のすぐ先までの左腕で…。

ハナは締め付けを緩めると、ぼくの体をそっと後ろに倒して、仰向けに寝かせた。

「今日はさ、ちょっと試したい事あるんだ」

仰向けになったぼくを見下ろしたハナは、そう言いながら右手の人差し指を舐め始めた。…何する気だろう?

疑問に思っているぼくの下半身に、太ったセントバーナードはニンマリ笑いながら覆いかぶさる。そして…、

「ひぎゅっ!?」

ぼくは半端に歯を食い縛った状態で、妙な声を上げた。

…お、おお…、お尻に何かっ!?

「前立腺マッサージって言って〜、お尻の穴に指入れて刺激すると、気持ちよくなるんだってさ。で、どう?」

どう?じゃないよっ!キツい!痛いっ!ハナ!指太いんだからちょっとそんな…、いったぁああああああああああいっ!

「はみぃいいいいいいっ!?」

抗議したいのはやまやまだったけど、ぼくは悲鳴を出すことしかできなかった。

苦しさと恥かしさで、涙が滲み出て来る…!

「最初はちょっと痛いかもだけど、すぐ気持ちよくなってくるはず…」

そんな事を言ってるハナの太い指が、ぼくのお尻の中でグニグニ動いてる…!

「いだぁあああいっ!やめ…、やめてぇっ!ひにゅぅっ!」

「ちょっと我慢、ちょっとだけ…」

ぼくがやっとの事で抗議しても、ハナはクッ、クッ、と動かしてる手を休めない!

ハナの太い指が上に曲がって、ぼくの中を指の腹で押す。

「だめっ!ダメハナっ!そこはき、汚いからぁっ!」

「平気平気。マーちゃんだってチンポ舐めてるじゃない?」

「それとこれとは…、ぁひゃんっ!痛いから!無理無理っ!」

「でも勃ってるよ?」

うそぉ!?こんなキツくて痛いのに何で!?

首を起こしたぼくは、股間でぴょこっと勃ってる、ちょっと物足りないサイズの息子の姿を目にする。

…もしかして、お尻のコレで?興奮しちゃってるのぼく!?

クチュクチュとハナが動かす度、ぼくは身もだえしてあえぐ。

気持ち良いんだかどうだか判らないけど…、痛みはちょっと引いてきた…。

でも、恥かしくて…、圧迫感があって…、やっぱりちょっと苦しい…。

「は、ハナ…たん…」

ぼくが弱々しい声を漏らした途端、ハナはピクッと身じろぎして動きを止めた。そして、まん丸にした目でぼくを見る。

「たん付けなんて無茶苦茶久々…。幼稚園以来?」

…そうかも…。うっかり出ちゃった…。

「もっかい!もっかい呼んで!」

ハナはニマ〜っと笑いながら、ぼくの中の指をクッチャクッチャ動かし始める。

「ちょ!?は、ハナたん!ハナたんらめぇええええっ!」

「お〜!もっともっと!そ〜れウリウリ…」

何で喜んでるの!?ってか、や、やめっ…!

「は…はにゃた…!らめぇ…!ひにゅぅうううっ!」

身もだえしているぼくのお尻から、ハナはやっと指を抜いてくれた。

そして、どういう訳かいつもより硬くなってるぼくのチンチンを、そっと握って軽く擦った。

「お〜…、効果抜群…!それじゃあ…」

ハナは嬉しそうにニコニコ笑いながら、ぼくのチンチンをしごき始めた。

「は、はにゃたん…。ぼ、ぼぐぅ…!すぐ、いっちゃう…かもぉ…!」

弱々しい声を漏らしたぼくに、ハナはうんうん頷いた。

「いつでもオッケー!ドバッと出しちゃっていいよ、ドバッと!」

…だからなんでそんな嬉しそうなの?

ハナは嬉しそうに舌なめずりしながら激しくチンチンをしごいて、ぼくはあっというまに登り詰める。

「は、ハナたん…!で、でちゃ…うぅううううううううううううううううっ!」

ビュクッとぼくのチンチンが白い液体を吐き出した。

同時に、ハナは素早く背中を丸めて、ぼくのチンチンを咥え込む。

…え!?ハナ、何してるの!?

ぼくは口でやってあげるけど、ハナにさせた事は一度も無い。なのにハナは、今日はどういう訳かチンチンを口に…!

ピピュッ、ピュッ、と射精を繰り返すぼくのチンチンを口に含んだハナは、「んもふっ!?」と、くぐもった声を漏らした。

そして、射精を終えたぼくがクタッと脱力すると、上を向いてゴクンと喉を鳴らす。

…飲んじゃった…!?

