第一話 「神代熊鬼」
奥羽の山奥河祖下村で、二頭の巨熊が路を行く。一方は並外れた体躯の十四歳。もう一方は男盛りも過ぎた、神代家十七代目当主となる男。
第二話 「隠神刑部」
裏帝の隠れ里の所在が判明し、帝勢は長年の暗闘に決着をつけるため、総攻撃を開始する。先陣の一角を任されたユウキの前に立つのは…。
第三話 「神ン野悪五郎日影」
ギョウブをはじめとする隠神一派が築いた幻術に挑むは、若き神ン野家当主。その手に握られているのは一丁の小槌。巡る因縁の術勝負。
第四話 「神座狐畔」
逆神の眷属達と遭遇したアクゴロウ。だが、彼の術によって目は欺かれた敵兵は、間近に潜む脅威を察知できなかった。神座家当主、出陣。
第五話 「大神狼牙」
単独突貫で敵陣深く食い込んだ大神勢は、逆神の当主と接触した。手練れを一人、また一人と屠って行く、圧倒的な力の化身。その名は…。
第六話 「神崎猫戯」
部分的に深く食い入った帝勢と、部分的に迎撃に成功した裏帝勢。迎え撃つ準備を整えるギョウブが参集を呼びかけるが、戻らぬ逆神が…。
第七話 「鳴神雷電」
死力を尽くしてぶつかり合う帝勢と裏帝勢。気取られぬままその様を観察し、機を覗っていた者達がついに動き出す。黄昏、介入開始。
第八話 「神壊不二守雷爪」
当代最強の神将、鳴神雷電。当代最強の逆神、神壊不二守雷爪。表裏それぞれの帝勢最強戦力が、隠れ里の前で拳を交える。
第九話 「ロキ」
隠れ里に踏み入ったアクゴロウは、まだ自分が当主でなかった頃の事を思い起こす。そこに迫る、天敵の牙…。そして、白き災厄が訪れた。
第十話 「ブリュンヒルデ」
ギョウブの襲撃で陣を乱される帝勢。一進一退の攻防を続けるライデンとライゾウ。そして、ロキとヘルの前に現れた二人は…。混戦、深まる。
第十一話 「犬沢芝居」
ハンデを抱えたユウキ対スルト。一方ではロキとヘルの二人組が、ジークフリートとブリュンヒルデに阻まれる。膠着状態はついに綻び始め…。
第十二話 「神原猪門」
離れた数か所で傑物同士の激突が続く中、里に雪崩れ込んだ帝勢と、守護の裏帝勢も激しく火花を散らしていた。ギョウブと神将、激突継続。
第十三話 「ジークフリート」
神ン野と隠神の勝負に一応の決着はついても、戦闘自体は終わらない。同時期、依然として戦闘継続中のユウキとスルトの方では…。
第十四話 「スルト」
奥羽の鬼神、神代熊鬼と、白き災厄ジークフリート。超重量級即席タッグVS黄昏の盟主スルト。しかしその闘争は、濃くも短い短期決戦。
第十五話 「ラン」
発せられた「潮騒」の報を受け、隠れ里の住民達は避難を開始する。負け戦と判断したギョウブが撤退支援に入ったその頃、獅子と巨熊は…。
第十六話 「鳴神雷騎」
スルトが放った炎の河に飲まれ、赤々と燃え上がる樹海。放たれた炎が全てを飲み込んでゆく中、しかしそれに抗う者達があった。
第十七話 「神田涼風」
猛火の中、スルトを見失ったジークとユウキは、それぞれの目的に従って動き出す。同時期、ライデンもライゾウを見失ってしまい…。
第十八話 「フウ」
放たれた炎に急かされ、乱され、戦の終焉が迫る。その中でなお、持ち場を離れた両雄は巡り会う…。 神代と神壊、宿命の邂逅。
第十九話 「不二沙門」
目的を達した者。傷ついて倒れた者。敗れて落ちのびる者…。惨状の中、裏帝の遺体が見つけられ、終戦を報せるほら貝が鳴り響く…。
第二十話 「薬師神元内」
戦は終わり、永きに渡る暗闘に終止符が打たれた。しかし事態はそう簡単に纏まる物でもなく、それぞれが様々な物に追われ一月が過ぎ…。
第二十一話 「フレイア・ゴルド(一)」
北原最大規模のベースに警報が鳴り響く。解き放たれたモノを追うのは金髪碧眼の女戦士。その進路は、東洋の島国。
第二十二話 「フレイア・ゴルド(二)」
情報が不確かな御役目を請け負い、ユウキは奥羽山脈北部へ出向く。6月に大雪を振らせる異常気象の中心で巨熊が出会ったのは…。
第二十三話 「フレイア・ゴルド(三)」
雪洞に籠り機会を待つフレイアとユウキ。語らう時が静かに流れ、互いを知りゆく両者。この出会いが持つ意味も知らぬまま。
第二十四話 「フレイア・ゴルド(四)」
フレイアの事情を聞き、プシュケーを仕留める役を譲るとユウキは約束した。負傷と疲労をおして挑む若き戦士。露払いは、男盛りも過ぎた巨熊。
第二十五話 「フレイア・ゴルド(五)」
フレイアとセスルームニルの悲願は成就した。事後処理と傷の治療に時を割き、彼女達はいよいよ日本を発つ。が、しかし…。
~幕間~ 「夜伽」注意!18禁表現含有!
