オマケ

「ヤマト」

本  名    大和 直毅(やまと なおき)

年  齢    25歳

生年月日    4月27日

種  族    熊(エゾヒグマ)

身  長    207センチ

体  重    218キロ

趣  味    パソコン弄り、ゲーム、漫画、アクション映画やアニメ鑑賞

職  業    ホビーショップ勤務

好きな物    コーラ、甘い菓子、和装類

好みのタイプ  小柄、細身、おしとやか、童顔

苦  手    運動と怖いひと

備  考

 北街道出身の蝦夷羆。現在はサイタ人。被毛は茶色で、飛び抜けて大柄な体躯と大人三人分はあるまん丸く肥えた体型が特徴。

 魚屋の息子だが、当然のように跡継ぎを期待する親とは対照的に、用意されたその未来に早い内から疑問を感じていた。

 結局「自分のやりたい事」を探すべく、高校進学を期に親元を離れ、勉学に打ち込んで進学先を有名大学に定める。しかし

勉学はあくまでも「親元から離れた場所への進学」のための道具であり、学歴を就職に活かせるかもしれないと思いながらも、

「就職のための勉強」をしていなかった。

 様々な職に興味を持つものの、結果的には自分に務まるとは思えなくて諦める…といった進路選択を繰り返した挙句、大学

在籍時の一般企業への斡旋は面接で失敗、卒業と同時にフリーターとなり、以降クロス、ナカイと出会うまで定職に就けない

まま、実家からの仕送りとアルバイトで食いつないでいた。

 実家と家族に対しては、家を継ぎたくないという拒絶感と、前述の通り仕送りを継続して応援してくれているという負い目

のせいで、複雑な感情を抱いていたが、弟のヨシキを介して両親から「免罪符」を受け取り、ようやく気持ちの整理がついた。

 

 小心だが面倒見がよく、底抜けにお人好しなのは相変わらず。学生時代とは違って、気が多く優柔不断だった面はなりを潜

めている。

 だが、周囲の世話をやく事で充実していたハイティーン時とは違い、日常的に級友や先輩後輩と顔を合わせなくなった事で、

悲観的な思考と無気力な日々に絡め取られていた。

 小山のような巨体に加えて、脂肪太りの肥満体形も相変わらずだが、以前よりも筋力が落ちて脂肪分が増えている。

 逆に元々若々しくなかった顔立ちについては変化がなく、逆に年相応になりつつあり、そろそろ「ヤマトは高校の時から全

然変わらないな」などと言い始められている。

 良くも悪くも「自分の為に」という生き方では充実した人生を歩めない(自分の為だと手抜きをして雑に済ませてしまうし、

求める幸福も「まぁいいか」と妥協した物になる)性質であり、他者と寄り添い、尽くす事で、生活の質と幸福感の水準が共

に上昇するタイプ。

 

 

 

「ナカイ」

本  名    中井 雪之丞(なかい ゆきのじょう)

年  齢    20歳

生年月日    1月20日

種  族    犬(柴の血が濃いミックス)

身  長    165センチ

体  重    54キロ

趣  味    創作料理開発

職  業    おとなのホビーショップ勤務(現在はパート扱い)

好きな物    レトロゲーム

好みのタイプ  大きくて頼りがいのあるひと 頭の良いひと

苦  手    帰郷

備  考

 物腰柔らかで礼儀正しい犬族の青年。きめ細かな茶色の被毛と柔らかな下毛のツートーンで、鼻の頭は色素が薄くて肌色に

なっている。

 茶道の家元の長男で、幼い頃から跡取りとして厳しい躾けを施されてきた。

 しかし少年期に同性の友人に対し、友情とは違う好意的な感情を抱いている事を自覚し、自分が同性愛者であると認識する。

 しばらくは胸に収めて過ごしたものの、想いは薄れるどころか募るばかりで、耐え兼ねて父に相談したのだが、それでは跡

取りにならないと勘当されてしまった。

 解放を望みながらも、願望と違う勘当という形で家から解き放たれた事が根深いトラウマになっており、これ以降、帰郷し

ようと考えるだけで強い恐怖感に囚われてしまうようになった。

 半ば放心状態で身の回りの物だけ持って家を出た後は、とにかく遠くへ行きたいと電車に乗り、後々居つく事になる街へ辿

り着く。

 そこで、ポン引きしていたトベと偶然出会い、身の上に同情されてあれこれ世話をやかれ、職を得て生活し始めた。

 職場、客などの繋がりでアルバイトとして出張ホストを経験し、クロスとも知り合って「秘密のアルバイト」もするように

なり、生活にも潤いが出て少しずつ笑えるようになって来た頃、ヤマトと出会い、好感を抱いた。

 