ハナは顔を顰めて「う…!変な味…!」と呟くと、

「マーちゃん…、よく平気で飲めるなぁ…」

感心したようにそんな事を言った。

「へ…、平気って訳じゃないけど…。慣れたらあんまり気にならなく…」

仰向けでグッタリしてるぼくが息を弾ませながら答えると、ハナはぼくの横にのそっと横になって密着し、左腕で腕枕して

くれた。

「うへへ…!どう?ちょっと本で読んでさ、試してみようかなって…。やっぱりこれも慣れかなぁ?」

「…そう簡単には慣れないような気がする…。効果はあるのかもだけど…」

ハナはぼくの胸やおなかを右手でさすりながら、「そう?じゃあじっくり練習してこう」とか言い出した…。

「ハナ…」

「ん?」

「次はハナがお尻出す番ね?」

「うぇ!?」

顔を引き攣らせるセントバーナード。

「お、おれは良いよ!なんか怖い!」

…その自分は怖いものをぼくで試したの?ハナたん…。

「ダ〜メっ!次はハナの番!」

ぼくが頬を膨らませると、ハナは視線を逸らしながらおどおどと言った。

「…優しくしてね…」




















メインキャラ設定資料

 「マシロ」

 本  名 赤木 眞代(あかぎ ましろ)

 身  長 154センチ

 体  重 50キロ

 種  族 ニホンザル(赤毛)

 好きな物 野球 牛乳 ヨーグルト

 苦  手 文字だけの本 怖そうな外見のひと(こちらは作中で克服)

陽明商業高等学校経理課の一年生で、野球部に所属する赤毛の猿。

やや小柄な体格だが、手足が体格に比して長く、毛がムクムクしている割にスマートなフォルム。

高身長に憧れており、大好物の牛乳をガブ飲みする毎日。が、成果はあまり芳しくない。

遠慮がちな性格で引っ込み思案。几帳面。

幼馴染みのハナに対して以外はあまり積極的に話しかける事もなく、クラスメートからは内気で無口だと思われている。

母と姉と父の三人家族。単身赴任中の父は編集者で、機会があるたびに有名作家の小説をマシロに勧めるが、本人は全く興

味を示さず、野球の雑誌以外はほぼ漫画しか読まない。

スポーツ新聞や雑誌の記事を切り抜き、スクラップブックにまとめるのが趣味。

入部当初はキャッチャーだったが、ハナと共に復帰した後は、恋人の勧めでピッチャーを目指す。

小柄な体格を補う腕の長さとバランス感覚の良さ、柔軟性を併せ持つマシロは、恋人となったハナの熱心な指導によってト

ルネード投法を身に付け、一年後半頃にはエースピッチャーとして認められ、二年の夏には県内屈指の強肩と見られるまでに

成長した。

ハナが復帰した後はいくらか積極的になり、クラスの皆とも打ち解けた。

それでも、時折ハナと一緒に校舎裏に行っては昼食を共にするなど、ガクとの交友は続いている模様。





 「ハナ」

 本  名 千戸 花人(ちど はなひと)

 身  長 179センチ

 体  重 118キロ

 種  族 セントバーナード

 好きな物 野球 炭酸飲料 フライドポテト

 苦  手 走ること 細かな作業

陽明商業高等学校経理課の一年生で、野球部に所属するセントバーナード。

一般の標準体型に照らし合わせれば、大柄でやや肥満だが、種族で見れば割と標準に近い体型。

小学校の頃はかなり太っており、母親によってスイミングスクールに通わされ、強制ダイエットに励ませられた。

よく言えばのんびり屋、悪く言えば面倒くさがりで、身なりにも無頓着。かなりずぼら。

以前マシロを真似てスクラップブックの作成を試みた事もあったが、切り抜き作業の段階で記事を紛失し、頓挫。

家では母との二人暮らし。長距離トラックの運転手だった父は、ハナがまだ幼稚園の年長組だった頃に事故死している。

入部当初はピッチャーだったが、マネージャーとして部活に復帰。恋人となったマシロを公私に渡って支えている。

マシロにトルネードを伝授し、下半身の安定の為に必須となる走り込みにも、汗だくになりながら付き合っている模様。

事故後は急に運動量が減った反動からか、日を追う毎にプクプクと太ってゆき、秋頃にはさすがに危機感を抱き始めた。こ

の事もマシロのジョギングに同行している理由の一つである。


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