第二十六話 「フレイア・ゴルド(六)」
日本を発ち、ある騎士の家族へ形見を返しにゆくフレイア。そして彼女はまた刃と銃弾と風雪の日々に戻った。…はずだったのだが…。
第二十七話 「オーディン・オーディナリィオーダー」
屋敷に逗留するフレイアには出産の時が迫っていた。そんな中、河祖下村にある男が訪れる。ユウキに語られるフレイアの真実。
第二十八話 「神代熊斗」
神代家にふたりめの子供が生まれた。フレイアが去った後も、赤子一匹に手を焼かされる屋敷には、常々賑やかな日々が訪れる。
第二十九話 「板前八雲」
すくすくと大きくなるユウト。時々会いに来るフレイア。幾度目かの訪問で彼女が持ち込んだのは、ある高名な術士の弟子募集で…。
第三十話 「ヤノシュ・バルファー」
いつものように支度をし、いつものように出立した御役目。ユウヒは知る由もない。それが、ヤクモと共に出る、最後の御役目になると。
第三十一話 「黒伏法総」
御役目は果たしたがヤノシュは逃し、ヤクモは重傷。傷心に沈むユウヒ。一方、離脱したヤノシュを、目的地である首都で迎えたのは…。
第三十二話 「板前霧雲」
雨中の夜闇へまろび出て、ヤクモは姿を消す。騒ぎになった屋敷から捜索に出る面々の内、一部は嫌でも思い出す。三年前の出来事を…。
第三十三話 「 」
その日、ユウヒは父に連れられて、その場所へ赴いた。始まりの場所へ。禪られた場所へ。
第三十四話 「アグリッパ」
ある事が始まり、ある事が終わる。歩き出すのはそれぞれの道。消える事のない悔恨と、幼かった自分達の影法師を連れて。
第三十五話 「神代熊禅」
熊親父がユウトを独り占めしていたその日、ユウヒはその命令で栃樹県を訪れていた。訪問するその先、屋敷に住まう人物は…。
第三十六話 「19」
祖父の元へ修行に出されたユウヒは、肉親でありながらも人柄をよく知らないユウゼンの元で、滞在初日を終えようとしていた。
第三十七話 「16」
屋敷での生活が始まり、ユウヒは徐々に祖父や子供らとの生活に馴染んでゆく。大きな変化はまず、その価値観に生じた。
第三十八話 「15」
出稽古の期間である三週間はあっという間に過ぎた。ユウヒは自分の日常に戻る。掛け替えのない誰かの「日常」を護る、自分の日常に…。
第三十九話 「ダウド」
白い熊は夜を駆けた。唯一人、世界に追われながら世界を護るべく。白い虎は思いを馳せた。今はまだ、枷に囚われ動けないままに。
第四十話 「不破武士」
黄昏。その集団は自らをそう名付け定義した。事の善悪を問わず為すべき事を成す復讐者として。その中には年端もゆかぬ子供の姿もあり…。
第四十一話 「ニーズヘッグ」
後に、世界の行く末を左右する事件に関わる出会いがある。その一つの始まりから時を置かず、一つの終わりもまた始まる。河祖郡に、黄昏は訪れる。
第四十二話 「ラタトスク」
絆があった。想いがあった。誓いがあった。繋がりがあった。だが、時にそれらが天秤にかけられる事もある。その日、その男は、苦悩の末に選んだ。
第四十三話 「神代斗波」
河祖中が燃える。そこにあった命も、営みも、家庭も、輝く羽毛に蹂躙されて。されど頽れぬもの有り。名は「神代」。嫁ぎし後に冠された、守護者の名。
第四十四話 「縞竹雲示郎」
ユウキが使った奥の手により、ヴィゾフニル軍の奇襲は完遂目前で止まった。蹂躙を受け開戦に至った河祖群を、古参の御庭番が駆ける。
第四十五話 「オーズオース」
予期せぬアクシデントにより溶岩流は水蒸気爆発を起こし、戦場は未曽有の混乱に陥った。誰も彼もが駆け回る中、河祖群に「落下」したのは…。
第四十六話 「バッソ」
援軍到着。即座に敵将と交戦に入るユウヒ。一方ユウゼンは戦況を変える一手を打つ。秘術解禁。慈業完了。それは、深夜の白日。
第四十七話 「ヴェル」
打ち上げられた人工の太陽が戦場を照らす。ラグナロク兵の撤退はままならなくなり、アサルトベアーズも疲弊する中、戦況はしかし、またも動く。
第四十八話 「ヴィゾフニル」
白く、白く、聳える塔。それは大樹にも似て。それは骨にも似て。それは死にも似て。纏うは暗雲。纏うは落雷。その扉は、潜るべき者を選ぶ。
第四十九話 「神代勇羆」
赤く、赤く、荒ぶる羆。それは巨人にも似て。それは巌にも似て。それは死にも似て。纏うは炎熱。纏うは赤光。その腕は、葬るべき者を選ぶ。
最 終 話 「 嵐 」
それは何処かで見た構図にも似て。それは何時か見た景色にも似て。因果は巡り怨嗟は続き怨讐は果てぬ。しかしてもしも、それを断てるのならば…。
番外編
樹海の潮騒(前編)注意!18禁、同性愛表現含有!