 やや細身で、筋肉量は少ない。怪我をしたら稽古に触るからという理由で外遊びも満足にして来なかったため、体力も低め。

 また、躾けが厳しかったせいで触れられる事柄が限定されており、家を出るまで一般常識に極めて疎かった。そのため自分

の事を「物を知らない」と卑下する傾向があるのだが、実際の所は極めて常識人で、社会生活上何の問題もない好青年である。

 鼻の頭が肌色なのは父や祖父も同様で、ナカイの家系では嗅覚が鋭いという性質を持つとこの異色が表われる。これは古種

の性質が部分的ながら消えずに残っているせいで、「聖夜の魔法」と極めて相性が良いのは、この古種の因子による所が大きい。

 しっかりと繋がりを感じたい。でも強引に迫るのは失礼では?と、ヤマトとの距離に葛藤していたが、受け入れられた事で

ようやく甘える事ができるようになった。 

 

 

 

「クロス」

 白髭を蓄えた恰幅の良い老人で、四大財閥「黒須」の御隠居。…だが、実質的に総帥。高齢を理由に直接的な運営からは身

を引いたものの、慈善事業や各種イベントへの参加など、暇を作らないアグレッシブな活動を続けている。

 陽気で我儘、温厚で奔放、時折過激…と掴み辛い性格だが、手回しなどにキレ者としての片鱗を見せる食えない老人。

 ナカイ曰く、「子供の気持ちを理解できる分やや子供っぽい」との事で、悪戯好き、サプライズ好きな面も多々見受けられる。

 ヤマトの事を非常に気に入っており、義理の分を越えて干渉する事もしばしば。本人はサンタクロースとしてのパートナー

であるナカイへのアフターケア半分、道楽半分の援助と語るが、ヤマトをからかい、反応を覗うその様は、傍から見れば対等

の友人として構っているように見える。

 余談だが、「黒須」は元大財閥「黒伏」の分家筋に当たる(黒伏存続当時は五大財閥だった)。

 「惨太」という下の名前については、「スゲぇ」名前と周囲に評される一方、本人はとても気に入っている。

 

 

 

「トベ」

 クラブ、キャバレー等、歓楽街で数店舗のオーナーを務める強面の土佐闘犬。

 顔が怖く声音も低くガタイも良いので何かと恐れられるが、情に厚く涙もろい面もあり、困っている者には援助の手を差し

伸べる懐の深さと面倒見の良さを併せ持つ。一本気な好漢だが、時に筋を重んじるその価値観が過ぎて、他者に枷をかしてし

まう事も…。

 バツイチで、息子がひとり居るのだが、親権はかつての妻にあり、ろくに会う事が出来ない。ナカイに関してはその息子と

重ねてしまう部分もあり、特に親身になって世話を焼いていた。

 ナカイに対しては可愛いがりたい反面、しっかり生きていける強さを持って欲しいと感じており、時に厳しく接する事もあ

る。…が、美味い食べ物飲み物を渡してやるなど、普段はやや甘い。

 ナカイから交際相手が見つかったと聞いた時には、ヤマトを自分の目で見定め、否を唱えなかった。

 

 

 

「ツキノスケ」

 ナカイの弟。ぽっちゃりムクムクな見た目で、性格容姿共にナカイと似ていない。しかし背格好や歩き方は似ており、彼の

後姿を見たヤマトは厚着に体型が誤魔化されていた事もあって間違えた。

 勝ち気で直情的。人見知りの気があり、初対面の相手には警戒心を隠そうとしないが、気を許すと一転して懐き、愚直なま

での信頼を寄せるようになる。

 実は兄に対しては甘えん坊で、ナカイが家を出されてからは親に対しても反抗的になっていた。

 家を継ぎたくないという意識と、兄への思慕が溜りに溜まって捜索を試みたが、首尾よく発見したものの、ナカイの意思と

ヤマトの人柄を知り、すったもんだの末に諦める。

 当初こそ「兄をたぶらかした」としてヤマトに悪感情を抱いていたが、今ではすっかり気を許して、携帯でやり取り(ナカ

イの近況報告含め)する間柄となっている。

 

 

 

「父」

 ナカイとツキノスケの父。

 茶道の家元である家の存続を第一だと幼い頃から叩き込まれたため、厳格に掟を守ってきた。

 だが、跡取りである長男を放逐し、次男に反抗された事で、感情剥き出しの若者の本音に触れる事で、次第に時代の変化を

悟り始める。

 クロスとはナカイの勘当後に知り合っており、息子の現在を知る男の出現に少なからず動揺、もはや関係ないという態度を

見せながらも、クロスが語るナカイの現在に心を揺すられてゆき、最終的には自分の目で息子が暮らす街を見に行く事になった。

 クロスの計らいで会ったヤマトに対しては、ナカイを勘当している以上「よろしくお願いします」などと言う立場に無いと

考えながらも、感謝をもって頭を下げた。

 この時には血を至上に家を存続させるそれまでの価値観にも揺らぎが生じており、ツキノスケがどうしても嫌だと言うなら

無理に継がせない旨の発言をしている。

 ナカイ同様に古種の因子が部分的に発露しており、嗅覚が鋭い。