第一話 「蒼眼と黒瞳の出会い」
見る者も居ない無人の工事現場で、それぞれの依頼人から仕事を請け負った二人は、拳と刀を交えた。ある晴れた春の夜の、運命の邂逅。
第二話 「一流の調停者」
それぞれ別口で情報を仕入れ、乗り込んだ先で、二人は何度目かの邂逅を果す。障害の排除を優先するタケシに、ユウトは自分が抱く理想像を語る。
第三話 「アリス」(前編)
平和な昼食時を満喫しようとしていたユウトは、タケシからの連絡を受けた。種嶋監査官の要請で、二人は共同で密輸疑惑がある船の調査に挑む。
第四話 「アリス」(中編)
潜入したタンカー内で、ユウトは危険生物密輸の証拠を掴む。そして、言葉も知らない、一人の幼い女の子と出会う。
第五話 「アリス」(後編)
監査官や他の調停者に応援要請を出した後、能力の過剰使用で休眠状態に陥ったタケシを、ユウトは彼のアパートまで運ぶ事になった。
第六話 「チーム」
身元がはっきりしないアリスを守護し、面倒を見るため、休業を決意したユウト。そんな彼女の部屋を訪れたタケシは、ある提案を持ちかける。
第七話 「奥羽の闘神」(前編)
本格的にチームとしての活動が始まる前に、一度里帰りしたい。気は進まなかったが、ユウトはタケシとアリスを伴い、懐かしの故郷へと向かう。
第八話 「奥羽の闘神」(中編)
相棒の実家、神代家を訪れたタケシは、使用人のシバユキ、そして当主のユウヒと言葉を交わしてユウトへの想いを感じ取り、ある行動に出た。
第九話 「奥羽の闘神」(後編)
一行は河祖下を後にし、東護への帰路に着く。ユウトもタケシも、今回得る事のできた、大きな物を胸に抱えて。
第十話 「月輪の訪問者」
順調な滑り出しとは行かなかったものの、事務所の運営はそれなりに安定したものになった。そんなある日、事務所に若い獣人が訪れる。
第十一話 「類似点」
偶然目に止まった、海外で起こった事件の資料。タケシはその中から奇妙な類似性を見い出し、ユウトに告げる。起こるかもしれない事件の可能性を。
第十二話 「首都の知人」
ユウト、タケシ、アリスは、列車で首都へと向かう。アリスの検査を引き受けてくれた、国内最大の調停者チーム、ブルーティッシュの本部へ赴くために。
第十三話 「思念波」
ネネ立会いの下で、いよいよアリスの検査が開始された。特に異常は見られず、ユウトがほっとしたのも束の間、検査室で騒ぎが…。
第十四話 「幼女と白熊」
滞在中のブルーティッシュ本部内を、好き勝手に探検して歩いていたアリスは、休憩スペースで昼寝していた、学生服を着た、大きな白い熊と出会う。
第十五話 「平穏なる日常」
非番となり、暇を持て余していたダウドは、今日も徘徊中だったアリスを伴って外出する。一方、ネネとユウトは執務室で、話に花を咲かせていた。
第十六話 「タケシとダウド」
真夜中のシャワールームで、任務中の汗と汚れを洗い流す青年と白虎。が、その休憩も長くは続かず、二人は再び夜へと駆け出してゆく。
第十七話 「不穏な気配」
上位メンバーに召集をかけたダウドは、首都地下に張り巡らされた旧下水の危険性を訴えた。そしてタケシは、首都に漂う不穏な気配を感じ取る。
第十八話 「迫る黄昏」
ネネからの報告を受けていたダウドは、先に旧下水路の図面を見た際に感じた違和感の正体に気付いた。首都に、黄昏が忍び寄る。
第十九話 「開戦」(前編)
所属不明空母の確認により、ブルーティッシュは戦闘態勢に移行した。かねてより準備してあった避難誘導が進む中、調停者達は迎撃に出る。
第二十話 「開戦」(後編)
ラグナロクの軍勢を迎え撃つブルーティッシュ。前線で刃を振るうタケシ。アリスを護るユウト。帝居を護るユウヒ。それぞれの戦闘が始まった。
第二十一話 「マーシャルロー発令」
護る者。狩る者。それぞれの戦いが激化してゆく。そんな中、ダウドとネネの連名で進言がなされ、ついにマーシャルローが発令された。
第二十二話 「混戦」(前編)
増援到着までは、ブルーティッシュだけで前線を維持しなければならない。ダウド、ネネ、トシキ、タケシ、そしてエイルが、役目を果たすべく奮戦する。
第二十三話 「混戦」(後編)
川沿いに進軍する百を超える兵達にユウトが、タケシが、戦力差を顧みず挑む。一方では中枢メンバーの一人、レヴィアタンが行動を始めていた。
第二十四話 「虚無の闇、消灼の光」
ユウトとアリスを護るべく、タケシは一人、ラグナロク増援部隊の足止めを試みる。一方、味方のはずの特自は、犠牲を顧みない手段を選択した。
第二十五話 「アリス・イン・ワンダーランド」
相棒が命がけで自分達を護った。兄もまたこの首都で戦っている。仲間の奮戦で奮い立ったユウトは体得したばかりの奥義で空母撃沈を狙う。
第二十六話 「震天の慟哭」
金色の魔王の喉から漏れるは、天を震わす悲痛なる慟哭。一つの戦いと一つの旅が、終わりを迎えた。
第二十七話 「御柱破壊」
幾多の贄を得て白い塔は舞い戻り、首都の天を突く。バベルへの接触を目論むロキ、しかし黒白の猛虎と赤銅の巨熊がそれを阻む。
最 終 話 「愛されし娘」
首都を騒がせた事件は、多大な犠牲と爪痕を残して終戦を迎えた。そして年は替わり、のこされた者達は思い思いに歩き出す。