裏帝の隠れ里で過ごす住民のひとり、申田虎一の青春時代。前編。
樹海の潮騒(後編)注意!18禁、同性愛表現含有!
裏帝の隠れ里で過ごす住民のひとり、申田虎一の青春時代。後編。
八重の潮騒(前編)注意!18禁、同性愛表現含有!
裏帝の隠れ里に暮らす兵士のひとり、申田虎一の青春時代。前編。
八重の潮騒(後編)注意!18禁、同性愛表現含有!
裏帝の隠れ里に暮らす兵士のひとり、申田虎一の青春時代。後編。
止んだ潮騒(前編)注意!18禁、同性愛表現含有!
裏帝の隠れ里から落ち延びたひとり、隠神彦左の苦難の道程。前編。
止んだ潮騒(中編)注意!18禁、同性愛表現含有!
裏帝の隠れ里から落ち延びたひとり、隠神彦左の苦難の道程。中編。
止んだ潮騒(後編)注意!18禁、同性愛表現含有!
裏帝の隠れ里から落ち延びたひとり、隠神彦左の苦難の道程。後編。
絶えぬ潮騒(前編)注意!18禁、同性愛表現含有!
落人となって生きる事を選んだひとり、隠神彦左の苦難の道程。前編。
絶えぬ潮騒(中編)注意!18禁、同性愛表現含有!
落人となって生きる事を選んだひとり、隠神彦左の苦難の道程。中編。
絶えぬ潮騒(後編)注意!18禁、同性愛表現含有!
落人となって生きる事を選んだひとり、隠神彦左の苦難の道程。後編。
惜別の潮騒(前編)注意!18禁、同性愛表現含有!
落人達から離れて歩んだ、報復の宿命を背負う少年の道行き。前編。
惜別の潮騒(中編)注意!18禁、同性愛表現含有!
落人達から離れて歩んだ、報復の宿命を背負う少年の道行き。中編。
惜別の潮騒(後編)注意!18禁、同性愛表現含有!
落人達から離れて歩んだ、報復の宿命を背負う少年の道行き。後編。
終節・潮騒の残響注意!本編読了の閲覧を推奨!
OZの移住者(前編)注意!18禁、同性愛表現含有!
研究都市OZに移り住んだ少年達の、新たな環境での生活。前編。
OZの移住者(中編)注意!18禁、同性愛表現含有!
研究都市OZに移り住んだ少年達の、新たな環境での生活。中編。
OZの移住者(後編)注意!18禁、同性愛表現含有!
研究都市OZに移り住んだ少年達の、新たな環境での生活。後編。
OZの休日注意!18禁、同性愛表現含有!
研究都市OZに移り住んだ少年達の、兄弟子達に振り回される休暇。
OZの高弟(前編)注意!18禁、同性愛表現含有!
高弟認可を受けた青年の、OZでの日々と二度目の青春。前編。
OZの高弟(中編)注意!18禁、同性愛表現含有!
高弟認可を受けた青年の、OZでの日々と二度目の青春。中編。
OZの高弟(後編)注意!18禁、同性愛表現含有!
高弟認可を受けた青年の、OZでの日々と二度目の青春。後編。
OZの祭日注意!18禁、同性愛表現含有!
高弟認可を受けた青年の、積み重ねて来た努力が報われた祭日。
カカシ注意!18禁、同性愛表現含有!
アグリッパが決まった日。
ライオン注意!18禁、同性愛表現含有!
なにもかもが終わった日。
ブリキの木こり注意!18禁、同性愛表現含有!
なにもかもが始まった日。
終節・OZの魔法使い注意!18禁、同性愛表現含有、本編読了の閲覧を推奨!